心が疲れたときは、ごはんを食べよう。NZでもできる“食べるセルフケア”
「最近なんだか気分が沈みがち」「理由もなくイライラする」「集中力が続かない」――。
変化の多い海外生活。言葉の壁、文化の違い、日本にいる家族や友人への想い…。
知らず知らずのうちに、ストレスが積み重なっていることもありますよね。
でもその心の不調、環境のせいだけではないかもしれません。
毎日の“食事”、特に脳のエネルギー不足が、気づかぬうちにメンタルに影響していることもあるのです。
心と脳を整えるカギは「安定したエネルギー補給」
脳は体重のわずか2%しかありませんが、体全体のエネルギーの約20%を消費する、超エネルギー消費型の臓器。
しかも脳の主なエネルギー源は「ブドウ糖」のみ。
このブドウ糖が不足すると、集中力が落ちたり、不安になったり、イライラしたりと、メンタルにも悪影響が出てしまいます。
なぜ「パン」より「ごはん」なのか?
「エネルギー補給なら、甘いお菓子やパンでもいいのでは?」と思うかもしれません。
でも、甘いお菓子に多く含まれる砂糖などの単糖類は、血糖値を急激に上げた後、一気に下げてしまうため、この血糖値の乱高下が、気分の波や疲れやすさの原因になることもあります。
また、パンやパスタなどに使われる小麦は多糖類の炭水化物ではありますが、粉状になっているため消化吸収が早く、粒のままのごはんよりも血糖値が上がりやすいという性質があります。
その点、ごはんは粒のまま食べるため、消化吸収がゆっくりで、血糖値の上昇も穏やかかつ持続的。つまり、ごはんは脳へのエネルギー供給を安定させるのにとても優れた食材なのです。
「パン食ばかりだと、なんとなく心が落ち着かない…」
そう感じている方は、このエネルギー供給の不安定さが関係しているのかもしれません。
朝ごはん、食べていますか?
私たちの体は、寝ている間もエネルギーを消費しています。
朝は、前の食事から10時間以上が経過していることも多く、脳にとってはエネルギーが枯渇したタイミング。
ここで朝ごはんを抜いてしまうと、脳はガス欠のまま一日をスタートすることに。
結果、午前中の集中力が続かなかったり、イライラしやすくなったりしてしまいます。
忙しい朝でも、おにぎり1個、残りごはんでのお茶漬け、あるいはアボカドにしょうゆをかけてごはんにのせるだけでも、十分な朝ごはんになりますよ。
話題の“ファスティング”、実は合わない人も?
最近は16時間断食など、「食べない健康法」が注目されていますよね。
確かに人によっては体調が整ったと感じる方もいるかもしれません。ですが、
- 「なんとなく調子が悪い」
- 「気分が不安定になった」
- 「疲れがとれない」
と感じているなら、実はエネルギー不足になっている可能性も。
だからこそ、「ちょっと今の自分に合っていないかも」と思ったときは、原点に戻るのもひとつの選択肢。
朝・昼・夜の3食を、ごはん中心でしっかり食べる。
それだけで、心も体も少しずつ整ってくるかもしれません。
ごはん中心・3食習慣のうれしい効果
- 脳にエネルギーが届きやすくなり、集中力・安定感UP
- 血糖値の乱高下が減り、気分の波が落ち着く
- 代謝が上がり、冷えやだるさも改善
- 「食べる=満たされる」実感で、心が前向きに
最後に
「最近ちょっと心が不安定かも…」と感じている方こそ、ごはん中心の3食習慣で、エネルギーをしっかり補ってみてください。
きっと少しずつ、体も心も整っていくのを感じられるはずです。
Yuko
管理栄養士。ウェリントン在住。一汁一菜で、無理なくキレイと元気を叶える食習慣を発信中。
Instagram → @okome_yuchan