海外に来ると、言葉の壁や様々な悩みにぶち当たり、自信をなくしたり、大きなストレスを感じたりするものです。限界や弱さがあっても、ブレない自信を育むコツをお伝えします。
間違った自信のつけ方
自分に自信を持つには、「好きな自分」「誇れる自分」になることだと、多くの人が思っています。もっと努力して自分を磨こう。もっと頑張って勉強しよう。自分のダメなところを克服しよう。結果を出そう。そうすれば自信がつく、と思っています。
わたしもそうでした。自分の足りないところ、ダメなところを何とか埋めようと、一生懸命努力しました。日本にいる時は、ある程度、この努力は報われたと思います。でも、ニュージーランドに来て、どんなに頑張っても埋められないギャップに、愕然としました。
わたしはネイティブみたいには英語を話せないし、理解できない。こっちで育った人なら誰もが知っているようなことでも、わたしが知らないことが無数にあるーこの事実に愕然としました。「自分がどれほど実は分かってないのか、ばれたらどうしよう」と、いつも内心ビクビクしていました。詳しいことは、コラムの第5回 『自己否定から自己受容へ』に書きました。
でも、この経験があったからこそ、わたしのそれまでの「自信のつけ方」は、「条件付きの自信」だったのだ、と気がつきました。頑張って、実績を積んで、力をつけることで、自信をつけようとしていたんですね。
「条件付きの自信」を追い求める心理
この「間違った自信のつけ方」の根底には、「ありのままの自分はダメ、まだ足りない」という信念があります。「そのままの自分では価値がない」という前提で生きていると、どんなに頑張っても、いくら結果を出しても、結局心の奥底はいつも不安のままです。
自分の「外に」自信の源があると、外の状況によって、自信が左右されます。
だから、どれだけ足しても、満足することがない。周りの人の評価や、実績でできた自信は、ポキッと折れやすいのです。
「自分はダメだ」ということを心の一番奥底で信じている時、現実に目に映るものは、すべてその信念が映像化されていきます。自分がどんな前提(信念)を持っているかで、人生は大きく変わります。「自分自身をどう見ているか」-この奥底の信念の通りに、人生は展開されていくのです。
ブレない自信を育むたった1つの方法
では、「条件付きでない」ブレない自信を育てるには、どうしたらいいのでしょうか。
本物の自信は、限界も弱さもあるありのままの自分を、「それでいいんだ」と認めることから生まれます。どんな自分も差別なく、まるごと受け容れることです。頑張って力をつけたから、結果が出たから、自信がつくのではないのです。何をしてもしなくても、「自分は、もともと素晴らしい、もうすでに素晴らしい」でいいんです。
「条件付きの自信」は、自分の「外に」源があるタイプの自信です。でも、自分が自分を認めることから生まれる自信は、自分の「内から」つくる自信。自分の中から生み出した自信は、外の状況が変わろうが関係ありません。このような「自分発」の自信を育んでいくと、人生がどういうわけか面白いほどに変わっていきます。
今すぐできるブレない自信のつくり方
最後に、ブレない自信の作り方をシェアしたいと思います。
1. できない自分を認める
前述したように、弱い自分、不器用な自分、優しくない自分、怒りっぽい自分、どんな自分もありのまま受け入れること。ダメだと思う自分を、「こんなところもあるな~」と興味を持って認識してみる。
2. 褒め言葉を受け取る
自分に自信がないと、褒められても素直に受け取れないもの。ムズムズ、恥ずかしい気持ちがしても、ぐっと飲み込んで、「ありがとう!」と100%受け取る。
3. できない自分をやめる
さっきのどんな前提で生きているか、という話につながります。「そのままの自分はダメ」という前提を、「自分にはもう力がある」「愛される価値がある」という前提に変える!その前提で、自分を信じて行動する。
できない自分をありのまま認めることだけが、自分に対する思いやりではありません。わたしたちの生命は、闇もあれば、光もある。両方あって生命の「全体」です。だから、自分の力を信じて行動を起こすことも、自分に対する思いやりだと思います。
わたしたちは、自分のことを、信じられないくらい過小評価しています。海外にいれば、自分の様々な限界を感じて、ただでさえ自分が小さくなったような感じがして、辛いものです。だからこそ、「自分にはもう力がある!」「自分はもともと素晴らしい!」という大前提で生きることが、なおさら大切だと思います。
そうできないと感じる時は、「自分はすでに素晴らしい」と「決める勇気」を出す練習をしましょう。自分を信じることも、スポーツや音楽を練習するのと同じように、練習するほど、できるようになりますよ。
- Seiko Shirai (Registered Psychotherapist)
- 2002年にニュージーランドに移住。
- 現在オークランド在住。
- サイコセラピーの素晴らしさを一般の人々に届け、より多くの方々が、喜びに満ちて生きる世界を作りたいと願い、活動中。
- 趣味はマインドフルネス、フレンチホルン、スパ。
- seikotherapies@gmail.com
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