「保険料を払っていたのに保険が降りない!」という事にならない様に
第29回の「違法建築や薬物反応の出た物件」でも少し触れましたが、保険に加入できない物件があります。では、保険に加入しているから大丈夫と言えるのでしょうか?
保険会社に正しい情報を開示していますか?
カウンセルへの届け出なしに改築をされた家、特にキッチンやシャワーを勝手につけていたり、ガレージを部屋に変えたりしているお家をよく見かけます。住宅保険に加入しているので何かあっても安心と思っている方がいらっしゃいますが、それは大きな間違いです。
保険の加入の際にそれらの情報を開示して加入されましたか? もし、そうでしたら問題はありません。(それでも証拠として提出出来るように記録の保存はしておくことをお勧めします)
問題は、保険の加入の際にそれらの情報を開示せずに加入されている場合です。
無いはずのキッチンから火が出て火事になった、許可を受けていないデッキが崩れた等、保険のClaimをしますと保険会社が来ていろいろと調べます。違法建築の部分以外の問題でのClaimも同じです。直接の原因でなくても保険会社に知らされていない状況が見つかりますと保険をキャンセルされ、保険が降りないという事にもなり兼ねません。
保険が降りないだけでなく、それまでに払ってきた保険料も無駄になってしまいます。
投資物件の保険
投資物件をお持ちの方は保険会社の「家主の責任(Landlord Obligation)」を確認されていますでしょうか?
家主の責任を怠っていては保険が降りない事もございますのでお気を付けください。
主なところでは「テナントの選別」、「〇カ月毎に家のインスペクションをする事」と書かれています。
誰でもいいからテナントとして入ってもらうのではなく、家を大切に使ってくれるテナント選びをする事は勿論ですが、数カ月毎にインスペクションをしてリーズナブルなケア(掃除、換気など)をしてくれているか確認する事も家主の責任です。
この「〇カ月毎」のところは保険会社によっても違います。3カ月毎のところもあれば6カ月毎のところもあります。気を付けていただきたいのは、マネージメント会社に頼んでいる場合です。3カ月毎にインスペクションをする事になっていても大抵3カ月以内にするところはなく、3カ月を過ぎて4ヵ月近くになってやっとインスペクションする会社などもあります。その場合、保険会社の規定が3カ月毎のインスペクションでしたら3カ月を過ぎている事から払われない可能性も出てきます。保険料が安い会社では3カ月のところがあります。「これ、保険のクレームに対して払わないようにするひっかけ?」なんて思ったりもしてしまうのですが、余程きちんとした管理が必要です。
保険のPolicy Wordingにどういう場合に払われる・払われないかが細かく出ていますので、一度きちんと見直すことをお勧めします。
また、保険料が安いからと言って飛びつくのではなく、値段と内容の両方を比べて選ぶことをお勧めいたします。
各保険会社にはファイナンス上どのくらい強いか(financial strength rating)というグレードAAA- CCが付いたいますので、それを確認されることも大切です。
注:この記事に含まれる情報は一般的な性質のものであり、人それぞれ、置かれている状況が違いますのですべての人へのアドバイスではありません。個人的案件でアドバイスが必要でしたら、ぜひご相談ください。
- Yuko Dempster (New Zealand Home Loans コンサルタント)
- お客の立場でNZHLを利用し、6年でローンを返済した経験からNZHLの良さを実感、多くの方のお役に立ちたいとコンサルタントに。
- お客様の経済的ストレスを失くし、喜んでいただける事が何よりうれしい。
- プライベートでは、夫と長女、次女(ワンコ)の3人と1匹家族。 趣味は20年続けているビール作り。