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第4回 日本の学校の良いところ。

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同じ「学校」と名の付く組織であっても、国によって違いがあるものですよね。ニュージーランドの学校にあって、日本の学校に無いもの。逆に日本の学校にあって、ニュージーランドの学校に無いもの。今日のコラムでは、後者、日本の学校にあるけど、ニュージーランドの学校に無いものについて考えたいと思います。

まず、「給食」。日本の公立学校であれば、中学校までは給食がありますよね。栄養士さんがメニューを考え、地元の食材を使用して、毎日美味しい昼食を安価で提供してくれます。私の弟は日本で小学校の教諭をしているのですが、「自分は給食で生きている」と言っていました。もともと戦後の混乱時に子供の栄養不足を補うために始まったとのことですが、戦後70年経っても続いているのは、すごいと思います。私の子供は二人ともほぼニュージーランド育ちなのですが、年一回日本に帰った時には、私の実家から、私も卒業した小学校に通いました。今でも、一番思い出深かったのは「給食」だと言います。また、家内(子供の母親)にとっても、毎日昼食のメニューを考えないといけないのは、負担だったと思います。ニュージーランドの場合は、さらにモーニングティーに「おやつ」も持参しますよね。塩っ辛いポテトチップスや、ビーフジャーキーを子供が齧っているのを見ると、「おいおい、健康、大丈夫??」と思ってしまいます。また、給食には適切な栄養補給だけではなく、食器の持ち方や、食べ物を残さず食べる、好き嫌いを無くす、という効果もあると思います。いわゆる、「食育」ですね。まあ、今頃は、嫌いな食べ物を強要すると、保護者からクレームが来たりするのかもしれませんが・・・。

次に、「掃除」。ニュージーランドの学校では、生徒が掃除をしません。基本的に外部の業者さんに委託するのが普通だと思います。日本の学校では、毎日掃除の時間がありますよね。AICの校長と、当校でも生徒に掃除をさせたらどうか、と打診をしてみたのですが、秒殺で却下されました(笑)。まあ、日本の学校でも生徒によって姿勢に温度差があるのは事実だと思うのですが、自分で使う学校を自分の手で掃除して、清潔に保つというのは、実に良い心がけだと思います。実際、日本の学校って、トイレから教室から、どこも清潔でしたよね。

さらに「部活」。ニュージーランドの学校にもクラブ活動はありますが、日本の「部活」に比べると随分緩いですよね。少なくともニュージーランドでは、学校の名前を背負ってスポーツや文化活動に従事する、という姿勢はあまり感じないのです。まあ、強いて言えばラグビーのオークランドグラマー対キングスカレッジの試合が毎年イーデンパークで催される、ということぐらいですかね?。要は、真剣さの問題だと思うのですが、目標が何であれ、子供が一生懸命取り組むことは良いことだと思います。また、今になって思えば、夜遅くまで指導したり、週末も試合等で借り出される顧問の先生にも、頭が下がります・・・。

この他にも日本の学校の良いところは有ると思います。生徒の教育にプラスになるところは、これからも守っていくべきだと思います。

AICアクティング・エクゼクティブ・ディレクター 中村敬志

1970年、島根県生まれ。 13年間の地方銀行勤務を経て、広島県に本部を置く教育関連企業に転職。 2006年より、Auckland International College(AIC)に勤務。

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