今日はニュージーランドのナショナルカリキュラム(保育所保育指針や幼児教育要領にあたるもの)であるテファリキについて、その心臓部分となる4原則と5要素について紹介します。
テファリキは、幼児教育の主役である子どもの主体性を大切にしているだけでなく、保護者の意向も同じ様に尊重され、保育者の主体性も大切にしています。これにより、子どもを取り巻く大人達も、強制されるのではなく、主体的に幼児教育に携わることができ、子どもにとってそのことは、成長と発達にとても重要だと考えられているからです。
その証拠に、テファリキとは、一針一針、交互に編んだ伝統的な敷物のことを指し、幼児教育カリキュラムとしてのテファリキ(敷物)の上には、子どもと、子どもを取り巻く全ての人が乗るという比喩が描かれており、ここで交互に編まれているのが、4つの原則と5つの要素です。
《4つの原則 : Principals》
- エンパワーメント(Empowerment):
- 子どもが本来の能力を発揮される経験を持つ
- 全体的発達(Holistic Development):
- 子どもの発達を包括的に見る
- 家族と地域(Family and Community):
- 家族や地域という広い世界がとの繋がりが不可欠である
- 関係(Relationships):
- 人、場所やモノとの関わりの中で学ぶ
《5つの要素 : Strands》
- ウェルビーイング(Wellbeing):
- 心身ともに幸福で健康な状態
- 所属感(Belonging):
- 所属感を感じられる
- 貢献(Contribution):
- 学びの機会が平等であり、一人一人の貢献が価値のあるものである
- コミュニケーション(Communication):
- それぞれの子どもが持つ言葉やシンボルが促され、守られる
- 探索(Exploration):
- 環境の中で積極的に探索することで学ぶ
この4原則と5要素は密接に関係しあっているため、保育園での活動によって、どれか一つを伸ばすというようなものではありません。ニュージーランドの子どもたちは、保育園や幼稚園での遊びの中で、ここに書いた9つの項目を発達させていくように、保育者は、子どもの様子を見たり、部屋のセッティングを変えたり、保護者や地域の人々とコミュニケーションを取ったりしています。簡単に紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。テファリキに興味を持った方は、ぜひこちらから原文も読んでみてください。