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第6回 人脈は「作る」ものではなく、「できてくる」もの

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第6回 人脈は「作る」ものではなく、「できてくる」もの

今では、海外で起業したいという相談を受けたり、会社の経営に関わったり、人と人を紹介したりする機会が増えました。

そんな僕を見て、

「テリーさんは人脈があるからできるんですよ」

と言われることがあります。

でも、考えてみれば、ニュージーランドに来たときの僕には、当然そんな人脈なんてありませんでした。

では、どうやって人脈を作ったのか。

……と聞かれると、実は困ります。

僕、人脈を作ろうとしたことがないんです(笑)。

今回は、そのことについて書いてみようと思います。

すべては、一人の同僚の一言から

運良くNZで最初の就職先が見つかったあと、そこの同僚が

「お前、システムエンジニアなら、日系のメディア会社を紹介してあげるよ」

と声をかけてくれました。

そうして紹介してもらったのが、日本の雑誌社からNZの情報などを依頼されて記事を書いたり取材したりしているメディア会社の社長でした。彼はとても気さくな人で、偶然にも僕と同い年。

彼とは仕事上の付き合いというより、同じ年齢で、似た技術を持つ者同士、なんとなく気が合って付き合っていました。

その後、彼の会社が持っていた掲示板を売りたいという話を小耳に挟み、僕が名乗りを上げました。 それが後のNZDAISUKI.COMです。

今考えると、僕の起業のきっかけは、壮大な事業計画でも、人脈作りのために参加した交流会でもありません。

最初の会社で出会った一人の同僚が、一人の社長を紹介してくれた。

そこから始まっています。

自宅から。そして余った一部屋から

最初は自宅を職場にしていました。

銀行にいくにも取引先と打ち合わせするにも、全部1人でやってました。会社を立ち上げて数ヶ月後には、スタッフを2人採用しましたが、それでもオフィスはなく、お互いの自宅を行き来しながら仕事をしていました。

そんな感じで仕事を続けていて1年くらい過ぎたころでしょうか、あの掲示板を売ってくれた社長から

「オフィスの一部屋が余っているけど、使う?」

と連絡が来ました。迷わず「使う」と即答。

これによって、なんとなく「会社」という外観が整ってきて、対外的にも信用度が増してきました。

掲示板にいろいろなサービスを組み込み、そこにビジネスの仕組みを乗せて利益が出るようになると、今度は他のメディア会社から「こういう仕事を手伝ってもらえないか」という依頼が舞い込むようになりました。

人脈というと、交流会に参加して名刺を配ったり、たくさんの人と知り合ったりすることを想像するかもしれません。

でも僕の場合は、むしろ逆でした。

目の前の仕事をやっていたら、それを見た人から声がかかる。そこでまた仕事をする。その仕事を見た別の人から声がかかる。

そんなことの繰り返しでした。

人脈を増やそうとしたのではなく、目の前の仕事をしていたら、人とのつながりが増えていきました。

また、あの社長がやってきた(笑)

そうこうしているうちに、掲示板を売ってくれたあの社長が、またひょっこり顔を出して(笑)いきなり、

「日本に帰国して向こうで暮らすことにした!」

と言い出しました。

正確にいうとその社長はすでに日本に帰国していて、第二世代の社長(彼がその社長からこの会社を買い取っていた)から言われたのですが、「掲示板を売ってくれた会社の社長」が言い出した。ということです。

そして

「日本帰国するのでうちの会社、丸ごと買わないか?」

という話になり、僕はそれを買い取りました。こうして、自分でゼロから作ったわけではない仕事や人とのつながりも加わり、会社のできることが少しずつ増えていきました。

会社がそれなりに大きくなってくると自然と、「起業したい」「海外に進出したい」という相談が僕のところに来るようになり、その知識を提供する形で、いつの間にかコーチングのような立場になり、いくつかの会社の代表や社外取締役を務めるようにもなりました。

考えてみれば、これも自分から「経営に関わらせてください」と営業したわけではありません。

人脈は、作るものではない

ここまでの流れを振り返って、僕が思うのは、人脈というのは、意図して「作る」ものではなく、自然と「できてくる」ものということです。特別な地道な努力があったわけではありません。

人と出会ったとき、「この人は将来自分の役に立つだろうか」なんて考える必要はないと思います。そんなこと、そのときにはわかりません。

ただ、せっかく出会った人には礼儀と礼節を持って接する。約束を守る。困っていたら、自分にできる範囲で手を貸す。

それくらいでいい。その関係が仕事につながることもあれば、何にもつながらないこともあります。それでいいんだと思います。

でも、それを何年も続けていると、振り返ったときに「ああ、これが人脈だったのか」と気づく。

僕にとっての人脈は、そんなものです。

難しいテクニックも、営業トークも必要ないと思っています。出会った人を大切にして、目の前の仕事をちゃんとやる。それを続けていけば、人とのつながりは後からついてくる。

ニュージーランドに来たばかりの僕には、人脈なんてありませんでした。

それでも、一人の同僚と出会い、その人が一人の社長を紹介してくれた。そこから僕の起業も、会社も、今につながる多くの出会いも始まりました。

最初から人脈を持っている人なんて、そんなにいません。

まずは、今日出会った一人を大切にする。その人が何かをしてくれるかどうかなんて、考えなくていい。

礼儀と礼節を持って付き合い、目の前の仕事をちゃんとやる。それを続けていると、いつか振り返ったとき、

「ああ、これが人脈だったんだ」

と気づくのかもしれません。少なくとも僕は、そんなふうにできてきました。

だから「人脈?あーなんとかなるでしょ」という気持ちで、まずは前に進んでもいいんではないでしょうか?(笑)

海外で何かやってみたい、日本にいながら海外を相手に仕事をしてみたい、海外移住や起業を考えている。でも「自分の場合は何ができるんだろう?」「英語ができないのにいいのかな?」と思っている方は、お気軽にご相談ください。
テリー野澤:terry@nzdaisuki.com

テリー野澤
大学卒業後、新卒で日本のコンピュータメーカーに就職。金融系システムエンジニアとしてプログラマー、上流エンジニア、ブリッジSE、顧客サポート業務を歴任して退職。
その後、ニュージーランドに渡航して起業。ニュージーランドの日本人コミュニティ基盤をオンラインで構築して運営している。そのNZDAISUKI.COMは、ニュージーランド国内の日本人向け最大のコミュニティサイトとなっている。
LINE:https://lin.ee/9dVD1au