韓国人ゴルファー、パクさん
ゴルフショップに訪れるお客様は、ニュージーランド人がもっと多いです。ニュージーランドにあるお店なので当たり前ですね。次に多いのが韓国人です。ニュージーランドで暮らしている移民の数としても日本人よりも多い韓国人ですし、韓国人は熱心なゴルファーが多いことでも有名なので、ゴルフショップにもよくやってきています。
ニュージーランド人は、どちらかと言うとゴルフクラブにこだわりがある人は少ないようですが、韓国人はこだわりを持った人が多いように見受けられます。日本人に近いかもしれません。クラブメーカーにも詳しく、新製品の情報を持っていたり、自分の好きなメーカーがはっきりしていたりします。
韓国人に人気の2大ゴルフメーカーが「ホンマ」と「ゼクシオ(XXIO/ダンロップのブランドです)」。電話での問い合わせを含めて、何度も「ホンマ」と「ゼクシオ」の単語を聞いてきました。
この日訪れたパクさんのお気に入りは「ホンマ」でした。
「ホンマのドライバーは何があるの?」という最初の質問から、お店にあるほぼすべてのホンマクラブについて、紹介していった気がします。そんな中でパクさんの目に留まったのが、「ホンマ」の兄弟ブランド、「ヒロホンマ」の高反発ドライバー。反発係数が高い素材をヘッドに使った飛距離アップが見込めるクラブです。プロはもちろん、トップアマチュアの競技会では使用できませんが、アマチュアの楽しみゴルフでは自由に使える魔法のようなドライバーです。
ロフトは10.5度で、シャフトの硬さは、レギュラー(R)とスティッフレギュラー(SR)の2種類。レギュラーがいいのか?スティッフレギュラーいいのか?パクさんが興味を示したので、店内にある試打室で打ってみてもらうことに。
ビシッ!
試打室の的に当たる心地よいボールの音とともに、パクさんの美しいスイングフィニッシュが見られました。
「きれいなスイングをしていますね!」と話しかける僕に、目を細めた顔で「ありがとう。ハンディキャップは13になってしまったんだ。昔は6までいったのにね。もう年だからやさしいクラブを探しているんだよ!」とパクさん。
ヘッドスピードは決して速くありませんが、バランスが取れたスイングでボールの行方もまとまっています。思わず、ゴルフスイングのチェックポイントを聞いてみたところ、「俺に聞くなよ」という顔で二つ教えてくれました。
「テークバックで左肩をしっかり回すこと」
「インパクトで頭を動かさないこと」
ゴルフレッスン書でもよく聞くようなシンプルなメッセージですが、パクさんが大切にしているこのチェックポイント、我々アマチュアのポイントとしてよいかもしれませんね。
友だちを紹介するよ!
ヒロホンマの高反発ドライバーを何球か試打して、レギュラーシャフトのほうが振りやすかったパクさん。お買い上げいただきました。
翌週、再び訪れたパクさん。「俺の兄さんのために、スティッフレギュラーを買って行くよ!」と高反発ドライバーをまたご購入いただきました。
一ヵ月後、別の友だちを連れてきたパクさん。さらにその一週間後、5人の友だちを連れてやってきてくれアイアンセットをお買い求めいただきました。
「友だちを紹介するよ!」
そういってくださる方は多いです。それでも、実際にここまでお友だちを連れてきてくれるのは、パクさんが一番です。
ゴルフは、自分と戦うスポーツといわれることもあり、相手の弱点を攻めるようなことはありません。プレイヤーによって合うゴルフクラブ、合わないゴルフクラブがあることも理解しているので、情報交換はほかのスポーツよりも盛んといえるかもしれません。パクさんが友だちへ伝えてくださったように、良いと思える情報がゴルフ仲間同士で広まり、ニュージーランドでも良いゴルフクラブが手に入ることがもっと伝わればいいなと思います。
佐井恭司(さい・きょうじ)/ニュージーランドゴルフナビゲーター
中古ゴルフクラブショップ http://j-golf.nz/
ニュージーランドゴルフ紹介サイト http://nzgolfcourse.com/