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第4回 収入が同じでも借りれる額が違うのはなぜ

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借りれる額

さて、前回は『返済能力のキー、収入』についてご説明いたしました。
ところが同じ収入でも借りれる額が違う場合があります。
それは、なぜなのでしょう。

収入が同じなのに人に寄って借りれる額が違う

それは、「返済能力」の違いからです。 つまり収入以外の状況が違うという事です。

年齢

基本的にローンは70歳前後までしか組めません。それは、普通に考えて、その年齢以降、仕事をして収入を得るとは考えにくいからです。収入がなくなれば、当然ローンの返済も出来なくなりますので、それまでにローンが終わるようにしなければなりません。

30歳の方でしたら30年ローンが組めますが、55歳の方でしたら、15年位のローンしか組めないという事になります。同じ額を30年と15年で返済するのでは、毎月々の返済額も当然大きく変わってきます。15年ローンでしたらその分、月々の返済額も多くなり、収入も沢山必要になるという訳です。 30歳の方と同じ収入では同じ額は借りれないという事になるのです。

ただし、収入を生み出す投資物件については、ご本人のリタイア云々は関係ありませんので、借り手の年齢に関係することなく通常は30年ローンが可能です。

家族構成

同じ収入でも家族構成によって、生活にかかる支出の額が違います。収入から生活に必要な支出を引いた額でローンは返済になりますから、生活に必要な支出が多ければ、その分ローンの返済に使える額は減ってしまい、返済能力の部分で弱くなります。
勿論、同じ家族構成でも家庭によって支出は違いますが、審査ではテストレートが使われます。つまり1人親で子どもが2人なら、生活費は$xxx、両親と子ども3人なら$xxxというように決まった額があり、それを使います。

こういった観点から、若いカップルの方はお子さんがまだでダブルインカムのうちにローンを組んでしまうのがお勧めと言えます。お子さんが出来ると家族構成で必要経費が増えてしまうだけでなく、シングルインカムになり、収入も大幅に減ってしまう場合が殆どですので。

ローンの組換えの方は既にローンを組んでいるから審査は問題ないはずと思い込んでいる方もいらっしゃいますが、実際には、購入時はお子さんがいなくてダブルインカムだった(今はシングルインカム)とか、購入時以降、お子さんの数が増えたという場合は、難しくなる事もあり得ますので、条件が合ううちに行動に移されることをお勧めします。

負債

ズバリ、負債のある方です。 「デポジット15万ドルあります!」と誇らしげにおっしゃるお客様で、話を聞いていくうちに車のローンやらパーソナルローンが5万ドル位ある事が分かった方がいらっしゃいました。 負債があるという事は、月々のその返済額も生活費と共に引いて計算しなければなりませんので、住宅ローンの返済能力はさらに下がってしまうのです。

もう1つはクレジットカードです。こちらは、毎月々使った額を全額返済している方は素晴らしいです。○1つ!ですが、そういった方でも不要に限度額が大きい方はその分不利になりますので、お気を付けください。
例えばカードの限度額が1万ドルとしましょう。もちろん、必要な方は仕方ありません。でも、毎月1000ドルしか使わないのでしたら、せめて限度額は2000ドルか2500ドル位にするのがいいと思います。限度額が1万ドルとした場合、明日1万ドル使う「可能性」がある訳ですので、可能性のある1万ドル使った場合の毎月の返済額をローンの審査で使います。これで借りれる額も少し下がってしまいます。
それと、これはローンとは関係ありませんが、万が一、カードが盗まれて不正に使われた場合の事を考えると、限度額が少ない方が被害も少なくて済みますので、不要に限度額を増やすのはお勧めしません。

その他の支出

離別したお子さんへの養育費、保育園などのチャイルドケア、別れたパートナーへの慰謝料なども毎月の支出として引かれて審査されますので、その分、住宅ローンの返済能力が下がり、借りれる額にも影響してきます。

ボディーコーポレートのあるユニットなどの場合は、こちらも必ずかかる費用として、支出として引かれて審査されます。

金融機関によって借りれる額が違う

全く同じ内容の申請書を提出しても金融機関によって借りれる額が違う場合があります。
それは、それぞれの金融機関で審査の基準が違うからです。例えば、毎月のKiwisaverの積み立て金を支出としてみるところもあれば、見ないところもあります。
また、Working for familyやAccommodation supplement等の国からの補助金を100%収入として見てくれるところと80%までしか見てくれない等。家を購入したらフラットメイトを入れる「つもり」という今は発生していない、将来の予定の収入を審査に含めてくれるところとくれないところ等々です。

また、審査に使う金利のテストレートも金融機関によって若干違います。審査は、実際の金利ではなく少し高めの金利を使って行われます。 そうでなければ、少しの金利の変動で、返済できなくなりモーゲージ―セールになってしまう人が続出してしまいます。金利の変動にある程度耐えられるように高めの金利を使って審査は行われるのです。

家の購入の時には、たくさん借りれればその分、高い家の購入が可能になりますので、「沢山貸してくれる金融機関=いい金融機関」と思われる方も多いのですが、そこは注意が必要です。本当にお客様の事を考えて貸してくれているのでしょうか?
貸す側としては、当然たくさん借りてくれればその分利益も大きくなりますので貸したい訳です。でも、金利が上がったり、ちょっとした家庭の経済状況の変化により返済が難しくなったりした場合、どうなるでしょうか? ほとんどの金融機関は「I don’t care」です。最悪は担保として入っている家をモーゲージ―セールで売って、貸した分だけ回収できればいいというスタンスです。貸す時だけいい顔をして、後は知らんふりでは困りますね。
あなたの借りている金融機関は年に何回か「ローンは順調ですか? 問題はないですか?」とお客様が順調に返済を続けられているかの確認と必要があればアドバイス等、お世話をしてくれていますか?ローンを組んで以来、一度も連絡が無いという事も良く聞きます。

お客様の返済能力をきちんと審査して、無理の無い額を貸してくれるところが、実はお客様の事を本当に考えてくれている金融機関であるという事も忘れてはなりません。

Yuko Dempster (New Zealand Home Loans コンサルタント)
 
お客の立場でNZHLを利用し、6年でローンを返済した経験からNZHLの良さを実感、多くの方のお役に立ちたいとコンサルタントに。
お客様の経済的ストレスを失くし、喜んでいただける事が何よりうれしい。
プライベートでは、夫と長女、次女(ワンコ)の3人と1匹家族。 趣味は20年続けているビール作り。
022 318 0049
yuko.dempster@nzhomeloans.co.nz
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