シンガポール人ゴルファー・ハンズ
お店にズラリと並ぶドライバーを一本一本食い入るように見るハンズ。一目見て、「これはかなりのゴルフ好きだ!」ショップ店員はそんな印象を持ちました。少したわいもない話をしたあと、彼からの最初の質問は、「Xシャフトのドライバーはある?」でした。
ゴルフクラブには、シャフトと呼ばれる棒の部分があります。シャフトの硬さはいろいろあり、標準ゴルファーは「R(レギュラー)シャフト)」、力がある方には「S(スティッフ)シャフト」、女性向けには「L(レディス)シャフト」、そしてプロのような特にヘッドスピードが速い方向けに「X(エキストラスティッフ)シャフト」も用意されています。
ほとんどのゴルファーは「Rシャフト」が最適というのが持論で、お店も半分以上のクラブは「Rシャフト」。その次に、力のある方向けの「S(スティッフ)シャフト」を用意しています。プロ向けの「Xシャフト」は10本ほど。その中から数本を彼に打ってもらうことにしました。
ナイキのウェアに身を包んでいたハンズ。まずはナイキのドライバーからお勧め。試打室のシミュレーターでは、ヘッドスピード49m/sを記録。かなりの飛ばし屋です。
ハンズから細かく話を聞いてみると、現在のクラブセットは、スプーンが最長クラブで、ドライバーは持っていないとのこと。その理由は、スプーンがよく飛んでくれていること、そしてそのスプーンの飛距離を超えるドライバーが見つかっていないことでした。
「実は、先日アイアンのフィッティング(自分に最適なゴルフクラブを診断してくれるサービス)を受けたんだけど、それを元に自分に合うドライバーを探したいんだ。」そんな希望を持っていました。
自分に合ったゴルフクラブ探し
ゴルフボールが飛ぶのは、ゴルフクラブのヘッド素材に影響します。飛ぶヘッドと飛ばないヘッドがあります。
しかし、そのヘッドと自分の体をつなぐシャフトのほうが重要で、自分のスイングリズムやタイミングによって合うシャフト、合わないシャフトがあります。具体的には、シャフトの先端部分がしなりやすい「先調子」、シャフトのグリップ側でしなりやすい「手元調子」、その中間の「中調子」があります。
ハンズのスイングを見ていると、からだ全体のリズムで振るタイプなので、中調子のシャフトを使ったほうがよいと感じます。実際、ハンズが受けたアイアンのフィッティングの診断結果を見ても、中調子シャフトを勧められていました。
つまり、シャフトの硬さ、Xだけにこだわって、手元調子のクラブを選ぶより、中調子で選んでおけば、Sシャフトのほうがよい可能性もあります。
そんなこんなで5本目に試打してもらったクラブが、数値もボールの弾道も理想的だったようです。
260メートル(約286ヤード)を記録!
「このクラブメーカー、はじめて見たよ!」
「もっとトレーニングしたら、300ヤードいくね!」
十人十色という言葉がありますが、ゴルフクラブ(シャフト)もさまざまで、100人のゴルファーに合うクラブを用意するためには100本必要といえます。自分に合ったゴルフクラブを探せる場所で、理想のクラブを見つけてもらえれば、同じゴルフ好きとしてとてもうれしいですね。
将来的にはプロを目指したいというハンズ。ドライバーが加わったハンズのゴルフがさらにレベルアップすることが楽しみです!
佐井恭司(さい・きょうじ)/ニュージーランドゴルフナビゲーター
中古ゴルフクラブショップ http://j-golf.nz/
ニュージーランドゴルフ紹介サイト http://nzgolfcourse.com/