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第9回 タウランガに住む日本人

『地元の人に聞く!タウランガ、ベイ・オブ・プレンティの魅力』の記事一覧へ

街なかを歩いていると日常的に中国語や日本語が耳に入ってくるオークランドに比べると、東洋人の姿を目にすることは少ないタウランガ。この町に住む日本人は、ニュージーランド人のパートナーを持つ、在住歴の長い方々がほとんどのようです。オークランドから約200kmの港町で、日本人の方々がどんな生活をされているのか、女性3名にお話をうかがいました。

ワーホリ日本人の心強い味方

Marsden 加奈子さん(写真中央)
NZ在住歴:10年/出身:北海道/近所のおすすめ穴場スポット:Katikati Bird Gardenのカフェ

加奈子さんのNZ生活は、南島のゴールデンベイにあったシーカヤックレンタル・ガイドツアー会社での、ヘルプ・エクスチェンジから始まりました。当初は6週間のリフレッシュ休暇のつもりでニュージーランドを訪れた加奈子さんでしたが、会社のオーナーであったNigelさんと出会い、長期滞在を決意。一旦日本に帰国し、今度はNigelさんのビジネスと私生活でのパートナーとして活躍するべく、ニュージーランドに再入国しました。

2011年にタウランガに引っ越し、趣味のサーフィンや釣りを楽しみながら、お二人でモーテルを経営された時期もあったそうです。現在加奈子さんはニュージーランド生まれのゲーム「Tantrix」を日本に輸出販売するお仕事をしながら、ワーホリなどでニュージーランドを訪れる日本人を対象に、オーペアと宿泊のエクスチェンジをしています。

加奈子さん

この日はワーホリ中の佐々木夢希さん(写真左)と語学学校に短期で通う稲元紘子さん(写真右)が滞在中でした。「日本語を使う機会と、色々な人と触れ合う機会を子供たちに与えたくて、子供が生まれてから常にオーペアさんを募集してきました」と、加奈子さん。英文履歴書の書き方アドバイスや現地情報などを、滞在者に丁寧に教える姿から、ご自分のお子さんのためにというよりは、ホスピタリティの気持ちが原動力、という印象を受けました。

将来的にはもっと田舎に住んで、自分たちも楽しめるビジネスをNigelさんと一緒に続けていきたいそうです。お二人がどんなビジネスを次に展開するのか、楽しみです。

ニュージーランドでも日本人らしい質の高い仕事を

Mossop 梓さん
NZ在住歴:5年/出身:千葉県/ 近所のおすすめ穴場スポット:Kaiate Falls

梓さんは、南アフリカ出身、タウランガ育ちのDeanさんと日本で出会い、結婚出産。Deanさんのお仕事の都合で、2010年に家族4人でタウランガに移住しました。ニュージーランドに来たばかりの頃は、子供たちの学校選びや、どこでも素足で歩き回る地元の人の姿などに戸惑いを感じることもあったそうですが、もともと日本で英語を使うお仕事をされていたことや、日本人コミュニティの助けもあり、NZ生活に慣れるのに、時間はかからなかったそうです。

梓さん

NZ生活初のお仕事は、市内の日本食レストランのホールスタッフでしたが、 日本で接客サービスの仕事をした経験があり、自分が求めるレベルのサービスを提供しきれないことに苛立ちを感じることもあったとか。現在はお友達の紹介で、タウランガのウォーターフロントエリアにある4.5ツ星ホテル、Trinity Wharfでハウスキーピングのお仕事をされています。「体力仕事ですが、ニュージーランドだけでなく、ロシア、フィリピン、中国など、色々な国の方と一緒にお仕事ができて楽しいです。自分自身が納得できるクオリティの仕事を、他に干渉されることなくできるのもいいですね」との言葉に、仕事に対する真面目な姿勢がうかがえます。

タウランガに住むDeanさんのご家族とも仲が良く、 週に一度は必ず一緒に食事をするそうです。子供たちにはのびのびとしたニュージーランドの教育を、と考えている梓さん。ご自身も自宅の庭で野菜を育てて、ご家族と一緒にリラックスする時間を作るなどして、NZ生活を十分に満喫しているようです。

移住者の食と生活を支えます!

Renz はるみさん
NZ在住歴:17年/出身:大阪府/ 近所のおすすめ穴場スポット:Hamurana Springs

はるみさんは社会人になってから、語学留学でクライストチャーチを訪れました。1年間の英語学習を経て、国立総合大学リンカーン大学の理学部に入学し、環境学の学士号を取得。卒業後は知人の紹介で不動産会社に就職し、ニュージーランドの不動産に関する知識を養いました。その後、パートナーとの出会いをきっかけに2004年に、北島に移動されたそうです。

はるみさん

「子供たちが小さい頃は、子供をおいて仕事をすることが考えられなく、子育てと両立することが可能な販売業を中心に仕事を選んでいました」と素敵なお母さんとしての一面を語ってくれたはるみさん。現在は日本食品の販売会社にお勤めされており、タウランガ、ハミルトン、マタマタ、タウポ、ロトルアにあるスーパーマッケットとアジア食材店を回り、商品の補充や営業を行っています。菜食、オーガニックフードなど、健康的な食生活への関心が強いはるみさんは、「安全な日本製品の良さをニュージーランドの人々にわかって欲しい」と願いつつ、日々お仕事に励まれています。

また、はるみさんはニュージーランドでライフコーチの資格も取得しており、在住歴17年で培った知識とご自身の経験を活かしたライフコーチングをご自宅で提供しています。ニュージーランドへの移住者をサポートするイミグレーションコーチング、食生活の改善や減量を目的としたヘルスコーチング、シングルマザーコーチングなどが受けられるそうです。多趣味で向上心の強い方なので、素敵なアドバイスとパワーを分けて頂けそうです。

3人の女性のお話には一つ共通点がありました。偶然の出会いと知人による紹介が今のお仕事のきっかけになったということです。家族や旧知の友人から離れて過ごす海外生活では、人とのつながりをより一層大切にしたいですね。

May

教員、イベントコーディネーター、翻訳者、フリーライター、2児の母。
イベント、アート、教育、食、人を通してニュージーランドを知るべく日々探索中。