ニュージーランドで仕事を探し始めて、「Permanent」「Casual」など日本では聞きなれない言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか。
今回はニュージーランドの雇用形態について解説します。
【契約(Contract)の種類】
「Permanent」
Permanentとは、日本の正社員のような雇用契約で、決まった契約期間がなく、基本的に長期で働くことが前提となります。Permanent契約の場合、会社側が解雇する際にはきちんとした理由が必要で、あらかじめ通知するなど、決まったプロセスが義務付けられています。同じように雇用される側も、退職する際にはその旨を事前に通知する必要があります。Permanent契約では、有給休暇や病欠などの福利厚生が法律により保障されています。
「Fixed Term」
Fixed Termは、決まった期間だけ働く雇用形態です。たとえば、特定のプロジェクトや、産休(マタニティリーブ)の代理として特定の期間のみ働く場合によく使われます。契約期間が終わると仕事も終了しますが、会社はその時期について事前に通知しておく必要があります。短期間であっても、有給休暇や病欠などの福利厚生が付与されることが多く、比較的短期間の就業を希望する人に向いています。
「Casual」
Casualは、仕事があるときにだけ働く臨時の雇用で、たとえばクリスマス前に店舗が忙しくなる時期などの「臨時人員」としてよく使われる雇用形態です。Casualの契約書には決まった勤務日が明記されていないため、労働時間が保証されない一方で、働いた時間に対する給与に「8%ホリデーペイ」の手当が上乗せされることもあります。雇用側は必要なときのみ仕事を提供でき、従業員側も働く義務がないため、柔軟な働き方がしたい人や副業を希望する人に向いています。
【勤務時間による区分】
「Full Time」
Full Timeは、1週間に30〜40時間程度働くフルタイムの勤務です。これはあくまで勤務時間によるくくりで、上記のPermanent、Fixed Term、Casualなど、雇用形態に関係なくフルタイムで働くことは可能です。また、ニュージーランドではおおよそ30時間以上がフルタイムとされていますが、このあたりの認識は国によって違っていて、たとえばアメリカでは40時間以上をフルタイムとするのが一般的です。
「Part Time」
Part Timeは、フルタイムより短い時間で働く形態です。1週間に30時間未満の勤務がパートタイムと呼ばれることが多いです。日本でよく聞く「パート」と意味合いが似ていますが、ニュージーランドでは契約形態に関わらず、あくまで「フルタイムに比べて勤務時間の短い働き方」という意味で使われます。
【契約書をきちんと確認しよう】
ニュージーランドでは、Employment Relations Act 2000という法律により、すべての労働者が基本的な権利を保障されています。雇用者と従業員は、契約書により雇用契約(給与、勤務時間、職務内容など)を明確にすることが求められています。仕事が決まって契約書を交わす際には、ご自身の責任で、サインする前に内容をきちんと確認するようにしましょう。
Sally OTAKE(公認キャリアコーチ)
NZの上場企業などにて人材管理やマネジメントを10年以上経験。現在は海外キャリアコンサルタントとして、仕事の探し方から履歴書、面接のアドバイスまで実践的にサポート。お客様の満足度100%を保っている。
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