明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
22年は更なるビザルール改正が予想される
去年は移民業界にとっても本当に波乱の年でした。2019年は15回だったビザルールの改正が、パンデミックが始まった2020年はその約4倍の55回。2021年は更にそれをも上回る64回という異常なペースでした。
所属している職能団体NZAMIの会長は仕事納めの挨拶で「22年は前年よりも更なる試練の年になるかもしれない。」とコメントしており、(12月21日)嵐の前に、きちんと休んでおかないと良い仕事が出来ないと思い、年末年始は休養に努めました。
特別永住権申請条件を満たさない者による裁判所への提訴
それでも気になるのがビザです。職業病だなと苦笑しながらも、お休み中も情報収集をしていました。まずは、特別永住権。
弁護士向けの7時間移民法セミナーを一日かけて視聴したのですが、22年に起こり得るシナリオとして、特別永住権申請却下者が、移民保護裁判所に訴えを起こすケースについて言及していました。特別永住権の申請条件を満たさないながらも特別な事情を抱えていると認定された場合は、裁判所の権限で、移民大臣に永住権発給を推薦するという判決もが出てくる可能性もあると思います。
3月申請でのシステムエラー懸念。そもそも審査官の数は足りているのか?
12月1日の第一弾の申請開始後、大量アクセスによるシステムエラーが頻発しました。弊社では、移民局から急遽提供されたアドバイザー専用の特別フォームに記入して申請を試みましたが、エラーで入力内容が全て消え、再記入して申請しようとするとまたエラーが出ての繰り返し。第二弾では、申請が一つ完了するまでに何時間(または何日?)かかるのか、考えるだけで憂鬱です。
そして、審査官の数が足りているのかも懸念材料です。
80%の特別永住権審査を1年以内に完了する為には、計算上、毎週1700件審査しなければいけないようです。移民大臣への報告では、200名の審査官が必要とのことだったのですが、現在、特別永住権審査に関わっている審査官は105名とその約半分(Stanford議員12月29日)
12月21日22時時点では、506件と発表されていた特別永住権発給数。翌22日時点では、2倍以上の1057件と発表しており(INZ 12月23日)発給数の信憑性に不安を感じながら、他の資料待ちや別の部署とのやり取りの可能性を考慮しても、予定よりも、発給数が少ないように思いました。また、前述の職能団体会長は、特別永住権審査でビザルールとは関係ない資料の提出を審査官から求められたケースがあったことにも触れており、そのようなことが頻繁に起こると、更に審査期間が延びることは免れません。
他には、システムで特別永住権が入国に有効なビザと認識されず、MIQが予約出来ない事態が発生し、この点について国境が再開されるまで修正されない可能性を示唆した移民局からのメールが流出しました。(Stanford議員、1月7日)。しかし、1月8日になり、このシステムエラーについて優先的に解決すると方針を急変更。(Newshub)移民局の発表と矛盾する一貫性のない事態は避けて欲しいものです。
他のビザ申請への影響
移民局に確認してみたところ、特別永住権は全ての支局で審査するとのことで、そうなると他のビザの審査にも影響がありそうです。印象としても以前の方がさくさく審査結果が出ていたように思います。(因みに、Permanent resident visaでさえ、現在の審査期間は最大5か月。)同じ理由で、新ワークビザ開始、国外ビザ申請、及び技能移民EOI再開も、本当に予定通り行われるのか確信が持てません。
上昇した平均時給はいつ適用?
2021年6月(最新版)のNZ平均時給(厳密には中央値)は、前年より76セント上昇の$27.76でした。(Stats NZ 8月18日)今年4月1日に最低時給が改定されることや、第三四半期のインフレ率が4.9%で、インフレ傾向が続く予想を踏まえると、更なる上昇が予想される平均時給がいつから適用されるのかも心配です。
カンタベリー地方では、国境封鎖により人手不足がより深刻化しているとの報道もあり(NZH, 1月5日)転職するという点では、売り手市場である今がチャンスかもしれません。(特に南島)。それと同時に、来年は永住権保持者が急増するので、NZ人、永住者の該当者がいないことをチェックするLabour market testで苦戦しそうです。希望を持ちたいものですが、2022年も、楽観的でない方が精神的に楽でいられる一年になるかもしれません。
本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。執筆者及び弊社は、本コラムの内容等に起因する損害について、一切の責任を負わないものとします。内容の無断転載を禁止します(1月10日執筆)。
- Aki Yamasaki
- New Zealand Visa Partner Limited(ニュージーランドビザ申請代行センター)代表。NZ政府公認・移民アドバイザー(Licence No. 201701307)/NZ公認教育カウンセラー。カンタベリー日本人会協賛会員。Google Review 5.0。
- ニュージーランド移住27年目、移民アドバイザー歴9年目。TOEIC満点、英検1級。Master of Business Lincoln Uni、Bachelor of Social Science (心理学) Waikato Uni,、移民法最高学位GDNZIA等15学位を取得し、現在も大学院ロースクールで法律を学ぶ。
- 一般的なビザ申請だけでなく、申請却下歴、犯罪歴、移民保護裁判所などの困難な案件にも対応。移民法に基づく法的助言、申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成等一貫して担当する。却下後の不服申立て、犯罪歴・病歴を伴う案件、移民大臣による特別な例外許可を求める案件、さらに弁護士や他の移民アドバイザーでもビザ取得に至らなかった案件についても、ビザ発給へ導いた実績を有する。 コロナ禍でビザ許可率が低下していた時期に、かつ素行要件にも抵触していた2件のビザ申請を除き、これまで受任したビザ申請の成功率は100%。評判の高い移民アドバイザーや留学エージェントからも案件の紹介を受けている。
- 法律分析と移民局への弁論書に定評あり。本気でニュージーランドのビザ取得を目指し、「応援したい」と思える案件のみ厳選して受任。弊社で申請代行可能かどうかの査定は無料。
- NZ国内外オンライン対応
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