ニュージーランドサッカーに関するコラム第1回は、リーグ構成(大人)についてです。過去に自分がニュージーランドに来たときもそうでしたが、ニュージーランドサッカーの情報は非常に少ないです。しかし、近年日本人選手も増えてきて盛り上がりも見せているので、ニュージーランドサッカーのリーグについてまず解説していきたいと思います。
リーグ構成について
ニュージーランド・ナショナルリーグ(New Zealand National League)は、国内で最も高いレベルのリーグで、男子・女子それぞれにリーグが存在します。しかし、男子と女子とではリーグの形が少し異なるので後ほど説明します。
2021年に現在の形へと再編され、地域リーグと連動したユニークな構成が特徴です。
男子リーグでは年間のリーグ戦は2つのフェーズに分かれています。
地域リーグ
Nouthern League:オークランドを中心とする北部リーグ
Central League:ウェリントンを中心とする中部リーグ
Southern Leagu:クライストチャーチを中心とする南島リーグ
クラブはそれぞれ該当するリーグに所属し、10−12チームで2ラウンド制のリーグ戦を行います。それぞれのリーグの上位チームが後に行われるナショナルリーグに進出します。
ナショナルリーグ
地域リーグを勝ち抜いてきたチーム、NouthernとCentral からは4チーム、Southernから2チームがナショナルリーグに参加します。ニュージーランドのサッカーリーグでは最高峰のリーグとなり、10チーム1ラウンド制のリーグ戦を行います。上位2チームがグランドファイナルを行います。
各年の優勝クラブは以下の通りでした。
2022年:Auckland City FC
2023年:Wellington Olympic AFC
上位2チームに入ると翌年のオセアニアチャンピオンシップの挑戦権を得ることができます。
時期と試合数
地域リーグは3月下旬〜8月下旬で行われます。
ナショナルリーグは地域リーグ後に1−2週間明けてから、9月下旬〜11月下旬に行われます。その間に、国内カップと地域カップも並行して行われていきます。
それぞれのクラブは地域リーグの開幕にむけて、2月頃からプレシーズンをスタートするのが一般的です。惜しくも地域リーグで敗退となってしまったクラブは8月いっぱいで活動は終了するので、約半年のオフシーズンを過ごすことになります。
一方でナショナルリーグに進出したクラブは2月−11月いっぱいは活動が続き、アマチュアサッカーにしては比較的長いシーズンになっています。また、ナショナルリーグまでプレーすると試合数は最低でも40試合弱に及び、そこにカップ戦の試合数も加わってきます。年間で50試合以上プレーするタフなクラブもあれば、半年で活動が終了してしまうクラブもあるのがニュージーランドサッカーの特徴です。
男女での違い
ニュージーランドの女子サッカーは男子とは違った体制となっています。冬の間(3−8月)は、男子と同様に地域リーグで戦います。しかし、夏のナショナルリーグになるといくつかのチームは地域の選抜チームのようなクラブでナショナルリーグを戦うことになります。特に南島のクラブはファイナンスの問題で通年活動できる女子チームも多くないことから、冬と夏で別のクラブでプレーすることが求められます。
ちなみにですが、2021年までの男子リーグでも同じリーグ構成をしていました。なかなか文字では伝わりにくい複雑なリーグですが、詳しくはこちらで解説していますのでぜひ。
アマチュアサッカー
さいごに、ここまでニュージーランドのサッカーリーグについて解説してきましたが、ニュージーランドにはプロのサッカーリーグはありません。上記で解説したすべてはアマチュアサッカーになります。
しかし、ニュージーランドには2つプロクラブが存在していて、オーストラリアのAリーグに参戦しています。自国ではなく他の国のプロリーグに参加しているのもニュージーランドサッカーのユニークな点だと思います。
では、アマチュアサッカーということはみんな無給でプレーしているのか?
気になるニュージーランドサッカーのお金事情について次の記事で解説したいと思います。
NZで現役サッカー選手として活動する日本育ちの日本人。他にもオーストラリアやスペインでもプレー。
現在は選手としてプレーしながらも、自身の経験から世界のサッカーを伝えるべく、サッカースクールを開設。
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