申請却下されても、ビザが発給されるチャンスがあるかもしれません。
不服申し立ての申請条件
以前、日本のテレビ番組制作のリサーチを担当させて頂いたことが有るのですが、移民アドバイザーをする上でもこのスキルは必要不可欠なものの一つです。そして、それが最大限発揮されるのが、不服申し立て申請だと思います。
不服申し立てについては移民法2009第185条に定められています。
NZ国内申請者の短期ビザ申請が却下され、申し立て時にNZに合法的に滞在中であれば、却下決定後14日以内に不服申し立てを行うことが出来ると定められています。また、国外申請者からの不服申し立てについても、審査官の裁量で審査してもらえる場合があります。ただし、移民大臣がビザ不発給の決定を下した場合は、この権利を行使することは出来ません。
本来は郵送申請のみなので、この14日間の申請期限までに申請書類が移民局に到着するかドキドキなのですが、現在は暫定的措置として、Emailでの申請も認められています。コロナ禍でのblessing in disguiseの一つです。
不服申し立て申請は時間との闘い
不服申立てからの受任をさせて頂く場合は、かなりの短期決戦になります。申請却下後14日以内という期限があるので、もし、契約締結が却下後10日目になると、4日以内に申立てを完了しなければいけません。
超短いタイムリミットの中で申請時と現状をヒアリングで把握し、提出した資料と合わせて細かく分析し、法律に照らし合わせてビザ発給条件を満たしていることを主張した移民局提出用のカバーレターを作成します。却下までに至った審査方法もチェックしたいところですが、これらは情報開示請求する必要があるので、そうなると最大1か月かかることもあります。今回は、以前お世話になった移民官を頼って、なんとか3日で資料を全て出して頂きました。
申請代行にも大きな影響が出る為、常識が欠如していたり、約束を守れなかったり、回答を渋る方の場合、受任をすっぱりお断りすることもあります。今回、きちんと話し合ったうえで、アジア出身のクライアントさんの代理人を務めさせて頂きました。
観光ビザは難しい
通常、一般的な観光ビザは一回の滞在で最大9か月間しかNZに滞在することが出来ません。NZを出国出来ない等の正当な理由があれば、それから3か月間延長してもらえる場合があります。ただ、こちらの方は自動延長により、すでに12か月間を大幅に超過していました。
不服申し立ては、申請却下が間違っていたかどうかを上級審査官が審査する制度です。つまり、最初にビザを申請した際に、正当な理由を証拠と共に提出していないと、却下決定が合理的判断と見なされ、不服申し立てが失敗する可能性が高くなります。この方の場合、主張としては少々弱いながら、出国出来ない理由を提出されていました。後はその主張に対して、法的根拠と新たな証拠をどのように示せるかがポイントでした。
詐欺被害に遭ったことはありますか?
バリ島観光中、為替詐欺に遭ったことがありますが、「泣き寝入り」という概念が存在しない私たち夫婦は、観光警察の介入で為替商からお金を取り戻したことがありました。
今回リサーチした結果、クライアントさんの出身国では航空券詐欺や、帰国便手配と引き換えに、袖の下を要求するなどの疑惑を報じる記事を見つけました。また、コロナが蔓延していることを示し、人道的理由で強制送還が中止された判例と合わせて提出しました。
審査をスピードupしてくれた移民局の粋な対応
不服申し立ての難しいところの一つは、審査官の面子を潰さないように、却下に至った審査方法を否定しなければならないところです。また、今回はNZに残るべき強い理由も見つけたので、こちらを他の論点と矛盾が生じずにカバーレターを作成することにも苦心しました。
短期ビザ却下21日後には、Interim visaも失効して不法滞在状態となってしまうため、移民局と交渉して、最大4か月かかるところ、1週間弱で審査が完了。ビザが失効する前日に見事ビザを発給して頂きました。
NZに留まる理由も出来たので、こちらのクライアントさんは、今後、ワークビザそして、永住権にもつながる可能性が出てきました。とても大変でしたが、あんなに心から何度もthank youと言って頂けたので、疲れも一気に吹っ飛んでしまいました。
最近は自動延長がいろいろあった=ビザ審査も簡単になったということはありません。実力、実績相応の代理人費用が発生しますが、本気でビザを取得したいのであれば、ビザ申請は最初から自分に合う専門家を利用された方が良いと思います。
追記)クリス ヒプキンズコロナ対策大臣は、12月21日、来年1月17日に開始を予定していたオーストラリアからの渡航者を対象とした、MIQを免除し自主隔離に切り替える措置を来年2月末まで延期することを発表しました。
本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。執筆者及び弊社は、本コラムの内容等に起因する損害について、一切の責任を負わないものとします。内容の無断転載を禁止します(12月20日執筆)。
- Aki Yamasaki
- New Zealand Visa Partner Limited(ニュージーランドビザ申請代行センター)代表。NZ政府公認・移民アドバイザー(Licence No. 201701307)/NZ公認教育カウンセラー。カンタベリー日本人会協賛会員。Google Review 5.0。
- ニュージーランド移住27年目、移民アドバイザー歴9年目。TOEIC満点、英検1級。Master of Business Lincoln Uni、Bachelor of Social Science (心理学) Waikato Uni,、移民法最高学位GDNZIA等15学位を取得し、現在も大学院ロースクールで法律を学ぶ。
- 一般的なビザ申請だけでなく、申請却下歴、犯罪歴、移民保護裁判所などの困難な案件にも対応。移民法に基づく法的助言、申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成等一貫して担当する。却下後の不服申立て、犯罪歴・病歴を伴う案件、移民大臣による特別な例外許可を求める案件、さらに弁護士や他の移民アドバイザーでもビザ取得に至らなかった案件についても、ビザ発給へ導いた実績を有する。 コロナ禍でビザ許可率が低下していた時期に、かつ素行要件にも抵触していた2件のビザ申請を除き、これまで受任したビザ申請の成功率は100%。評判の高い移民アドバイザーや留学エージェントからも案件の紹介を受けている。
- 法律分析と移民局への弁論書に定評あり。本気でニュージーランドのビザ取得を目指し、「応援したい」と思える案件のみ厳選して受任。弊社で申請代行可能かどうかの査定は無料。
- NZ国内外オンライン対応
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