今日はニュージーランドの幼稚園の現場でよく使われてるな! と思うフレーズをピックアップしてみました。こちらは子どもが何かに絵を描いているときの声がけです。子育て中の方もぜひ使ってみてください。
- 1.Can you tell me about your creation?
- 2.Can you tell me about your painting?
- 3.Can you tell me about what you are doing now?
- 直訳すると
- 1.あなたが作っているものについて教えてくれる?
- 2.描いているものについて教えて?
- 3.今何をしているかについて教えてくれる?
になりますが、どれも日本語でいう「何してるのかな?」というぐらいの軽いニュアンスで聞いています。ここでのポイントは、「何を描いているの?/What are you drawing?」「それ、なあに?/What is this? 」など直接的な表現で聞いていないというところです。
何を描いているかと聞かれたとき、子どもが一瞬戸惑った表情を見せることがあります。なぜでしょうか?
それは子どもが「ただクレヨンの感覚を楽しんでいるだけだけど、何を描いているかと聞かれて考えているとき」だったり、「何かを描いているけれど名前のついたものではないとき」だったり、無目的にただただ楽しんでいる等色々なパターンがあります。
そして子どもがこの質問を何度も聞かれ、慣れていくと、子どもによっては「何か名前のついたものを描いたほうがいい」「ただクレヨンを楽しむんじゃなく、作品にする」という思考の訓練ができてしまいます。
それが良い影響を及ぼすこともありますが、ただクレヨンを楽しむだけじゃダメだと自分の感覚や興味、関心をやめて大人の声がけに従うという思考の訓練ができてしまうと、自分で考えることが苦手な子になりやすいわけです。
ニュージーランドの保育では、そういった子どもの想像力や創造性を妨げる可能性があるものをとても嫌う傾向があるので、先生たちが冒頭で書いたような英語表現で子どもに接している場面をよく見かけます。
言語化して説明はできなくても子どもたちは日々たくさんのことを吸収し、思考し、大人になる過程でこの社会で生活するための価値観の土台を作っています。
私たち大人は子どもにたいして大きな影響力を持っているので、ぜひご自身の子どもの頃を思い出して、かけてもらいたかった言葉や行動を子どもにしてあげて欲しいと思います。
以上、直樹でした!