ニュージーランドの小学校では、放課後の部活動という文化がありません。
その代わりというわけではないですが、僕の働く小学校では昼休みに有志の先生たちがクラブ活動をやっています。クラブ活動は任意参加なので、その他の生徒は校庭で自由に遊んでいます。そのため、お昼休みの見回りの担当が各先生につき週に3回あります。
校庭を4分割して、4人の先生が見回っています。何を見回るかというと、子どもたちが安全に遊んでいるか、ケンカの仲裁、ケガをした報告があれば保護者に連絡する、などです。
これまで大きなもめ事はありませんでしたが、全校生徒が遊んでいる昼休みなので、全く知らない子のケンカの仲裁に入る可能性もあります。
すると子どもたちは、ただでさえストレスのかかるケンカのときに、知らない先生に仲裁されるというストレスがあることを考えて、学校の方針として、見回り担当の先生は、関わったことのない生徒にも、できるだけポジティブな声がけをしようということになりました。
個人的には、ただ見回りをするより生徒と話してるほうが楽しいですし、先生と生徒が顔見知りでいることで生徒も安心感を持つ取り組みは良いことだなと思います。
余談ですが、この担当のときは、遠くからも目立つように蛍光の黄色いベストを着て、赤いファイルを持ち歩くのですが、それがちょっと恥ずかしいです。(笑)
しかし、生徒たちの中には、その赤いファイルを「持ってあげる!」「持たせて」と集まってくる子たちが時々いるのがおもしろいです。
先生たちの見回り当番は、任意のクラブ活動を持つことで1日免除になります。僕は教室で「日本のおもちゃで文化を学ぶ部」を作り、生徒たちとコマや折り紙、けん玉をしています。
他の先生の部は、校庭でラグビー、クリケット、教室や図書室では合唱、チェス、マオリ語、中国語、卓球、3Dプリンター、ガーデニングなどをしています。
今いる先生たちの特技がそのままクラブ活動になっています。いつまで続けるか、どんな内容にするかも先生の自由で、廃止や変更があるときや2つ目の活動を作るときに、係の先生に届けを出せばいいだけというシンプルな仕組みになっています。一番人気は合唱クラブで、担当の先生の合唱に対する情熱がとても大きく、素晴らしいと思います。僕のクラブにも毎回5、6人は来てくれるので、クラスの生徒以外とも交流ができて楽しいです。
このように、自由度の高い中でのクラブ活動なので、メリット、デメリット両方あると思いますが、自発性が尊重される環境がニュージーランドらしいなと感じています。