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第10回 ちょっと変わったパーティー

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毎年恒例になった一風変わった、美味しいパーティーです。

できるだけ育てたものや手作りのものを食べたい(理想ですが、これがとても難しい・・・)我が家。季節のものを育てて食べ、たくさん採れたらジャムなどの瓶詰めを作ったり、ソースやチャッツネなどを作ったり、ハーブを乾燥して保存したり。時間がないときはとりあえず巨大冷凍庫に入れておいてあとで調理するなどしています。日本では漬けてみようとも思わなかった梅干しも作りました。赤しそをたっぷり入れ、真っ赤になった梅干し。無添加なので塩分多めでしょっぱいですが、子供も皆おにぎりに入れて美味しく食べています。

自家製○○、大量に作るときは手間が大変ですが結構楽しいし、食べていて気分もいいものです。友人や家族へのクリスマスプレゼントに手作りジャムやソースを贈るととても喜ばれます。

類は友を呼ぶ、ではないですが、お友達も同じような考えや趣味を持った人がたくさんいます。その中の一人が提案したパーティーがちょっと変わっていて面白いです。今年で8回目と毎年恒例のパーティーとなり、多いときには100人くらいの人達が参加するものになりました。そのパーティーの様子を今回は皆さんにお話したいと思います。

“Gathering”

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このパーティーのコンセプトが、「お店で購入した出来合いのものではなく、自分達で育てたもの、採ったもの(獲ったもの)、手作りのものを持ち合って美味しくみんなで感謝して食べよう!!」というもの。Gathering と名づけられたこのパーティー、夏が一番野菜や果物が採れるし魚釣りなどにも行きやすい時期なので、毎年ワイタンギデーの連休に開催しています。

このコンセプトを気に入って、ディナーに美味しいものが提供できる人ならどなたでも大歓迎のパーティーです。

毎年、開催する場所が違うのですが、またそれがとても楽しいです。ビーチが目の前にあるお宅の庭だったり、川沿いのパドックだったり、もちろん我が家でも開催しました。そのときはまだ今のファームを購入したばかりのときで、なにもないただのパドックだったので、急きょ貯水タンクを置き水を運んでもらい、簡易トイレをレンタルしました。友人のホリデーホームでのときは外のトイレがないので穴を掘って底を抜いたドラム缶を入れ、その上にシートを設置、ビニールシートでまわりを囲うというときもありました(笑)。

連休ということもあり、みんなテントを持参して思いっきりパーティーを楽しみます。我が家の丘のてっぺんにテントやガゼボを立てたのですが、強風のため私達のテントのポールは折れる(一応何とか一晩は寝られました)、ディナータイムの時間になぜか土砂降りの雨、雷という嵐になってしまい、ビニールシートを張りめぐらせてパーティーをなんとか続行。まだドライブウェーも作られてなかったので、4WD の車でさえも雨で滑って上ってこられず、雨の中根性で歩いて上ってきたお友達もいました。かなりワイルドな催し物です。

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パーティーに欠かせないもの、それはお酒!これも手作りです。蒸留の道具を持っているお友達は、ウォッカ、ジン、ウイスキーはもちろん、アイリッシュクリームまでも作って持参します。私は以前テレビで見たゴース(Gorse)ワインに挑戦してみました。黄色い花を発酵させてワインを作るのですが、とげが鋭い植物なので2キロの花を傷だらけになりながら採取しました。花の香りはココナッツのような甘い香りでうまくいけば美味しいお酒ができそうです。きれいな黄色のお酒。6ヶ月寝かせて、パーティーで初試飲。結果は・・・残念。糖分が足りなかったようで誰も飲めませんでした・・・

ならば、定番のビールはどうでしょう。ニュージーランドではいろいろな手作り用のビールキットが手に入ります。我が家にワイン醸造を勉強中のイギリス人がしばらくファームヘルパーとして滞在していたときに一緒に作りました。ラガー、エール、ダークの3種類を作り、今度は長めに9ヶ月ほど寝かせました。そして味のほうはというと、エールは美味しく飲めました(他2つは飲めなくはないという代物・・・)。ビール作りはこれからも美味しい物ができるまでチャレンジしていきます。

私は毎年梅酒を作って持って行きます。梅酒大好きの友人が多いので、みんな楽しみにしてくれているそうです。

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パーティーのメインはやはり食べ物ですね。たくさんの人が参加するので本当に毎年バラエティー豊かなディナーです。ファームで羊を飼っている人が何人かいるので、メインディッシュとして羊の丸焼きが登場することが多いです。我が家で開催したときは、主人羊を捕まえるところから、解体、調理まですべて行いました。スピットと呼ばれる丸焼き専用のBBQで焼かれること約4時間。焼きたてのラム肉は格別です。手作りのミントソースと共にいただきます。

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この集まりの間に何人かがフィッシングやダイビングに行くので、新鮮なシーフードも焼いたり、燻製にしたり、お刺身にしたりして食べます。ニュージーランド人、お刺身好きの人が多いですね。

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野菜はほとんどの参加者が自宅で栽培いているものを持ってくるので、いろいろなカラフルなサラダがたくさん並びます。カンボジア人の友人が作る野菜たっぷりのビーフサラダがもう絶品で、みんなから毎年作ってとお願いされています。

もちろんデザートもあります。ルバーブケーキ、ブラックベリータルト、ブルーベリーアイスクリーム、手作りリコッタチーズのチーズケーキなどなど、女子と子供達はいつも食べすぎてしまいます。

毎年、ちょっと変わったこのパーティーならではの食べ物が出てきます。例を挙げてみると、スノーケリングで採ってきたタコのソテー。シカのシチュー。みんなで秘密スポットに行って採ってきた生ガキ。鴨のレッドカレー。野ヤギの丸焼き。野うさぎのパイ。プケコと野鳥のサラミ。そして、ポッサムのシチュー!ポッサムは食べるのにちょっと勇気がいりましたが、みんなとても美味しかったです。これからも、まだまだこれからホキティカのワイルドフードフェスティバルに負けない変わったメニューが出てきそうで楽しみです。

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たくさんの人が参加するので、たくさんの子供達も集まります。赤ちゃんからティーンエイジャーまでの子供達が仲良く、フリーレンジで自由気ままに大自然の中楽しんでいます。川があれば、泳いだりうなぎ釣りをします。海があれば、磯でカニの捜索に明け暮れ、一日中スノーケリングをしたり泳いだり、アサリなどの貝を採ったりします。みんなテント泊なのでお互いのテントで泊まりあったりしています。いつからか綱引きも毎年するようになりました。遠いところに住んでいてこのイベントのときにしかあえないお友達もいるので、子供達も毎年とても楽しみにしているイベントです。

来年のGathering までまだまだ時間がありますが、今から何を作ろうか思案中です。そのメニューによって、畑で育てる野菜も決まってくるからです。手作りチーズにでも挑戦してみようかな・・・今から用意するならフィジョアワインもいいかもしれませんね。

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あやの
オークランド在住17年目の主婦。ガーデニング、キャンプ大好きアウトドア人間。
キウイの旦那と3人の息子に囲まれ、彼らに鍛えられる毎日を過ごしている。