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第93回  油断しがちなガレージの防犯 

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先日、実際に起きた事件です。ある家族がガレージの荷物の出し入れをした後、子供にシャッターを閉めるように頼み、大人は家に入りました。しかし、子供がうっかりシャッターを閉め忘れて家に入ってしまったため、一晩中ガレージが開いたままでした。翌朝気が付いたときにはマウンテンバイクが盗まれていました。
 
 この家はガレージと住居がつながっていなかったので、被害がこれで済みましたが、ガレージから住居につながる部分にドアがない構造だったり、あっても鍵がなかったり、鍵があってもつい面倒でかける習慣がなかったりすると、開いたガレージから家の中まで一気に入っていけるので、就寝中や気が付かないうに家の中の物まで盗難被害に遭ってしまう、ということが実際に起きています。
 
 これ以外にもガレージ脇の庭に出られるようになったドアも要注意です。敷地内のドアなので施錠しないままにしている家が多いようですが、そこから進入して芝刈り機、洗濯機、冷凍庫と中に入っていた冷凍食品を盗まれたという話もあります。ある一家は夜遅くキャンプから戻り、疲れていたのでそのまま寝てしまったところ、朝起きたら車に残していた荷物をごっそり、それこそ子供のおもちゃまで盗まれた後でした。
 
 ガレージ内は家の中の延長のような安心感があり、車に鍵を挿したままにしている人もいるようですが、この安心感が「ついうっかり」のときに高くつくので、やはり用心したに越したことはないでしょう。
 
 特に家族の何人もが車に乗るご家庭や、小さいお子さんがいて外出するときも帰宅したときもお子さんに気持ちが集中してしまうご家庭では、「車に鍵を挿したままにしない」、「ガレージと家の間のドアの鍵をかける」など、家族でよく話し合って決め事を作っておくことも一案ではないかと思います。
 
 盗難被害ではありませんが、これも実際にあった話です。ご記憶の方も多いと思いますが、数年前にオークランドで半日に及ぶ長い停電がありました。朝8時台に突然始まったので出勤しようと車に乗り込み、ガレージのドアを開閉している途中にドアが動かなくなってしまった、という人が続出しました。
 
 自動ドアでも普通は手動で開閉できますが、種類によっては途中まで開閉した場合は手動に切り替えられないものもあるそうです。特にガレージと住居の間にドアがない構造ではそのまま家を空けることができず、「ガレージのドアが閉められない」ことを理由に仕事を休んだり、外出をあきらめた人がけっこういたそうです。逆に、いつもガレージから出入りしているので家の鍵を持ち歩く習慣がない人が停電中に帰宅して、ガレージが開かないので家にも入れなかった、という話もあったそうです。
 
 停電の件は特殊な例としても、突然の停電がけっこうあるNZでは注意すべきでしょう。ガレージといっても家屋の一部です。住居と一体型の構造であれば防犯も家並みに厳重にすべきところです。景気の悪化で空き巣も多くないっているのでお互いぜひ気をつけましょう。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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