第12回(最終回) 日本国外でも注目されている日本の環境教育 (2)
先週のコラムで、マイエンザについて少し触れさせて頂きました。この最終回では、もう少し詳しくマイエンザについてお話させて頂きたいと思います。
NZの自然に触れてきた経験を交えながら、環境学で議論されているコンセプトについての豆知識のお話。日本国内外でも注目されている取り組みも少し紹介していきたいと思います。
先週のコラムで、マイエンザについて少し触れさせて頂きました。この最終回では、もう少し詳しくマイエンザについてお話させて頂きたいと思います。
環境教育を勉強している時に、日本の環境教育関連のコンセプトや物がNZを含む日本国外でも注目されていることに気付いて、嬉しくなったことがあります。今回と次回の最終回で、2つの例をご紹介させて頂きたいと思います。
前回、持続可能な発展が一番期待できる「牛の目」モデルに触れましたが、今回は、その「私達の日々の営みは、健全な地球環境あってこそ」の考え方が含まれている活動例についてお話をさせて頂きたいと思います。
「環境の話なのに、なぜミッキーマウス?」と、不思議に思った方もいらっしゃるかもしれません。でも、「ミッキーマウス」という持続可能な発展に関するモデル(図・型)が本当に存在するのです。今回はそれも含め、 3つの主なモデルについて書いてみたいと思います。
突然ですが、皆さんにクイズです。下の写真に写っている4つの植物は、オークランドの道端では結構一般的に見られる植物です。 以下のAからDの植物の名前は何でしょうか (「C」は丸い根っこに注目)。答えはこの記事の一番下にありますが、まずは、答えを見ずにそれぞれの名前を言ってみて下さい (日本語でも英語でも、どちらでも結構です) 。
皆さんは、TEK(テック)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「Traditional Ecological Knowledge(伝統的な生態学的知識)」の略称で、「先人が過去何百年にもわたる環境との関わりを通して培って来た、世代から世代へと受け継がれて来た知識や知見」のことです。ちなみに、マオリ語では「Mātauranga Māori(マオリ族が蓄積して来た伝統的知恵・知見)」と言うそうです。
私は、教職免許を取得した後、応用言語学の修士号と、教育心理学・応用言語学の博士号も取得したのですが、環境保全や環境教育学、それから環境心理学についてもっと勉強してみたいと思い、オークランド大学理学部大学院に入り直して、理学準修士号 (環境マネージメント) も取得しました。一言で「環境マネージメント」と言っても、数え切れないほどのトピックがあるのですが、これから何回かに渡って、私が興味深いと思ったトピックについてお話ししてみたいと思います。
NZでモナークの個体数が劇的に減っていることに危機感を覚えた私は、その個体数を増やすため、幼虫の餌となるswan plant(風船唐綿: ふうせんとうわた)の苗をまず1本買って庭に植えました。後にこぼれ種でたくさんのswan plantが育っています。「モナークの個体数が増えたイコール環境改善」みたいな単純な環境問題ではないと思いますが、とにかく個体数が増えないことにはどうにもならないと感じています。
皆さんは「monarch butterfly」という蝶々をご存知でしょうか。NZ最大の蝶々で、翅は濃いオレンジ色で、 翅の脈と縁が黒く、縁取りには白い斑点があります。 「王者の蝶」と言われるだけあって鮮やかな模様が印象的です。NZで蝶々と言えば、地元の人達がまず思い浮かべるのが、monarch butterflyだと思います。私は、様々な理由から、この蝶々が無事育って巣立ちする(?!)お手伝いを10年以上しています。日本語では「オオカバマダラ」と呼ばれているようですが、私は勝手に「モナーク」とニックネームを付けて呼びやすくしているので、この記事では「モナーク」と呼ばせて頂きます。
いよいよ、擬似遭難の実習の日が来ました。この日までに、 サバイバルの授業で生き残る上で大切なことも色々勉強したし、班ごとに遭難した日の夜の献立や調理方法を考えたりして、遭難する準備(?)は万全だという感じでした。
オークランドの小学校・中学校・高校で、ボランティア教師として活動していた時、NZの自然環境だけでなく、NZの教育にも魅了されました。NZで日本語を教える仕事をしたいと一念発起して、ボランティア活動を終えた後、Auckland College of Education (現在のオークランド大学教育学部) で、教職免許を取るための勉強をすることにしました。
私の実家は元々兼業農家で、自分達で食べるお米や野菜を基本的に自分達で作るという家で育ちました。あの頃はそれが当たり前で、 自然の恵みや環境保全の大切さについて特に気に留めていなかったなあと反省している今日この頃です。現在では、色々な体験を通し環境のことをさらに深く考えるようになりました。これから12回に分けて、私の体験を通して感じたこと等を綴っていきたいと思いますので、ぜひお付き合いください。