“Equity”という言葉をお聞きになった事はありますか? Equity Releaseについてご説明します。Equityを使ってローンのTop upやデポジット無しで2軒目以降の購入が可能な場合があります。
Equityとは?
このコラムの第1回目でも軽くご説明していますが、Equityとはお家の自己資産の部分を指します。
50万ドルの家に40万ドルのローンがある場合、10万ドルは自己資産になりますので、Equityは20%(10万ドル)になります。ホームローンが終わればEquityは100%、つまり全てがあなたの資産になります。
Equityを上げるには、ローンの返済で自己資産部分を増やすのと、Capital Gain(家の価値の上昇)の2つがあります。
- 上記例で言いますと、
- ① ローンを40万ドルから35万ドルまで減らした場合、家の価値が50万ドルのままでも、Equityは30%(15万ドル)になります。
- ② 逆に数年後に家の価値が60万ドルになった場合、例えローンが40万ドル丸々残っていたとしてもEquityは33.33%(20万ドル)になります。
Equityを使ってTop UP
通常、ご自宅のローンの場合は現在80%(場合に寄っては90%)までローンの借り入れが可能です。つまりEquityで言えば20%(場合に寄っては10%)です。
家のリノベーションやお子様の教育費、時には親族の葬式代や記念日の世界一周旅行など、まとまった費用が必要になった時にEquityを20%(又は10%)まで戻すことをEquity Releaseと言います。
- 上記の例の①②を使いますと
- ① 家の価値が50万ドルのままでもローンが35万ドルまで減って、Equity30%になっています。それを5万ドルのTop Upで、ローンを40万ドル(Equity 20%)に戻すことが可能です。
- ② ローンが減っていない40万ドルとしても、家の価値が60万ドルまで上がっている為にEquityは33.33%まで上がっています。Equity Releaseによってローンを80%の48万ドルまで、つまり8万ドルのTop Upが可能です。
現在は、家の価値は上昇するばかりですので、②の恩恵を受けている方が殆どですね。
1軒家を持っていて有利なのはこの点です。Cashで持っていても、銀行の利息だけでは大して増えないからです。(プラス、銀行の利息は税金が引かれます)
勿論、Top Upも「返済能力がある」ことが条件になります。
中には車の購入や日々の無駄使いをして、②の家の価値の上昇を使って毎年のようにTop upをする方もいらっしゃいますが、Top upはあくまでもローンの追加ですので、最終的には返済しなければならないという事を理解して、本当に必要な事の為だけにされるようお勧めいたします。
Equityを使って2軒目、3軒目(もちろんそれ以降も)の購入
ご存知の通り不動産の購入にはデポジットが必要です。ですが、お持ちの家を使って、デポジット無しで2軒目、3軒目の購入が可能な場合もございます。
今お持ちの家がご自宅の場合、最低20%のEquityが必要です(投資物件の場合は40%)
例として、25万ドルで購入したご自宅で既にローンを完済していて、現在50万ドルの価値があるとしましたら、Equityは100%、つまり50万ドルの資産を持っていることになります。
ご自宅には20%、10万ドルのEquityを残す必要がありますが、ご自宅を担保に入れることによって、残りの40万ドルをデポジットとして2軒目を100%ローンで購入する事が可能になります。2軒目は投資物件になりますので40%のデポジットで40万ドルのデポジットから計算しますと$1Mまで借りれるという事になります。
ご自宅にまだローンが残っている場合でも、同じ計算方式で2軒目を100%ローンで購入が可能になります(もちろん、人それぞれの状況で出来ない場合もございます)。
当然「返済能力」が伴わなければなりませんが、投資物件の場合はRentという新たな収入が発生しますので、ローンの返済に充てることが可能です。ここが最初の一軒を持っていると有利な点です。
また、投資物件の場合はInterest Onlyと言って、金利のみの支払いで元金の返済が無しというローンを組む事も可能です(こちらは弊社の場合は5年、その後は延長の申請で見直しが必要になります)
- Interest Onlyの魅力は2つあります。
- 1つは月々の支払いが少なくて済むので、ご自宅のローンがまだ残っている方は、ご自宅のローンの返済に、より多くを注ぐことが可能になります。投資物件はビジネスになりますので、金利はビジネスコストに出来ます。ですので、まずはご自宅のローンを優先的に返済するのが賢い方法です。
- 2つ目は、Capital Gainを目的に投資物件を購入される方は、元金の返済は、売却の際に一気に出来ますので、金利だけのInterest Onlyで最低限のコストで回し、数年後に売却し、利益を得ることが出来ます。
私の個人的なお勧めは、投資物件を3, 4件以上お持ちでしたら、Capital Gain目的で購入し、数年後の売却の利益で残りの家のローンを一気に下げるのもいいと思いますが、2軒以下の場合でしたら、リタイア前までにローンを完済して、その後のRentが老後の収入になるように準備する事です。
通常のローンは70歳までに返済が終わるよう、40歳以上になりますと30年ローンが組みにくくなります。例えば50歳の方でしたら、20年ローンになり、その分毎月の支払い額が高くなります。
投資物件のいいところは、投資物件そのものにRentというIncomeがありますので、借り手の年齢に関わらず30年のローンが組める事です。
このように1軒お持ちである事で、その先がとても楽になります。
可能でしたら、まずは最初の1軒を頑張ってお持ちになると宜しいかと思います。
注: この記事に含まれる情報は一般的な性質のものであり、人それぞれ、置かれている状況が違いますのですべての人へのアドバイスではありません。個人的案件でアドバイスが必要でしたら、ぜひご相談ください。
- Yuko Dempster (New Zealand Home Loans コンサルタント)
- お客の立場でNZHLを利用し、6年でローンを返済した経験からNZHLの良さを実感、多くの方のお役に立ちたいとコンサルタントに。
- お客様の経済的ストレスを失くし、喜んでいただける事が何よりうれしい。
- プライベートでは、夫と長女、次女(ワンコ)の3人と1匹家族。 趣味は20年続けているビール作り。