自分がどう生きたいのかを基準にする

サイコセラピーの実践がわたしに教えてくれたこと。それは、自分自身にウソをつかないという「純度」です。

社会的な正しさや周りの価値観、文化的な美徳、頭の中の「〜すべき」を行動基準にするのではなく、常に自分にとって「本当の気持ち」、「本音で大切なこと」、「本音でやりたいこと」から出発すること。

わたしにとって「自分を生きる」ことは、違和感のあるものに、勇気を持って従うのをやめるということでもありました。幸せのゲートをくぐるには、勇気がいります。勇気と心の自由は、表裏一体なのですね。

サイコセラピーを学ぶ前までは、悩みを解決したら幸せになると思っていました。でも、幸せは遠くにあるのではなく、自分を生きる覚悟の決まった人の心に、泉のように溢れ出すものだと、今は思います。

自分の成長が世界を変える

サイコセラピーをやって、わたしはありのままの自分を見せることが、実は怖かったという真実を知った時、すごい衝撃でした。そんなわたしが、「自分であることが嬉しい！」と180度変わっていきました。

驚いたことに、わたしの内面の変化は、自分だけにとどまりませんでした。

自分の心の痛みや悲しみをあたたかい心で包み、自分のありのままを受け容れられるようになった分、理屈抜きで、人の痛みや不完全さに自然に寄り添えるようになっていきました。そのおかげで人との心の絆が、一気に深くなった気がします。

心理の世界では当然のように言われていますが、自分自身を助けられた深さだけ、人も助けられることを、身に染みて学びました。

そしてさらに驚いたことに、わたしの周りで、「自分を生きる喜び」が渦巻き始めたんです。自分をまるごと受け止める勇気を出した一人が、今度は喜びと感激の心で生き始める。自分が輝くことが誰かの役に立ち、また誰かの輝きに救われ感化される。そんな喜びの渦が循環し始めたんですね。これには、本当に感動しました。

自分の素晴らしさに目覚めた人は、今度は周りの人も自身の素晴らしさに気がつけるよう助け始めます。助けられていた存在から、自分も人も助ける存在へと生き方が広がった時、わたしたちは、真の意味で自分の可能性や素晴らしさを発揮できるのかもしれません。

このように「自分自身に生きる」ことは、自分だけの幸せにとどまらないのです。「自分を大切にする」「自分発で考える」ことが、「わがまま」「自己中心」だと感じる人もいるかもしれません。わたしも昔は抵抗感がありました。でも今は、本当に自分にとって価値ある学びであるなら、その学びの過程そのものが、ごく普通に、人のためにもなると思います。

わたしたちは自分自身に革命を起こすことで、実は静かに世界に革命を起こしているのです。

今、この時代に生きているわたしたちは、うわべだけの自分をやめて、ありのままの自分を何よりも大切にする文化を創り出す役目があると思うのです。

多くの人が共有するものが、その時代の文化になる。だから、一人ひとりが「自分自身に生きる」ことを実践していったとき、新しい時代の流れを創っていると思うのです。

その出発点は、わたしたち一人ひとりの、「自分であることを貫く」勇気ある実践に尽きるのではないでしょうか。

わたしの夢

わたしは、本来の自分でいれない痛みを知ったから、1人でも多くの人が自分を解放し、心の底から充実感を感じられるよう、力になりたいと思っています。

サイコセラピーの実践をして、本当に人生が変わったから、「自分らしく生きる実践」を、普通に誰の手にも届くようにしたい。サイコセラピーから学んだことは、「ライフスキル」だと思っています。

食事や健康について日々気づかい、学ぶように、「自分自身を生きる」ことも普通に日々学ぶようにできたらいいなと思っています。

自分自身とのつき合い方、悩みや嫌な感情との関わり方と解決方法、自分を深く知るプロセスなど、すごい大切なことなのに、学校では教えてくれません。

心や人生のことを、もっと普通に学んだり、話したりできたら、人生、結構変わるんじゃない？って思うんです。

この活動の一環として、これまでカウンセリングの他に、ブログを書いたり、留学生へのワークショップ、ホームステイ・ペアレントたちへの啓発活動、心理学・スピリチュアル・人生のテーマでのセミナーを行ってきました。

最近では、「自分再発見！NZにいるからこそ見える日本人の心」のテーマで、日本人向けの心理学セミナーを開催しました。（好評につき2018年11月3日（土）にもう1度開催します。詳しくは、seikoshirai.com/seminars をご覧ください）

「自分自身を生きる喜び」を、今いるところから、どんどん循環させていきたい！みんなのための「心の学び場」をつくり、「自分らしく生きる」プロセスを一緒に楽しむ仲間を増やしたい。

助け、助けられながら、一緒に生きていく。その輪が、一人また一人と広がり、「自分を生きる喜び」を謳歌する世界をつくること。

これが私の夢です。

あなたも、自分が何を求めているのかを、是非本気で掘り下げていってください。私も徹底的に、自分に正直に生きていきます！

今までコラムをお読みくださり、本当にありがとうございました。あなたの幸せを心から願っています。