オークランドから車で3時間半、地熱活動が盛んで先住民マオリ族の文化が色濃く残る街、ロトルア。
ロトルアは環太平洋火山帯の上に位置しており、観光施設内以外にも公園やゴルフ場など街の至る所で温泉がわき、硫黄の混ざった独特のにおいで溢れています。同じ温泉地でも、場所によってアルカリ性、酸性、泥温泉風と、泉質も色も異なるから不思議です。ちなみに温泉の街ということでロトルアの姉妹都市は大分県の別府市です。
今回はそんなロトルアの特に地熱活動が盛んな場所の1つをご紹介したいと思います。
ワイマング渓谷
ロトルアの中心部より車で20分。ここにはニュージーランドの手つかずの雄大な自然が残っています。
1886年6月10日に起きたタラウェア火山の噴火で形成された大地熱地帯で、スタート地点のパノラマから景色を見渡すと奥には空高くそびえるタラウェラ山、そのふもとには火口湖や環境に適応して進化した植物などの珍しい自然が広がります。この噴火はオークランドやクライストチャーチにも爆発音が届いたほど大規模なものでした。噴火によりこの地域の植物、動物、鳥類が全滅したため、現在の景色はすべて噴火のあとに再生したものだというから驚きです。ワイマング渓谷は現在、自然保護区や野生生物保護区になっているとても貴重な場所です。
初心者におすすめなのは入口からバス停1までの1時間程のウォーキングコース。
少し足を進めていくと、目の前に常に湯気が出ている大きな温泉湖が見えてきます。
ここはフライパン湖と呼ばれ、地表面積が世界最大の温泉湖です。もとは平坦な砂地で、ここでいくつもの小さな温泉が沸き立つ音がフライパンで目玉焼きを焼いているようだったため、フライパン平原という名前がつけられたそうです。現在は噴火により火口に水が溜まり、温泉湖になったためフライパン湖と呼ばれています。
湖の水面からポコポコと泡が出て沸騰しているように見えますが、実は水温は55℃ほど。これは二酸化炭素と水酸化硫黄のガスが出ているためこのように見えるのです。
その他1900年から1904年の4年間、最大400メートルも吹き上がる巨大なワイマング間欠泉が見られました。今では看板しか残っていませんが、ギネスブックにも載っている世界で最も大きな間歇泉でした。黒い泥や岩、土砂などを含む噴出物が出ていた事からワイマング(マオリ語で黒い水)と呼ばれました。今では渓谷全体がワイマング渓谷と呼ばれています。
そして1番の見どころは宝石のようなミルキーブルー色をしたインフェルノ火口湖です。
世界で最も大きな間欠泉が湖底にある火山湖です。インフェルノ火口には女性の精霊が宿り、女性の内面と外見の両方の美しさを引き出してくれるパワーがあると言われています。
ウォーキング中にはシダ植物やマヌカ、カヌカなどの固有の植物を楽しむことができ、時にはトゥイやファンテールなどの野鳥に遭遇することも。
もっと歩きたいという人はロトマハナ湖までのウォーキングコースを歩いてみましょう。入り口から最後まで歩いても2時間ほどで歩けます。又、ロトマハナ湖ではクルーズも楽しむことも出来ます。水面下にはかつて世界8番目の不思議と注目され、沢山の観光客を魅了したホワイトテラスとピンクテラス(温泉に含まれるシリカ質が蓄積してガラスの棚田のようなものが形成されていた)が眠っています。
忙しい毎日を過ごしていると、ふと疲れた心を癒したくなることありませんか。そんな時はパワースポットが数多く点在するロトルアの大自然に触れてエナジーチャージをしてみてはいかがでしょうか。
Asuka
オークランドのガイド会社MYDO NZ Ltdで勤務。個人・グループツアー、学生コーディネーター、下見ツアーに関してはmydo@ihug.co.nzへご相談ください。