前編では、ニュージーランドでの子供向けのクラブ選びについて、費用や時期について年代別に解説していきました。
今回は、地域に複数存在するクラブの中から自分に合ったクラブの見つけ方や、親としてのクラブとの関わり方などを紹介していきたいと思います。特に、日本のサッカークラブや部活とはまるっきり違う文化があるので、親としての関わり方が変わってくるのも、知っておきたい情報になるかと思います。
クラブの選び方
前編でも述べましたが、まずニュージーランドサッカーの特徴として押さえておくべきことは、クラブベースの文化ということです。
地域に存在するクラブから、より自分に合ったクラブを見つけることが、サッカーを通じて人間関係を構築していったり、サッカーの上達にもとても大切になってきます。
クラブチームの種類
地域にはそれぞれサッカークラブが存在しています。
特にオークランド、ウェリントン、クライストチャーチといった主要都市には、いくつものクラブがあり、そのクラブによって特色は様々です。
例えば僕の住んでいるクライストチャーチにも15チーム程のクラブがあります。
まずは、自分の住んでいる家から近いクラブから調べてみるのがいいと思います。
一方で、ニュージーランドには主要都市以外にはサッカークラブがあまり多くないという現実もあります。町のサイズによっては、サッカークラブが存在しないという町も多くあるかと思います。
個人的には、住んでいる地域によって環境格差が激しいのがニュージーランドサッカーの問題点でもあると思っています。(自分の町にサッカー環境がなくて困っている方はぜひ連絡してほしいです。)
家からの距離(送り迎えのしやすさ)
ニュージーランドサッカーは、子どもの送り迎えを親が行うのが一般的です。日本のように小さい年代から、子供だけで電車などに乗って通うということはありません。
したがって、親にとって送り迎えしやすいかどうかは、子どもがサッカーを続けていくうえで大切なポイントになってきます。
レベルと指導方針(楽しく vs 本格的に)
クラブによってより本格的な指導を目指しているところもあれば、Enjoyを目的としたクラブがあります。自分(子ども)がどのようなレベルや雰囲気でサッカーをしていきたいのか、それによって適切なクラブを選ぶことが大切になってきます。
真剣にサッカーを上手くなりたいのにクラブや周りの子どもはそうでなくて物足りなくなったり、逆にただサッカーを楽しくやりたいだけなのに周りのレベルが高すぎてついていけなくなってしまうという問題が多くあります。
実際に入ってみないとわからないことも多くありますが、なるべく自分の目的に合ったクラブのレベルを選ぶことがとても大切です。
周りの親や友達、もし可能であれば地域にいる日本人サッカー選手に聞いてみるのがいいでしょう。
友達がいるかどうか(子どものモチベーションに影響)
もちろん、サッカーをしていくうえでとても重要なのが友達の存在になります。
個人的には、日本よりもニュージーランドの子どもの方がクラブ選びに友達の存在が関係しているように感じています。
サッカーを通じてできた友達は一生物です。
あらかじめ仲の良い友達と同じクラブを選ぶことも一つの選択肢かもしれません。
サッカーを続ける上でのポイント(親の関わり方)
送迎とサポート
ニュージーランドでは親が積極的に関与する文化があります。
例えば僕が所属するクラブのFirst Kicksでは、グループ内の親が子どもにフルーツなどを用意する「おやつ担当」が順番で決められていました。
日本よりも親が近くで子どものサッカーを見守るニュージーランドのサッカー文化では、親のサポートが割り振られているケースも少ないように思います。
また、先にも述べましたが子どもの送迎も親の大事な仕事になります。
「親の仕事の都合で子どもがサッカーにいけない」ということにならないように、あらかじめ無理のないスケジュール管理が大切になってきます。
ボランティアとコミュニティ文化
「コーチは仕事」という概念が日本よりもかなり薄いニュージーランド。特に育成年代のコーチはボランティアで行われていることも少ないです。
クラブ運営はボランティアが支えるという認識を持っておくといいと思います。
また、親同士の繋がりも大切になってきます。
送迎の関係上、親がそのまま練習や試合を見守ることも多くなります。ニュージーランドの人は、とにかく話すことが大好きです。親同士のコミュニケーションもかなり多く見かける印象です。
そして思っている以上に、クラブによってコミュニティの色があり、それぞれ特色があります。子どもだけでなく、親にとっても居心地の良いクラブを探せると最高です。
試合の見守り方
最後に、試合の見守り方です。
ニュージーランドでは試合のすぐ横でコーチばりに親が子どもに叫んでいるシーンをよく見かけます(日本の数倍の勢いで)。
褒める声かけならまだしも、叱るなどのネガティブな声かけやリアクションは絶対にNGです。
サッカーのことはコーチに一任し、こみあげる感情を抑えながら温かく子どもの活躍を見守ってください。そして、帰り道や家でたっぷりと褒めてあげてください。
まとめ
・とにかく自分に合ったクラブを選ぶ(選ぼうとする)!
これに尽きます。
子どものサッカー人生をぜひサポートしてあげてください。
もしわからないことがあれば、ぜひ相談に乗らせてもらえたらと思いますので、お気軽にご相談ください。
NZで現役サッカー選手として活動する日本育ちの日本人。他にもオーストラリアやスペインでもプレー。
現在は選手としてプレーしながらも、自身の経験から世界のサッカーを伝えるべく、サッカースクールを開設。
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