ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

第7回 材料へのこだわり:ニュージーランド産の食材

『NZで「SUSHI」を広める!30余年のビジネスストーリー』の記事一覧へ

07-00

取引先を選ぶメリット

前回のコラムで少しお伝えしましたが、St.Pierresでは、海苔、ガリ、わさび、すし酢、醤油、マヨネーズ、麺類など多くの食材を日本から直接輸入しています。どれも、日本で知名度の高いナショナルブランドや、小さいけれどもこだわりがあり信頼できる取引先・工場(日本の地酒やニュージーランドのクラフトビールみたいなものでしょうか)から可能な限りクオリティの高い食材を入手することを心掛けています。シーフード、チキン、野菜といった生鮮食品は、ニュージーランド国内から仕入れていますが、「ベストなクオリティ」へのこだわりは、ニュージーランド産の食材においても同様です。

T&Gは、ニュージーランド国内で120年以上の歴史を持つ、国内最大の野菜・フルーツの卸売業者です。ここはスーパーマーケットや2次卸売業者といった大口の専門企業へ商品を御す会社ですので、一般的には小売店と直接取引することがありません。しかし、私はどうしてもT&Gから直接新鮮な食材を仕入れたかったので、何度も粘って交渉をしました。長い交渉の末、T&GはSt.Pierresに食材を直接販売してくれることに合意してくれ、私たちはここを通じて新鮮なニュージーランド産のアボカド、キュウリ、レタス、パプリカ、玉葱、キャベツなど多くの野菜を仕入れることができるようになりました。国内最大の卸売業者と直接取引できる強みは、なんといっても高品質の食材を、早く、低コストで購入出来る事です。それらの食材を使い、お客様により良い商品をより安く提供する事が可能になります。St.Pierresが国内最大のスシチェーンストアとして毎年事業を拡大していけるのも、T&Gといった大企業とのネットワークとパートナーシップのお陰と言えるでしょう。毎年約100万個のアボカドをT&Gから購入するなど、今ではT&GはSt.Pierresにとって大切なパートナーとなっています。 

新鮮な食材が毎日届くシステム

07-02 キングサーモンは、ニュージーランドを代表する食材で、スシのネタとしても大変人気のある具材です。St.Pierresは、1984年より南島のネルソンにあるNew Zealand King Salmon Co. Ltdというサーモンの養殖会社から直接サーモンを仕入れています。サーモンはオメガ3不飽和脂肪酸など優良な脂を含むことで知られていますが、この会社の商品のサーモンは脂の乗りが良く、味がとても良いのが特徴です。この会社の加工場からは、St.Pierresの各店舗に新鮮なサーモンが空路と陸路で毎日届けられています。また、コールドスモークサーモンは、St.Pierre'sのスシとのマッチングを考え共同開発をした専用品を使用しています。美しいマルボロ湾で育った新鮮なサーモンを、お客様に楽しんで頂くことができるようにといつも心掛けています。

07-03 ニュージーランドでスシを買った経験のある方はご存知かと思いますが、スシのネタとしてチキンが頻繁に使われています。St.Pierresの「照り焼きチキン」も、日本の寿司に慣れ親しんだ方からは、一風変わった具材と思われるかと思いますが、こちらでは大人気の商品の一つです。この照り焼きチキンも、東海地方のこだわりのある取引先から取り寄せたテリヤキソースを使用して、各店舗で毎日調理しています。サーモンと同じく、このチキンもニュージーランド国内の専門業者から、毎日新鮮なものが各店舗に届けられるシステムを共同で構築しました。

ラグビーワールドカップに向けて

私たちには様々なビジョンがありますが、その1つとして、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップに賛同し、日本でSt.Pierresの「スシ」を販売する期間限定のショップをオープンさせるというプロジェクトを計画しています。このプロジェクトでは、私たちと長年取引のある日本の企業と協力し、「日本とニュージーランドが力を合わせれば、こんなユニークで新しい文化が生まれる」ということを日本の皆さんにもご紹介できたらいいな、と思っています。どうぞお楽しみに!

Nick Katsoulis
St. Pierre’s International Ltd.共同オーナー兼経営者。
1984年から兄弟と共にビジネスを始める。
ビジネスで道を極めることを目指し楽しむ。
 
https://facebook.com/StPierresSushi/
stpierres.co.nz