いよいよ南島から北島へ。

北島中央部のタウポ火山帯に位置するトンガリロ国立公園。

多くのトラックが存在しますが、日帰りでいける最高のトラックとして人気なのがTongariro Alpine Crossing/トンガリロ・アルパイン・クロッシング！

往復8時間ほどかけて、壮観な火山を横断するトレッキングです。

夜明けと共に出発

トンガリロ国立公園からシャトルバスに乗り、登山口のあるMangatepopo/マンガテポポへ。このトラックはスタートとゴールの地点が異なるため、送迎やバスの手配が必要となります！

登山を開始する時点で辺りはまだ真っ暗。

一緒にバスに乗って来た大勢の登山家達と共に月明かりの下を進みます。最初のうちは斜面が少なく、なだらかでとても歩きやすい道です。

次第に空が明るくなってきました。

山に阻まれ日の出は見えませんが、振り返ると朝日に照らされる雲海が！

そこから突き出るタラナキ山が見事に見えます。

道中にはいくつもの注意喚起が。

ここから先が長いトラック。天候や自身の体調を常に観察し、無理を感じたらすぐ引き返すよう促されています。

幸いこの日は快晴！天気には問題なさそうですが日の光が当たるまでは凍てつく寒さです…！

次第に多くなる岩場を登り、2〜3時間ほど歩くと広大なクレーターにたどり着きます。まるで火星に来たかのよう！いろんな国の人達が荷物を持って隣を歩き、地球から共に移住して来たかのような気分になります笑

ここまで来てようやく日が当たり、日影の寒さから解放されてきました。

…が、代わりに風の強いこと！！

真横にそびえるナウルホエ山とトンガリロ山の間を吹き抜ける風が全身に当たります。

実はこのトンガリロの名前、マオリ族の言葉で「南からの冷たい風」と言う意味があるそうです。まさにその通りの強風。動きやすくて寒さから身を守れるウインドブレーカーは必須です…！

しかしそんな風に立ち向かいながらもさらに丘を登ると、ついに絶景が見えて来ました。

これまで登って来た山の反対側が見えます！大スケールな光景に疲れも飛び、そのまま一気に山頂へ。

その間常に絶景が目に入り、独特な地形と色に驚かされます。繰り返されて来た火山活動により様々な成分の地層が重なり、このような姿になったようです。

そして頂上を越えた先には…ついに見えて来ました！！

エメラルドグリーンの火山湖です！

周囲は硫黄の香りに包まれ、時々地面から蒸気が噴き上がりなんとも不思議な雰囲気。

地面から浸出した鉱物が湖に溶け込んだことにより、天然にできたとは思えないほど鮮やかな緑色をしています。

滑りやすい斜面を転げ落ちないように気をつけながらゆっくり降り…ついに湖畔まで辿り着きました！

近くで見ても絶景です…！

大きな岩がたくさんあり座りやすく、ここでお昼休憩を取る人達がたくさんいました。

自分の足で山頂まで登り、この世のものとは思えない景色を見ながら食べるごはんは絶品です！

またこれまで歩いた道のりを振り返っても圧巻。この壮大な景色の中、我々はなんて小さいのでしょう…笑

列を成して歩く姿がまるでアリのようです。

楽園のような湖を後にし、ここから帰路へ。

帰り道はロトアイラ湖、タウポ湖を眺めながらなだらかな草原を降り、そして最後に北島ならではの熱帯を感じる森を抜けてゴールとなります。

歩いた総距離は19.4km！

トレッキング初心者の私でもなんとか横断できました。全ては疲れを忘れさせる絶景のおかげでしょう…！

楽しむための注意点

道中にはトイレがいくつか設置されておりますが、数はそこまで多くありません。いざ必要になった時に簡単に行けないこともあるので、通りかかったら多少並ぶことになっても必ず立ち寄りましょう！

また山の上に設置されているので基本トイレットペーパーはありません。そのため各自ティッシュを持ち歩く必要があります。手洗い場もないので気になる方はウェットティッシュも用意すると便利です！

そして様々な環境の中約8時間かかるとされる長い道のりを歩くので、十分な防寒、そして水と食料を用意していきましょう！

水は2ℓ程はあった方が安心かと思います。

ちなみに私はお昼ごはんにおにぎりとツナ缶を持っていきました。ニュージーランドのツナ缶は様々な味のバリエーションがあり、そのままごはんのおかずにしても美味しいです。個人的にはサンドイッチより作る手間がかからず腹持ちが良いのでハイキングにとても良いと思いました笑

マオリの人々からも古くから神聖な場所と大切にされ、ユネスコの世界複合遺産にも選ばれたトンガリロ・アルパイン・クロッシング。

事前の万全な情報収集が必要となりますが、北島で1番美しいと言っても過言ではない光景が見られます。

その目で見たい方はぜひ挑戦してみてください！