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第5回 大人の社会科見学!キウイを学ぶ

『地元の人に聞く!タウランガ、ベイ・オブ・プレンティの魅力』の記事一覧へ

ビッグL&Pボトル、ビッグキャロット、ビッグソーセージなど、地域の名産物を巨大化したオブジェは、ニュージーランド各地にあります。となれば、ニュージーランドが世界に誇るヘルシーフルーツ、キウイの国内生産量90%を占めるベイ・オブ・プレンティにあるのはもちろん、ジャイアントキウイです。

ジャイアントキウイオブジェ

タウランガから車で30分ほどの町Te Pukeの周辺は、ベイ・オブ・プレンティのなかでも特にキウイの生産が盛んな地域です。この地域で生産されたキウイは、日本でもよく知られているゼスプリ社によって品質管理され、タウランガの国内最大級の商業港より世界78か国へ旅立って行きます。

いまさら聞けないキウイに関する常識から、専門的なことまで、すべての質問にわかりやすく答えてくれるキウイのエキスパートを訪ね、Te Pukeの町外れにある、ジャイアントキウイで有名な「Kiwi360」に足を運んでみました。

知識豊富な専門家とめぐる農園ツアー

「Kiwi360」は、ニュージーランドを訪れる人々に、キウイについての知識を深めてもらうことを目的とした施設であり、ジャイアントキウイを含め、無料で入場することができます。キウイについてしっかり学ぶには、キウイカートに乗って専門家とめぐる農園ツアー(大人$20NZD/子供$6NZD)がおすすめです。

ポイントとなる場所で下車して説明を聞いたり、写真を撮ったりすることができ、ツアー最後にはキウイとキウイジュースのテイスティングができます。

ビッグキウイバードオブジェ

ニュージーランドにおけるキウイの歴史は1904年、一人の女性教育者が中国より種子を持ち込んだことから始まりました。ニュージーランドの肥沃な大地で「チャイニーズ・グーズベリー」と当時呼ばれていたこの果物の生産と開発は進められ、世界市場に輸出する段階になって、ニュージーランドの国鳥「キウイ」にちなみ「キウイフルーツ」と名付けられました。

約150もの種類があったキウイですが、今では世界中に輸出するために、8〜9か月間の長期保存可能な数種のみが生産されています。

「年間を通して安定した気候、十分な降水量、日照時間と寒気、火山灰を含む軟らかい地層、品質の高いキウイフルーツを育てるための条件が、この地にはすべて揃っているんだよ」と教えてくれたのは農園を案内してくれたSimonさん。「土壌が軟らかいから、キウイは地下30mほどまで根を伸ばすことができ、必要な水分も自然に得ることができる。だから灌漑の必要もないんだ」

キウイフルーツクロースアップ

「春先の今はキウイの芽が出る時期。暖かくなって花が10%ほど開いた時点で、約10エーカーのこの農地に約100万匹の蜂を3週間ほど放ち、受粉させるんだ。夏の間に実が育ち、秋になってまだ実が熟さないうちに、一つずつ手作業で収穫しなければならない。手摘みされたキウイはパックハウスで品質検査、選別された後、年間を通して供給できるよう、貯蔵庫で保管する。春先の今はとても静かだけど、4月から6月の収穫期には、2万人の作業員が24時間態勢で働くんだよ」と、海外からの観光客に慣れているSimonさんは、聞き取りやすいきれいな英語で丁寧に説明してくれました。

キウイフィールド

栄養たっぷり!外から内から体にやさしいキウイ

美肌、アンチエイジング、疲労回復、整腸、コレステロールや血圧低下などに効果的な栄養素、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維、カリウム、葉酸などを驚くほど豊富に含むキウイは、美味しいだけでなく、体にやさしいヘルシーフルーツです。「Kiwi360」ではキウイをモチーフにした雑貨だけでなく、濃厚なキウイジュースやキウイを使った美肌グッズも購入することができます。

キウイプロダクト

併設のカフェでは、キウイがたくさん入ったキウイアイスクリームやチーズケーキなど、キウイを使ったメニューが楽しめます。ご家庭で真似できる素敵なレシピのヒントがみつかるかもしれません。

キウイチーズケーキとアイスクリーム

ニュージーランドを代表する農産物キウイと、世界市場に高品質のキウイを絶え間なく供給するために、努力する方々に会える場所を紹介しました。栄養たっぷりで、ニュージーランドでは比較的安価で手に入るキウイ。飽きない工夫をして毎日でも食べたいですね。

May

教員、イベントコーディネーター、翻訳者、フリーライター、2児の母。
イベント、アート、教育、食、人を通してニュージーランドを知るべく日々探索中。