前回のコラムで広いからできるいろいろなことを書きましたが、うなぎを釣りに行くこともそのいろいろなことのひとつに挙げられるでしょう。我が家にも池や湿地があるのですが、そちらでは今のところ釣れず、お隣りのの80歳の元気なおばあちゃん(四輪駆動のクウォッドバイクをファームで乗り回し、牛を移動してます。私もこんなおばあちゃんになりたいです!)が所有する72エーカーのファームに流れる川で釣るのにチャレンジさせてもらいました。この小川、近所のワイタケレの森で集まった雨水が集まってできた小川でとてもきれいな水です。
釣りに行くのに用意したのは、釣竿、釣り針、えさ。これだけ。釣り針は、釣れた場合にすぐ取れるように引っかかる部分をやすりで削り落としました。えさはベーコン一切れのみを針に付けて行きました。
私も興味があったので一緒に行こうかと思いましたが、子供たちのみで行ったほうが冒険感が出るだろうし自分たちでどこでどのように釣るか、など考えられるので子供達も楽しいだろうと思い3人坊主だけで行かせることにしました。
果たして釣れるでしょうか?
巨大うなぎ・・・
我が家のパドックを抜け、お隣のパドックへ。谷に下りていくので行きは楽々5分くらいで川に到着します。私が家事をしているとがやがやと外が騒がしくなりました。まだ出かけてから30、40分くらいしかたっていないのにもう帰ってきました。それもうなぎを引きずって!一番力持ちの長男くんが川からうなぎを持ってきたらしいのですが、ぬるぬるして手でつかんで運べないし、何よりもその大きさのせいで重すぎてうなぎを手で持って谷を上がってこれなかったようです。だから仕方なく針に付けたまま引きずってきたとのこと。ずっとパドックを引きずられてきたかわいそうなうなぎ。長男も息が上がって大変だったようです。
釣り上げられてしまったうなぎ。もううなぎというより大へびというくらいの太さと大きさで・・・ヘビが大嫌いな私はもう悲鳴をあげることもできず凍りつきました。公園の池でえさをもらって大きくなったうなぎを見たことがありますが、それに負けないくらいの立派なうなぎでした。
私達の友人でうなぎの専門家がいるので連絡をすると、おそらく年齢は私と同じくらい!このくらいの大きさになると産卵のため海に向かって川を下り始める、との情報をもらいました。
私と同年齢というのを聞きかわいそうになり、海に出て産卵してできるだけたくさんのうなぎに同じ川に戻ってきてほしかったので逃がしてあげることにしました。
あんなに引きずられたので生き残れるか心配でした。水のない陸地もうなぎは這って移動できるようで結構タフな生き物なので大丈夫だと思うのですが。下の写真がその巨大うなぎです。
巨大うなぎ その2
それからしばらくして、またまたうなぎ釣りにチャレンジすることになりました。私の両親が我が家にしばらく日本から遊びに来ていたからです。主人、日本人はみんなうなぎが大好きで、うなぎ料理を出したら最高のおもてなしと思っているようで(私の独断と偏見ですが)、わが3人坊主プラスお友達1人にうなぎ確保の指令を出しました。今回も同じ釣りざおにベーコン一切れ。毎回こんな簡単装備でつれるとは思えないのですが・・・ティーンエイジャーの長男、前回持ってくるのが大変だったのでやる気はまったくなしだったのですが、下の3人だけでは心もとないので無理矢理参加させました(笑)。
前回よりは長めに川の辺りで釣りをしていたようですが、1時間くらいで今回もまたうなぎを釣り上げて帰ってきました!今回のは前のよりは小さめ・・・といってもやっぱり蛇みたいに十分大きかったです。両親もまたこんなに大きなうなぎを釣ってくるとは思わなかったので本当にびっくりしていました。それよりも気持ち悪そうに眺めていました。
うなぎの蒲焼きを食べて以来うなぎ好きになった主人は、きれいな水に一晩うなぎを入れておいて泥臭さを取り、翌日調理しようとうれしそうです。この大きさのうなぎから一晩で泥臭さが取れるとは信じがたいですが・・・
翌日、水槽の中に大きなうなぎと共に死んでいる小さなうなぎを一匹発見。うなぎは海に出て卵を産むはずじゃ?!後日、うなぎは共食いもするという事実を教えてもらい謎は解けたのですが、この時はみんな、もしかしたらこのうなぎは川でうなぎを産み落とすのかもしれない。もしかしたらおなかの中にまだ他のうなぎがいるのかもしれないと本気で思ってしまいました。それに、私の父は昔からうなぎは食べないし、私の母もこんな大きなうなぎを食べるのに躊躇していたので、今回もまた川に帰してしてあげようと水槽を見に行ったらもうすでに主人の手でさばかれてしまっていました・・・こうなってはおいしく食べてあげないといけないので、ネットでレシピを検索開始しました。
NZ版天然うなぎの蒲焼のお味は?
NZでもうなぎは食べられています。燻製にして食べることが多いそうで、白身の燻製でとても美味しいです。でもやはりうなぎといえば蒲焼き!作り方の手順もネットで調べました。私はうなぎの蒲焼きは蒸してから焼くものだと思っていましたが、関西では蒸しの行程はないそうで、簡単な焼くだけの調理法を選びました。日本で食べられているうなぎは全長40~50センチほどの細いうなぎなので、巨大うなぎに足りるだけのたれを作らなくてはいけないと思い、レシピの4倍の量のたれを作りました。
うなぎのたくさんある骨を切るため、身に細かく包丁で切れ目を入れ、くしを刺します。この巨大うなぎの皮の厚いこと!くしがなかなか通らず、苦労して刺したにもかかわらずうまく身に通ってなかったので焼いている間に身が丸まってきてしまいました。炭火は用意できなかったので、NZでは各家庭に一台のBBQ台で焼きました。焼いている間はたれのこげるにおいなど、もうこれは絶対に美味しいに違いないとしか思えません。日本のうなぎならば確実に美味しかったでしょう。
結果のお味のほうですが・・・私と主人はうなぎの蒲焼きを食べる機会があまりないので身はやや固め(巨大うなぎだからしょうがないですね)、ちょっと土臭い?(やはり一晩じゃにおいは抜けませんね・・)と感じましたが、こんな味だろうと美味しく食べられました。手間をかけて作ったのだから食べてとお願いしましたが、私の父は食わず嫌いのまま、私の母はうなぎというよりは違う魚を食べているよう、との感想。母が小さいころ食べた大なまずの味がするといっていました。食べたことはないけれど、想像できました(笑)
子供達も、あんなに細かく切った骨を見つけては取り除いたりしながらで、食は全然すすんでいませんでした。
うなぎ釣りは楽しかったのでまたしばらくしたらチャレンジします。でも次回からは大きなうなぎだったら川に放してあげるというルールつきで。
その土地の食べ物にはその土地の調理が一番適しているかもしれません。燻製、もしくはマオリの伝統的調理法で今度は食してみたいと思います。
- あやの
- オークランド在住17年目の主婦。ガーデニング、キャンプ大好きアウトドア人間。
- キウイの旦那と3人の息子に囲まれ、彼らに鍛えられる毎日を過ごしている。