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第131回 ニュージーランドは移住しやすい国なのか?

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第131回 ニュージーランドは移住しやすい国なのか?

ニュージーランド政府公認移民アドバイザーのAki Yamasakiです。

昨年のビザルール改正数はなんと45回。

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。本年も、弊社のクライアントの皆さまが無事にビザを取得できるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。さて、法律というものは一度決まったら変わらないというものではありません。とりわけ移民法は変化のスピードが非常に速い分野です。昨年だけを見ても、ビザに関するルール改正は実に45回にのぼりました。これに加え、大元である移民法の改正、審査ポリシーの見直し、さらには移民保護裁判所における裁判例等、他の法律分野と比べても変動が激しいと言えるでしょう。

無資格者やAIの落とし穴

しかも、同じルールであってもアドバイザーや弁護士によっては解釈が分かれる場面は決して少なくありません。そのため、専門家が集まる職能団体の中でも、日常的に活発な議論が交わされるほどです。最近、特に気になっているのは、無資格の同僚やコミュニティ内の「アドバイス」、あるいはAIから得た断片的な情報をもとに、移住準備やビザ申請を進める方が増えているという点です。実際、そのようなソースからの情報に対して「それは誤った理解です」と訂正せざるを得ない場面が、以前より明らかに増えています。つまり、専門家の視点が欠けたまま進めてしまうと、知らず知らずのうちにリスクの高い申請を行ってしまっている可能性があると言わざるを得ません。実際、お問い合わせを頂いた方だけでも、ビザ発給の要件を満たしていない方が相当数いらっしゃいました。

更に、ビザが発給されるかどうかは、特に短期ビザにおいては、“必要書類”を揃えただけでは十分ではありません。なぜそのビザを発給することが妥当なのかについて、個々の事情に即した丁寧な説明が求められます。加えて、ニュージーランド国外からのビザ申請には、却下前に弁明の機会が与えられる制度も、再考手続きも原則として存在しないため、特に高いリスクを伴います。

万が一、ワークビザ、さらにはより厳格な要件が課される永住権申請で却下となる可能性もあります。移民保護裁判所への提訴という方法もありますが、もしそこで敗訴した場合、失われるのは申請料などの金的負担だけではありません。これまでに費やした時間(最悪の場合、3年以上)や労力が無駄になるだけでなく、心理的負担が大きいです。更に、次回以降の永住権申請において、より高いハードルを背負うことにもなりかねないのです。

審査方法に変化が出てきている

さらに、元審査官の方々からは、「かつて常識とされていた判断やアプローチが、近年は明らかに変化している」という声を聞くことが増えています。コロナ禍で多くの審査官がリストラされ、その後、新たに採用された審査官が増えたことが影響しているのではないか、との見方もあります。実際、私自身もそうした変化を実感する場面を何度も経験しています。昨年担当した案件の中にも、本来なら、ここまでやればすんなりビザが発給されていても不思議ではないと感じつつ、感情を抑え、冷静に粘り強く移民局からの懸念に対応せざるを得なかったケースがありました。しかし実際に、ビザの可否は、ビザルールに照らしつつ、審査官が要件を満たしていると「満足するかどうか」という主観的判断に委ねられています。その判断を動かすために必要なのは、客観的な証拠と法的観点からみた合理的な主張です。そのため、常に法的知識をアップデートして、分析力を鍛えることがプロフェッショナルに求められる姿勢だと感じています。

ニュージーランド移住を検討中の方々へ

世界情勢だけでなく、日本周辺の動きも不穏さを増し、昨今、さらに海外移住への関心が高まっているように感じます。一方で、現地在住の方のSNSでは「ビザが厳しくなり、日本に帰るしかない」といった声も目立つようになりました。

その流れの中で、第一希望の国が難しかったために「比較的ビザが取りやすいからニュージーランドへ」という安易な発想で永住を目指す人も増えているように見受けられます。以前、ビザ審査においても「なぜこの人はニュージーランドに本当に滞在したいのか、その明確な理由が見えない」と指摘され、申請却下になりかけたケースがありました。

観光やワーキングホリデーで訪れ、魅力を感じて永住を考えるのであれば素晴らしいことです。しかし、ビザの取得のしやすさといった理由だけで、移住先を消去法的に選ぶ移住は、慎重に考えたほうがよいと思います。移住には相応の費用と覚悟が必要であり、住む地域選び、仕事、地域社会とのつながりなど、移住後のブループリントについて家族間の合意が欠けていると移住生活は厳しくなると思います。そもそも、「滞在できさえすれば、どの国でもよい」のでしょうか。本来は、自分が心から住みたいと思える国を選ぶことこそが、移住の本質ではないでしょうか。また、本コラムでも触れたとおり、ニュージーランドのビザ申請は頻繁なビザルール改正だけでなく、見落とされがちな落とし穴が少なくありません。安易に「簡単だ」と考えて申請すると、思わぬ形で厳しい結果を招くことがあります。

また、ビザ申請は一人で完結するものではありません。アドバイザーや弁護士、学校、現および前雇用主、同僚、友人、日本の家族など、多くの大人の協力が必要不可欠です。申請準備を始めてから「やっぱりやめた」という軽い判断は、周囲に迷惑をかけます。また、助けてもらうことを当たり前と考えたり、感謝の気持ちを欠いたり、周囲への配慮を欠く姿勢では、特にニュージーランドの社会では円滑にやっていくことは難しいでしょう。

以前、永住権を取得してから数か月で「思っていたのと違った」と完全帰国されたケースがありました。移住に迷いや不安がある段階であっても、状況を整理することがとても大事です。本当に移住という選択でよいのか、一度立ち止まって考えたうえで、覚悟を決めたからには、全力で移住に向き合っていただきたいと思います。

このコラムは、一般的なビザおよび移民法に関する情報を提供することを目的としており、法的助言を目的としたものではありません。執筆者および弊社は、本コラムの内容に起因する損害について、一切の責任を負いません。また、免責事項も含めて内容の無断転載および改変を禁止します。政府公認の移民アドバイザーは、移民アドバイザーライセンシング法に基づき、ニュージーランド政府からフルライセンスを取得しています。執筆者はこのライセンスにより、単独で移民に関する法的助言および全てのビザ申請代行を行う法的業務を提供することが認められています。移民アドバイザーと直接やり取りをせずに、無資格者を介して移民アドバイスを受けるなどのやり取りをする場合、違法行為であり、処罰の対象となる恐れがあります。また、移民アドバイスを受ける際は、必ず政府団体IAAのウェブサイトでアドバイス提供者のアドバイザー番号とその種類を確認することで、無資格者からの違法なアドバイスからの被害を避けることができます。(ライセンス発給歴も確認できます。また、アドバイザー番号の最初の4桁はアドバイザー資格申請年を示しています。)移民アドバイザーの中でも特定のビザカテゴリー限定でアドバイスを行うことが認められている Limited Licence 保持者については、どのビザカテゴリーについてアドバイスが可能なのか必ずご確認ください。弊社では、ビザ申請代行が可能かどうかの簡易査定については無料にてご相談を承っております。しかしながら、法的助言は業務提供の一環に該当するため、ご契約前の段階において、個別具体的な法的アドバイスを無償で提供することは行っておりません。弊社では、ビザ取得の可能性を最大限に高めることを最優先とし、申請に対して本気で取り組まれる方のみを対象に、受任を限定しております。その上で、移民アドバイザーが申請の初期段階から完了に至るまで一貫して関与し、相応の時間と高度な専門性を要する法的業務を、責任をもって遂行しております。(執筆日2026年1月13日)

 
Aki Yamasaki (カンタベリー日本人会協賛会員でGoogle Review5.0のNew Zealand Visa Partner (ニュージーランドビザ申請代行センター)代表およびNZ政府公認移民アドバイザー)
 
9年目のベテラン移民アドバイザー。ニュージーランドに移住して27年目。TOEIC満点、英検1級取得。Master of Business, BSocSci (心理学)、移民法最高学位GDNZIA等15学位を取得。現在は大学院ロースクールに在籍。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)およびNZ公認教育カウンセラー(ライセンス番号2430150)ほぼ全てのビザ申請を最終的に発給に導く。自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2か月以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談(1時間まで$250+GST)のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ)02108319214(お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜)
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