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第11回 ニュージーランドで働く日本人大工がよくある質問にお答えします

『【海外で大工】高卒でニュージーランド移住したタケが語る現地事情』の記事一覧へ

ュージーランドで大工になるのに学歴は必要?お金の話や仕事で大変なことなど。今までみなさんから聞かれることの多かった質問に回答します。

 

ニュージーランドで大工になるのに学歴は必要か?

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大工に限らず、電気工事士や配管工など、ニュージーランドで建築をするのに学歴はあまり関係ありません。俺も日本で高卒ですし、働いていたニュージーランドの工務店の同僚たちにも、大学を出た人は誰もいませんでした。

それよりも、大工としての資格を取得してQualified Builder(有資格の大工)になる方が重要視されています。

こちらにはApprenticeshipという見習い制度があり、働きながら技術を身につけて政府公認の資格をとることができます。

資格は働くうえで必須ではありませんが、ある方がもちろん信頼度は上がりますし、仕事探しにも有利。資格があることで給料が変わってくる場合もあります。

見習い修行は意外にきちんとしていて、コースを終えるには4年もかかるのですが、どうせ何年も働くのならと、その間に見習い制度を使って、ニュージーランド公認の大工になるという人が多いです。

(見習い制度に参加したのは何年も前の話なので、現在の参加資格や必要なビザなどについては分かりかねます。大工になること自体に学歴は必要ありませんが、ビザが欲しいなら話は変わってくるかもしれないので、必ず専門資格を持った移民アドバイザーの方に相談してください。)

肉体労働はキツイですか?

重たいものを運ぶ時など、もちろんキツイです。資材だけではなく、重量200キロ以上はある高級グランドピアノを運んだり、ドイツから届いた大きな窓を大工8人がかりで運んだりしたこともありました。

重い物を運ぶのは得意な方ですが、腕や太ももが丸太のようにゴツい体のニュージーランド人に比べて、体格差のあるアジア人が同じものを運ばなくてはならないのはアンフェアだなあと感じますね。

雨や悪天候だと仕事はどうなるのですか?

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雨でも、建物の中であれば働けるので、悪天候だからといって必ずしも休みになるわけではありません。仕事内容によっては遅めのスタートや、休みになります。ニュージーランドのクイーンズタウンは天気が変わりやすいので、いったん出勤してから家に帰って待機し、晴れたらまた現場に戻ったことも何度もありました。

オークランドの冬はかなり雨が多いようで、もしかしたら晴天が多いクイーンズタウンよりも休みになる日は多いのかもしれません。

悪天候で休みになった場合、時給で働く人はその分の給料が減ってしまいますが、他の忙しいときに長めに働いたりと、全体で見てなんとなく帳尻が合っていればいいという感じで、俺の周りの大工はみんなあまり細かいことは気にしていない印象です。

どこまでも広がる大自然の中、太陽の下でのんびり働くのは自分の性格に合っているのでとてもいいのですが、冬はかなり冷え込む地域で何年も働いたので、「寒い日は全部休みになればいいのに。オフィスワークの人たちがうらやましい。」と思ったことは何度もありました。

女性でも海外で大工になれますか?

はい、なれます。重たいものを運ぶ仕事も多いので、どうしても男が多い業界ではありますが、ニュージーランドでもまだまだ少数派ながら建築業界で働く女性は増えています。

お金の話

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大工の収入は日本と比べてどうか?という質問をいただきましたが、ニュージーランド国内でいうと大工の給料は悪くないと思います。日本を離れて12年以上も経っているため日本の現状が分からず比較は難しいのですが、俺個人の話でいうと、日本で大工をしていた時よりも稼げています。

給与交渉について、日本ではあまりしてはいけないような空気感があるかもしれませんが、こちらでは業種に限らず普通にみんな給料アップを交渉しています。

俺自身は給与交渉の経験がなく、いつも適度なタイミングでボスが給料を上げてくれていました。ボスは忙しくもゆるい人で、給料アップしたことを俺によく伝え忘れており、自分で給与明細を見たときにその事実に気づく、ということが何度もありました。

ですが基本的には自分から上司に給与交渉をする場合が多く、お金の話をしたからといって変な空気感になることもないので、しっかりと自分のスキルや会社への貢献度を主張していくことはとても大事です。

もし交渉しても給与が上がらず、自分の技術と仕事ぶりを評価してもらえなければ、他の会社に転職をする人が多いです。

次回のコラムに続きます。

コラムに掲載している内容は、すべて私、個人の経験にもとづく情報提供のみです。移民法も私が経験した当時とコラム執筆時点では大きく変わっています。私は移住をアドバイスする資格をもっていないので相談にも応じませんのでご了承ください。あくまで私の経験談です。

 

高卒から大工としてニュージーランド永住権を取得した関西人。オーストラリアでも建築現場を経験。ニュージーランドでは見習いから始め、大工の国家資格を取得。高級注文住宅を建てている。SNSやYouTubeで発信中
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