今回からファームから離れて私の大好きなアウトドアのお話です。 夏といえば海。親も子供も楽しめる夏期間限定の習い事のご紹介です。
私たちが住むところは、シティー中心から車で25分くらいの所ですが緑あふれるファームや森林で囲まれていて、とても気持ちいいところです。そしてここに住んでいてとてもよい所は、車で行くとすぐ私たちの大のお気に入りのビーチがあるということです。以前は週末に遊びに行ってもほとんど人がいないような静かなビーチだったのですが、犬を放せるビーチのためか、美しいビーチということに大勢の人が気づいたのか理由はわかりませんが、ここ何年か週末は車を停めるところを探すのが困難なくらい人気のビーチとなりました。
各メジャーなビーチにあるのですが、このビーチにも昔からライフセーバーを育成、ビーチでの安全を守るサーフクラブがあります。主人が16歳からそのクラブに所属しているので、私たちも当然のようにそのクラブに所属することになりました。今回は、このサーフクラブの活動と、子供達の習い事としての活動を紹介したいと思います。
みんなボランティア
混雑したビーチで、赤と黄色の旗を立て、泳ぐ人達の安全を見守るサーフライフセーバーの皆さん。私ははじめライフセーバーはお給料をもらえる職業だと思っていました。しかしほとんどのライフセーバーはボランティアです。サーフクラブに所属するのにも会員費をきちんと払っています。クリスマスから夏の一番忙しい週日に限ってお給料の出るプロのライフセーバーが海に出ているのですが、週末はボランティアの方たちだけです。本当にこのビーチが好きで誇りに思っているのだなあとつくづく思います。それだけでなく、クラブの仲間たちがとても仲がよく楽しそうにビーチでのパトロールをしているのがとても魅力的で、主人がクラブに所属していなくても子供達を入会させていたと思います。
ジュニアサーフクラブ
子供達の習い事として選んだのは素敵なクラブだ、ということだけではありません。アウトドア大好きの私達は海に遊びに行ったり海辺にキャンプに行ったり、あるいはボートに乗ってどこかへ、という機会がたくさんあります。泳ぐことはスイミングスクールに行けば教えてもらえますが(もちろん、子供たちスイミングスクールも通いました)、海でのセーフティーを学んでほしかったのです。教えることは主人でもできますが、同じ年代の子供達と楽しいビーチでのアクティビティーを通して身に付けてほしかったのがクラブ所属の一番の理由です。
5歳から13歳の子供達はジュニアサーフクラブに所属します。年齢別に4つのグループに分け、毎週日曜日、ビーチで年齢と技能にあったアクティビティーをします。海のコンディションをみて、砂の上だけのアクティビティーになったりしますが、ほとんどの場合は水にも入ります。10月末から始まるのですが、そのころはまだ水がとても冷たく子供達はウエットスーツを着ていてもすぐにぶるぶる震えていますが、真夏になるとずーっと泳いでいられるのでとても気持ちよさそうです。
泳ぐ前にいろいろ子供達に確認します。
海でのセーフティーとは何か?
一人で水に入らない、必ず大人と一緒に行くこと。誰にも何もいわず勝手にどこかに行かない。ライフセーバーが立てた2本の旗の間で泳ぐこと。日焼け止めを塗ること。これはニュージーでは必須のセーフティーのひとつですね。
泳いでいてトラブルがあったり困ったときはどうするか?
片手を高く上げること。そうすれば見張りをしているライフセーバーの人が救助に来てくれます。
こういったことを5歳の子供達から徹底して教えていきます。例に挙げたのは一番に覚える初歩のルールですが、徐々にいろいろなハンドシグナルや、リップカラント(離岸流)がビーチのどこにあって、それに乗ってしまったらどう対処するか、などを何年もかけて子供達に教えていきます。シーズン最後には子供達は各自のレベルにあったテストを受け、パスすると証書がもらえます。
ビーチカーニバル
ビーチではセーフティーを教えるだけではなく、大会に出る練習もします。オレワビーチ、レッドビーチ、ワイプビーチなどで年に何回かサーフカーニバルと呼ばれるクラブ対抗の大会があります。競技としては砂浜ではビーチレース、ビーチリレー、ビーチフラッグなどで、海では200mオーシャンスイム、ボードレース、ボードリレー、チューブレスキューなど盛りだくさんです。私達の所属するクラブは小さいので、結果を残すというよりはみんなレースを最後まであきらめずにゴールすること、楽しむことに重点を置いていますが、大きなクラブになると大会に向けて週4日ビーチでボードに乗る練習をする、勝利のコツを教えるなど力を入れているところもあります。
50メートルほど沖まで泳いでいき、200メートル泳いでゴールするというオーシャンスイム。海で泳ぐのが苦手な私はこれを7、8歳の子供達がしているのを見ていつも感心しています。海での長距離を泳げるようになるために、週1回インドアプールで一時間スイミングトレーニングがあります。これは泳ぎ方を教えるのではなく、持久力を付けるためただひたすら泳ぎ続けます。大波が来たときに海にもぐるときのダイビングの仕方などを練習したりもします。末っ子も8歳くらいから一時間続けて泳げるようになり、休みながらですが、一日で一キロくらい泳いでいます。
そして各大会、年齢別で競技をするのですが、メンバーが応援しあって、たとえ最下位であっても、ゴールしたことを喜び合います。こんなチームワークを味わえるのがいいです。大会中、大きな波でボードなどなかなかうまく乗れなくて四苦八苦するときもありますが、それでも最後までゴールできたという満足感、達成感が体感できるのもいいところかと思います。
真のライフセーバーを目指して
13歳になるとルーキーという特別グループに所属します。14歳になるとライフセーバーになるための試験が受けられるため、それに向けてのトレーニングをするグループです。上で書いたアクティビティーも参加しながらさらに別のアクティビティーをするのでみんな忙しいですが、長男もまじめに講習やトレーニングを受けていました。同じ子供達がこの年齢までずっと一緒に所属してきているのでみんな仲良く、協力してトレーニングを行えるようです。ビーチでのパトロールに実際参加し、ライフセーバーからいろいろと実践的なものを教えてもらったりします。
そして、14歳になって試験に向けてのトレーニング、講習が受けられます。14歳から大人まで一緒に受講します。こちらの講習の講師もクラブのメンバーからボランティアです。ファーストエイドはもちろんのこと、ビーチでの起こりそうなトラブルを対処する方法を話し合ったり、最善法を学んだり、プールやビーチでは救助方法などを学びます。長男も昨年この講習の後無事に試験に合格し、真のライフセーバーになり、ユニフォームを着られたときはとてもうれしそうでした。でも、試験に通ったからそれで充分というわけではありません。パトロール中に救命ボートの操縦のトレーニング、救助のトレーニングをすることだけでなく、持久力を付けるためのプールでのスイミングトレーニング、ファーストエイドの講習を受けスキルアップをする、などなど皆さん忙しい中、万が一の救助の時に備えて日々トレーニングを続けています。
ライフセーバーが海で私達を見守っているおかげで、ビーチで楽しく過ごせるので感謝の気持ちでいっぱいです。
夏の間思いっきり海での時間を楽しみたいというファミリーにはとってもお勧めの習い事です!泳いでいて困ってしまったら恥ずかしがらず、片手を高く上げること!みなさん、よく覚えていてくださいね。
- あやの
- オークランド在住17年目の主婦。ガーデニング、キャンプ大好きアウトドア人間。
- キウイの旦那と3人の息子に囲まれ、彼らに鍛えられる毎日を過ごしている。