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政府が気候変動委員会の排出削減助言を排除検討—独立した監視機能への懸念

ニュージーランド政府は、「排出削減計画(Emissions Reduction Plans)」に関する気候変動委員会(Climate Change Commission/CCC)の独立した助言役を将来的に排除することを検討しています。これはClimate Change Response Act の見直しの一部として進められている提案です。助言を外す理由として、計画作成プロセスが政府主導での協議を含むため、助言のプロセスが「時間とリソースがかかりすぎる」ことが挙げられています。

現行の法律下では、CCC は5年ごとに政府の排出削減計画に対して専門的かつ独立した助言を提供することが義務づけられています。これらの計画はNZが2050年までに「ネットゼロ排出」を達成するための核となるものです。

気候変動大臣サイモン・ワッツ(Simon Watts)は、当初「CCC の助言機能を削除する意図はない」と強く否定していました。ところが後日、政権側オフィスから「将来的に助言が今後も必要かどうかを見直すオプションを含めて検討している」という確認がありました。

グリーン党共同代表クロエ・スワーブリック(Chlöe Swarbrick)は、この動きが政府の気候政策を検証する独立性を弱めるものだとして強く批判。「政府を監視するための助言がなくなれば、気候政策に対する責任が曖昧になる」と述べています。

政府はまた、CCC の監視報告(monitoring reports)や排出予算(emission budgets)に関する助言など、既に同様の情報提供・分析を行っている助言業務との重複があることを理由に挙げており、これらの中で排出削減計画への具体的な助言の必要性を再評価する考えです。これまでのところ監視報告や排出予算助言の機能自体は維持が検討されています。