ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

第12回 ネルソンへ移住 新たに目指す目標は・・・

『海外移住に憧れて、料理人カップルがNZをゆく』の記事一覧へ

オークランドからネルソンへ移住を決意

オークランドからネルソンへ移住を決意

地価の高騰からオークランドでの将来設計に不安を覚え始めた頃、今まで行ったことのなかった南島を旅したことで、日本から来た時に求めていた「ニュージーランドらしい」カントリーサイドでの生活というものを改めて考えました。

オークランドは日本の東京に比べると人口も交通機関の発達もまだ比べ物にはなりませんが、NZの中では一番人口も多く、開発も日々進んでいます。仕事はやはり街の中心部に集中しているので、朝夕の通勤・帰宅ラッシュ時の渋滞問題は深刻化するばかりですが、それでも週末郊外に車を30分も走らせれば、NZらしい美しい自然が楽しめます。移民も多く住んでいる為、各国の商店に行けばひと通りの物が安価で購入することも非常に便利でした。

ワークビザや永住権申請時に必要な物の為、移民局、オークランド総領事館、日本人ビザコンサルタント、メディカルセンター、役所など足を運ばなくてはならない各所機関が身近にあったのでとても助かりました。また始めて2人で海外に出てきて住んだ街ですので、お世話になった友人知人も多く、たくさんの思い入れのある場所となりました。

そんなオークランドからネルソンに引越しを決意したのは何故だったのか。それを問われると、明確なこれだ!といった理由はなかったのです。本当に直感といいますか、引き寄せられたというか・・・

2週間の南島周遊旅行の中で、ネルソン周辺に滞在したのは2日間だけでしたが、滞在中に町がよく展望できる「Centre of NewZealand」という、その名の通りNZの地理上の中心地となる高台に登りました。眼下に広がるネルソンの町は小さいながらもとても綺麗で、町の奥には山々と海が続いていました。

その時に自然と、「ここに住んでみたい、生活してみたいね」と、どちらからともなくお互いそう感じたのです。

 12-1

ネルソンってどんなところ?

インスピレーションをもとに急遽ネルソン移住を決めた我々。旅から帰ってきてから一ヶ月以内には慌ただしく引越しをし、ネルソンで新生活を始めました。季節は夏の終わりとなる2月の中旬でしたが、町にはまだ観光客の姿が見受けられました。人口は5万人程の町ですが、夏の観光シーズン本番ともなれば、国内外からたくさんの旅行客で賑わうそうです。

それもそのはず、エイベルタスマンを始めとする3つの国立公園に囲まれ、豊かな土壌と温暖な気候に恵まれた美しい自然を満喫できる場所なのです。そしてサニーネルソンという愛称があり、NZの中でもとりわけ日照時間が長いことでも有名です。

そのすばらしい環境が想像力を掻き立てるのか、アーティストが多いアートな町としても有名で、ギャラリーや工房が多く見受けられます。

12-2

色んな事が丁度いい、ネルソン生活

ネルソンに来てから新聞をよく読むようになりました。毎週家に投函される地元紙なのですが、ネルソンの街が小さいだけに、新聞に書かれている記事も身近なことばかり。新しいレストランの情報、道路工事、イベント、クラシファイド、さらには知り合いの方が掲載されるなんてことも・・・自分が今住んでいるネルソンという街で、どんなことが起こっているのか容易に把握できるんです。

そして大きすぎない小規模な街だからこその利便性があります。NZ全土にチェーン展開している各販売店も、「ネルソン支店」が町に一つずつあり、生活用品も簡単に揃えられることができます。そしてCouncilも、市役所というよりは、町役場といった雰囲気でとても親しみやすく、引っ越してきた時もゴミの捨て方など色々教えてもらいました。そんな地域密着な雰囲気が、知らない土地でこれから子供が欲しいなと思っている私達には、子育てをする環境としてもとてもよい印象をうけました。

さらにネルソンに住む人を総称して「Nelsonian」と呼ぶそうで、彼らはそれに大きな誇りを持っているのです。地元の人に、私達がオークランドから移り住んできたことを話すと、皆口をそろえて「ネルソンはいい街」だと言います。そんな地元の人に愛され、そして彼らによって日々さらに良い町になるように進化し続けるネルソン。引っ越してきてすぐに、自分たちの直感を信じて良かったと、思わせてくれる素晴らしい町なのです。

12-3

ネルソンで考えるNZ生活の将来設計は?

これまでネルソンの良い所ばかりを書いてきましたが、数ヶ月住んでみて問題点も少し感じました。夏が終わり季節が冬になるのと比例して、観光客がいなくなり町の活気も格段と寂しくなりました。そうなると仕事がなくなるのです。例えば夏の間は忙しいレストランも冬になると閑散期に入り、お客様の数も激減するそうです。ですので、年間通して一定の収入を得るというのは簡単なことではありません。

私達もネルソンに来て仕事探しを始め痛感しました。幸いなんとか2人共仕事を見つけ無事にネルソンでの生活を送り始めておりますが、ネルソンで迎える始めての冬なので油断はできないなと思います。また、移民もそれほど多くないので、オークランドのように、日本食材店、イタリア食材店などの販売店も少なく、もし見つけたとしても値段はとても割高となっています。

そんな時はKiwiのDIY精神に習って、なんでも手作りするように心がけ不便さも楽しむようにしています。

そしてできれば、そう遠くない将来に私達も自分たちのお店がやれたらと考えています。それは夏と冬の客足の違いや、どのような業態にするのか、食材の調達方法、地元の人、観光客の趣向などなど・・・考えなくてはならないことがたくさんあります。これから少しずつ暮らしていく中で形にしていけたらいいですね。

食べることは万国共通。

小さい頃から食べることが大好きで、それが総じて調理師という職業になりましたが、改めて良かったなと思います。食べることは世界中の人々に共通すること。まさか自分たちの経験が海外で役立つとは考えたこともなかったので、改めて調理の仕事をしていて良かったなと感じます。

食べた人が幸せになってくれる料理を作りたい。まだまだ新参者ではありますが、自分たちの信念を忘れず、常に感謝の心を持って、いつかはNelsonianの方々に愛されれるようなお店作りをし、私達もNelsonianの仲間入りができたらいいなというのが新たな夢になりました。何年かかるかわかりませんが、永住権取得を目指した時も夢のまた夢とおもっていたので今回も諦めずに夢を追いかけたいと思います。

最後に・・・今回改めてこれまでを振り返ることで気づくことも多くありました。このような素晴らしい機会をいただきまして深く感謝致します。最後までお付き合い下さいましてありがとうございました。

12-4

アラサー主婦ERIKA

職業シェフ・バリスタ
2010年ワーホリでNZへ。
2014年永住権取得。
2015年オークランドからネルソンに移住。
日々の様子をブログに更新中『アラサーカップルのワーホリ日記inNZ