What happened vs. the meaning you give it.

これまでのコラムでは、起業家・起業準備中の方が「迷わず前に進むための考え方」をお伝えしてきました。

今回から数回は、どうすれば“Achiever（達成する人）”になれるのかをテーマに進めていきます。

ここでいう Achiever とは、“自分の夢や目標を、ひとつずつ現実にしていく人” のことです。

そして、その第一歩となるのが、今日のテーマである「事実」と「解釈」を切り分ける力。

これを身につけると、ビジネスだけでなく、普段の生活でも悩みが激減し、心が落ち着きます。

尊敬するあの人が、もし自分の体に入ったら？

まず、あなたが尊敬している経営者やリーダーを思い浮かべてください。

スティーブ・ジョブズ、孫正義、イーロン・マスク……誰でも構いません。

もし、彼らの人脈や資産が一切使えない状態で「あなたの体に憑依した」としたら、あなたのビジネスは1年後どうなっていると思いますか？

売上は？

集客は？

事業の広がりは？

多くの人は

「今の数倍、もしかしたら10倍以上になっているかもしれない」

とイメージしたはずです。

ここで認めざるを得ないのは——人によって“何かが違う”という事実です。

では、その“何か”とは何か？

結果を分けるのは「性格（キャラクター）」

能力や環境が同じでも、結果が変わるのは、人それぞれの 思考・感情・行動のパターン＝性格が違うからです。

良い悪いではなく、ただ単純に 「考え方も、感じ方も、動き方も、人によって違う」ということ。

そして私たちは、このパターンのほとんどを無意識に繰り返しています。

気づかないうちに“自動操縦”になっている

本来は、私たちは「どう考えるか」「どう感じるか」「どう行動するか」を選ぶ権利を持っています。

しかし実際には、外部からの出来事に対して考えるより先に、決まった反応が出てしまう。

たとえば、パートナーが異性と手をつないでいたら、多くの人は反射的に

「え？どういうこと？」

「許せない」

「悲しい…」

と、感情が一瞬で湧きます。

これは、潜在意識（95％）が自動的に作動する “オートパイロット状態”。

つまり――

考える前に、いつものパターンが勝手に反応している状態 です。

私たちは、つい「自分で考えて判断した」と思いがちですが、実際はほとんどが “条件反射での解釈” によるもの。

だから、何度も似たような状況で同じ怒り・同じ悲しみ・同じモヤモヤを繰り返してしまうのです。

だからこそ「事実」と「解釈」を分ける必要がある

世の中の出来事は、すべて

事実（Fact）：起こったこと

解釈（Meaning）：事実に対して自分がつけた意味

のどちらかに分類できます。

例題：どれが事実で、どれが解釈？

・スティーブ・ジョブズはAppleの創業者である

・Apple製品はかっこいい

・孫正義はSoftBankの社長である

・孫正義は有名な経営者である

・孫正義はお金持ちである

正解は次のとおり：

事実

・スティーブ・ジョブズはAppleの創業者

・孫正義はSoftBankの社長

解釈

・Apple製品はかっこいい

・有名な経営者

・お金持ち

ポイントは、「一人でも“違うと思う人”がいれば、それは解釈」ということ。

同じ「お金持ち」という言葉ひとつ取っても、一般の人とビル・ゲイツとでは基準が違います。

だから、これは事実ではなく “解釈”。

例：セールスを断られた時

事実：提案を断られた

解釈：「自分には才能がない」

でも、他の解釈だってありえます。

・タイミングが悪かっただけかもしれない

・もっとニーズに近づくヒントがもらえた

・情報量が足りなかっただけ

・見込み客の質を見直すチャンス

同じ“NO”でも、意味づけ次第で未来は大きく変わる。

解釈は「選択」できる

では、どう扱えばいいのか。

①まず事実と解釈を切り分ける

②解釈の選択肢を複数出す

③その中から「未来に進める解釈」を選ぶ

この3ステップだけで、感情に支配されず、ビジネスとしての最善行動を選びやすくなります。

自分の周囲に“80cmの透明バリア”があるイメージを持つと良いでしょう。

何かが起きても、そのバリアと自分の間に“考える余白”が生まれます。

出てきた感情はどう扱う？

抑え込む必要はありません。

ヨガや瞑想も良いですが、特におすすめなのは ジャーナリング。

怒り、悲しみ、モヤモヤ……

全部、ノートにそのまま書く。

汚い言葉になってもOK。

ジャッジしない。

「今、私は怒りを感じている」という事実だけを見る。

これだけで、感情は自然と落ち着きます。

Achiever になるために必要なこと

Achiever とは、

自分の理想へつながる解釈を選び取れる人　のこと。

事実を冷静に見て、理想に近づく解釈を創り、自分を前に進める。

これさえ身につけば、どんな環境でも前進できます。

とはいえ——

「分かっていても行動できない」

「自信が持てない」

という壁が出てくる人も多いはず。

次回は、その原因となる“ビリーフ（無意識の思い込み）”について深く解説します。

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