友人の移民アドバイザーから難しいケースの代理人を打診されました。
悪質な雇用法違反の雇用主は公開及びビザサポート停止
打診があったのは、雇用にも関係する、移民保護裁判所に提訴しなければいけない案件で、私の腕を買って声をかけてくれたと思うと嬉しい限りではありますが、申請者の方を見て最終的には判断させて頂こうと思っています。ここまで難しい例は稀なのですが、雇用法違反の案件はかなり厄介でもあります。最低賃金以下での雇用やホリデーペイの未払いはもちろん、不当な天引きなどに対しては、MBIE省最高行政官の判断で、Standdown listに掲載され、一定期間、ビザサポート自体が出来なくなります。過去にも、有名ファーストフードチェーンがこの不名誉な認定を受け、Standdown listに名前が掲載されたことがありました。因みに、移民法の定めで、移民搾取で有罪判決が出された永住権保持10年未満の雇用主は、強制送還の対象となります。
Migrant Exploitation Protection Work Visaが新設
移民搾取に苦しむEssential Skills Work Visaなどビザサポートを受けたビザ保持者向けに新たなビザが発表されました。ステップとしては、関係省庁に、まず電話もしくはオンラインフォームにて搾取について報告。報告内容に信頼性が持てると判断され、捜査についてのレポートが発行された場合は、発行後1か月以内にMigrant Exploitation Protection Work Visaを申請という流れになります。ビザは、最大6か月間のOpen workで、どの雇用主の下でも働くことが出来ます。
政府は2017年に60人に増やした労働規準監督官を2020年までに更に110人にまで増やす意向を示していました(RNZ、2017年11月6日)。移民搾取の問題に対応するため、割り当てられた5000万ドルの予算の一部で労働基準監督局内に移民搾取のセクションが設けられ、捜査はスピーディーに行われるようです(Newsroom, 2021年7月8日)。
このビザによって、労働環境が悪い中、我慢してビザのために働き続けることも、辞めてビザを失うこともなく、他の就職口を探すことが出来るようになりました。6か月というビザ発給期間は十分なのか、実際、捜査が完了してレポートが発行されるまでどれくらいかかるのかという点等について個人的には気になりますが、移民局の対応としては、一定の評価をしてもいいのではないかと思っています。
搾取とまではいかない小さな雇用法違反でもブラックリスト入り?
Standdown list以外に、ビザ審査中に雇用法違反が移民局に認定され、移民局が管理する雇用者についてのファイルに掲載されることもあります。例えば、雇用契約書規定の時給が払われていない、最低就労時間を下回っていることが判明した時などが挙げられます。その場合、ビザ発給が非常に困難になります。(一応、移民保護裁判所の判例では、移民局が雇用法違反がどうか判断する際に、1つの違反で決めるのではなく、いろいろな要素を考慮する必要性を説いています。)
雇用法は厄介な分野で、不備があると、最悪のケースではEmployment Relations Authorityという裁判所への提訴まで発展し、時間、労力、訴訟費用がかかる上、通常、実名で判決文がオンラインで公開されてしまうことがあります。
大学で雇用法について学ぶことが一番良いのですが、フルタイムで働きながらの勉強ですと、プライベートがなくなるくらい時間が取られます。(かなりの判例を勉強するので、結構骨が折れます。)しかし、通常の雇用関係だけでなく、雇用法遵守もビザ申請の審査に関わってくる大事な部分ですので、知識として取り入れることは大事な事だと考えます。頑張っているスタッフが、約2年審査を待ったあと審査官に雇用法違反を指摘され永住権申請が却下となり、更に他のスタッフのビザ申請にも悪影響が出てしまっては、雇用主の方も泣くに泣けませんので。
追記)
入国制限についての発表が8月12日に、永住権関連のアップデートが1か月以内にあるとの首相のコメントが報じられました。(NZ Herald 8月2日)
本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。本コラムの内容等に起因する損害について、執筆者及び弊社NZVPは一切の責任を負わないものとします。内容の無断転載を禁止します(8月2日執筆)。
- Aki Yamasaki
- New Zealand Visa Partner Limited(ニュージーランドビザ申請代行センター)代表。NZ政府公認・移民アドバイザー(Licence No. 201701307)/NZ公認教育カウンセラー。カンタベリー日本人会協賛会員。Google Review 5.0。
- ニュージーランド移住27年目、移民アドバイザー歴9年目。TOEIC満点、英検1級。Master of Business Lincoln Uni、Bachelor of Social Science (心理学) Waikato Uni,、移民法最高学位GDNZIA等15学位を取得し、現在も大学院ロースクールで法律を学ぶ。
- 一般的なビザ申請だけでなく、申請却下歴、犯罪歴、移民保護裁判所などの困難な案件にも対応。移民法に基づく法的助言、申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成等一貫して担当する。却下後の不服申立て、犯罪歴・病歴を伴う案件、移民大臣による特別な例外許可を求める案件、さらに弁護士や他の移民アドバイザーでもビザ取得に至らなかった案件についても、ビザ発給へ導いた実績を有する。 コロナ禍でビザ許可率が低下していた時期に、かつ素行要件にも抵触していた2件のビザ申請を除き、これまで受任したビザ申請の成功率は100%。評判の高い移民アドバイザーや留学エージェントからも案件の紹介を受けている。
- 法律分析と移民局への弁論書に定評あり。本気でニュージーランドのビザ取得を目指し、「応援したい」と思える案件のみ厳選して受任。弊社で申請代行可能かどうかの査定は無料。
- NZ国内外オンライン対応
- 営業時間 平日 NZ時間 9:00~18:00
- お問い合わせフォーム:https://app.ezymigrate.com/c_q?para=fzg2603ilm5
- Email:info@nzvisapartner.com
- https://nzvisapartner.com/
- https://jp.newzealandvisapartner.com
- https://overstayinnewzealand.com/ (不法滞在者向け)
- https://twitter.com/akiyamasakiNZVP
