ご無沙汰していました。ここしばらくは仕事もそこそこにファイナンシャル・アドバイザーとしての資格を維持するために、コースへの参加が続いていました。コースの後もいくつかペーパーを仕上げなければならず、家に帰ってからも作業が続きました。
まるで学生のような生活で(こうしたペーパーは大学で学ぶ場合は単位の対象になるので、「もったいないからこのまま大学のコースに入ってしまおうか?」と思ってしまうほどです)、この1ヶ月で何回ネクタイを締めたことか。勉強も峠を越え、営業にもどんどん出られる身になったので、何かありましたらぜひご連絡下さい(笑)。
ペーパーを仕上げながらつくづく思ったのは、お金を巡るキーウィと日本人の国民性の違いです。キーウィの場合、一家の稼ぎ手である大黒柱を失った場合、「すぐに生活費に行き詰る」ということを前提にしています。一般的に貯金がないのです。
ファイナンシャル・アドバイザーとして個人の金銭的な将来設計を描いて行くわけですが、日本人としては残された家族がいきなり公共料金の支払いに困ってしまうとか、葬儀費用が出せないという前提に戸惑ってしまいます。
日本人は一般的に多少なりとも蓄えがあり(NZにはなくても日本にある場合も多いです)、稼ぎ手がいなくなったとたんに公共料金が払えなくて電気や電話が止まるということは考えにくいのです。また香典を送る習慣もあるため、金銭面で葬儀が出せないというのも非常にまれなケースかと思います。
反面、キーウィには借金がたくさんあります。まず住宅ローン、そしてリボ払いにしているクレジットカードの残高、さらに分割払いで購入している家電製品の残高です。貯金がないのに借金がたくさんあるとなると、生命保険がないと残された家族は大変なことになってしまいます。
そのため、キーウィが保険に入る順番は、まず自動車保険や住宅保険などの損害保険、その次が生命保険という場合が多いのです。医療保険は職場の団体保険があればそちらで、なければ未加入となってしまうのもわかる気がします。
一方の日本人は、まず損害保険、次に医療保険、そして生命保険という順番が一般的です。特に生命保険は「結婚」「出産」「独立」など人生の大事な節目や、「家を購入した」「転職して収入に余裕ができた」という時に検討されることが多いようです。
生命保険加入の目的も最大の理由が「残されたご家族の一定期間の生活費のため」で、「一番下のお子さんが高校を卒業するまでの養育費」など、かなり長期的な展望に立っているのも特徴です。
もちろん、日本人でも住宅ローンがある場合は、その返済が一番の目的になりますが、ローンがなくても生命保険に加入する方は非常に多いです。しかし、キーウィの場合は加入自体が借金返済のためなので、「ローンもないのに生命保険?」「子どもの養育費?」と、「???」になってしまうわけです。
国民性なのでどちらが良い悪いとは言えませんが、キーウィの立場に立ってペーパーを仕上げて資格を維持しながらも、日本人の立場に立って日本人の皆様に役に立つアドバイスをしていくよう、これからも心掛けていきます。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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