ダイエットをしようと思ったとき、まず思い浮かぶのは「カロリーを減らすこと」ではありませんか?
私自身もかつてそう考え、カロリー制限に取り組んでいた時期がありました。
けれどその結果、一時的に体重は減ったものの、スリムな体をキープすることはできなかったのです。
カロリー制限が落とし穴になる理由
「入ってくるカロリーを減らして、使うカロリーを増やせば痩せる」
この考え方は一見正しそうに思えますが、実はダイエットがうまくいかない原因のひとつでもあります。
カロリーを減らすと、体は「最近エネルギーが入ってこないな」と感じ、代謝を落として“省エネモード”に入ってしまいます。
最初こそ体重は減りますが、やがて停滞期がきて、我慢していた反動でドカ食い → リバウンド…という流れに。
しかも、代謝が落ちたままの体では、以前と同じように食べても太りやすくなってしまいます。
このような状態を繰り返すと…
ダイエット → 代謝ダウン → リバウンド → さらに制限 → さらに代謝ダウン → リバウンド…
という負のループにはまってしまいます。
代謝が落ちると、体にも心にも影響が…
代謝が落ちると、太りやすくなるだけでなく、体や心にもこんな影響が現れます。
- 体温が下がって風邪をひきやすくなる
- 新陳代謝が滞り、肌の調子が悪くなる
- 疲れやすく、気力も出なくなる
つまり、無理なカロリー制限は、痩せるどころか、健康も美しさも失ってしまうリスクがあるのです。
大切なのは「カロリーの内訳」
健康的にスリムな体をつくるために大切なのは、何からカロリーを摂っているか。
私たちがエネルギーとして摂取するのは、次の3つの栄養素です:
- 脂質
- たんぱく質
- 炭水化物
この3つの理想的なバランスは以下の通りです:
▶ たんぱく質 15%|脂質 25%|炭水化物 60%
「炭水化物がそんなに多くていいの!?」と驚かれた方もいるかもしれません。
でも実は、炭水化物は最もスムーズに燃えて、代謝を高めてくれるエネルギー源なのです。
代謝の火をつけるのは炭水化物
「炭水化物=太る」と思われがちですが、実はその逆。炭水化物は、体に“代謝の火”をつけるスイッチなのです。
炭水化物が不足していると、脂肪はうまく燃えません。
ロウソクでたとえるなら…
- 芯(=炭水化物)に火がつくことで、
- 周りのロウ(=脂肪)も一緒に、ゆっくり安定して燃えていく
でも、芯がなければロウは燃えません。
つまり、炭水化物があるからこそ、脂肪が効率よく燃えるのです。
炭水化物をとると、代謝が上がり“痩せ体質”に変わる
炭水化物をしっかりとって、体がエネルギーで満たされていると…
- 代謝が上がり、脂肪が燃えやすくなる=スリムな体になる
- 基礎体温が上がり、免疫力が高まる
- 肌のターンオーバーが活発になり、美肌効果も◎
- エネルギー切れを防ぐことで、疲れにくく、毎日が軽やかに
「炭水化物を抜く」よりも、バランスよく炭水化物をとることで、痩せやすく、元気でキレイな体に近づけるのです。
毎食ごとに栄養バランスを細かく考えるのは大変ですが、前回もお伝えした、ごはん:おかず=6:4を意識するだけでカロリーの内訳も、自然と理想のバランスに近づきます。
炭水化物源としてごはんが一番いい理由は、前回までのコラムでご紹介していますので、ぜひそちらもあわせて読んでみてくださいね。
まずは、「しっかりごはんを食べる」ことから。
カロリーを減らすのではなく、代謝を落とさない食べ方をすることが、痩せやすく健康的な体への近道になります。
次回予告
次回は、「痩せ体質を作る献立の立て方」についてご紹介します。
海外生活でも無理なく実践できる、バランスのとれた簡単な食事プランをお届けしますので、どうぞお楽しみに!
Yuko
管理栄養士。ウェリントン在住。一汁一菜で、無理なくキレイと元気を叶える食習慣を発信中。
Instagram → @okome_yuchan