ニュージーランドの高校と日本の高校では異なる点が多くありますが、特に音楽に関してはニュージーランドのリベラルで独創的なカリキュラムがとても生かされているように感じるので、今回はニュージーランドの音楽の授業の素晴らしい点をいくつか紹介します。
マンツーマン、グループのレッスン
ニュージーランドの高校では、音楽を選択科目として履修していると無料もしくは他でプライベートで楽器を習うよりかなり安い料金でレッスンが受けられるというシステムがあります。学校の音楽の先生はすべての楽器を専門的に教えられるというわけではないので、外部からitinerant teacher というそれぞれの楽器に精通した専門の先生を各学校は雇っています。その先生と共に少人数のグループもしくはマンツーマンでレッスンが受けられます。学べる楽器の種類も学校によりますが豊富で、声楽、ピアノ、弦楽器、木管、金管楽器などさまざまです。
作曲がカリキュラム上で重要視されている
ニュージーランドの高校ではYear 9 から作曲の基本である曲構成(form)、楽器の選び方 (instrumentation)などを音楽制作アプリのテクノロジーを使って学び始めます。(アプリの例は以下ご参照ください。)楽器演奏や音楽制作の経験が今までに無い人でも簡単に曲が作れるように、ドラムビートを含むいろんな音のループがアプリ上で使えたりします。さらに高学年になってくると作曲に必要な技法を音楽理論と絡めて専門的に習い、自分が作曲した曲の空間バランスや音色を編集する技術も勉強します。音楽理論を習う際には必ずと言っていいほど作曲につなげて教えられる印象があるのでアウトプットにより集中したカリキュラムだなあと思います。作曲に必要なソフトウェア、アプリ、インプットに必要となる楽器やキーボードも学校によりますがほとんど学校でそろっているのでそれも有難い点です。Music technologyの分野が日本と比べるとかなり進んでいる印象です。
演奏の機会がたくさんある
作曲だけではなくパフォーマンスも重要視しているニュージーランドの高校では学校内外で生徒が自分の努力の成果を発揮できるたくさん場所があります。よくあるのはtalent questという校内イベントで生徒同士でバンドを組むなどして演奏したり、学校の試験の一部として弾く演奏も生徒同士が基本はお互いの演奏を自由に聞き合うことができます。学外でも、学校同士がコンクールのような形で競い合うイベントが多くありその種類もクラシックだけではなく、ジャズ、ヘビーメタル、ロックなど多岐にわたります。