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第274回  それって本当に「うつ」ですか? 

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【精神疾患は医療保険の対象になりません】
 ときどき受ける質問で、「医療保険は『うつ』もカバーしますか?」というのがあります。答えはノーです。医療保険は精神疾患を対象にしていないので質問への答えは簡単で、メールでも電話でも話はそこで終わります。
 
【保険屋として気になる点】
 しかし、保険屋としてつい気になってしまう点があります。「うつ」らしいと思いGPにかかると、そこに受診記録が残ります。睡眠薬などを処方されても効果がないとなると、専門医を紹介されることになるでしょう。こうした記録は治療によって治っても治らなくても、全て残ります。気になるのはこの点なのです。
 
【精神疾患の既往症があると生命保険に入れない可能性】
 こうした人が将来的に生命保険に入ろうとしたとき、例え「うつ」の症状がなくなっていても既往症扱いになり、加入を断られる可能性があります。生命保険は自殺でも保険がおりるので、保険会社としては精神疾患の既往症がある人の保険の引き受けはリスクが高いのです。
 
【ローンを組んでも生命保険に入れない事態】
 例えばローンを組んで家を購入するとき、まず生命保険に入ります。万が一、返済中に実質的にローンを返済している一家の稼ぎ手に万が一のことがあり返済できなくなったら、生命保険で残額を支払うか、家を売るかしなければなりません。もしも生命保険の加入を断られたら、ローンを組むことはできますが返済のリスクが高くなります。
 
【「うつ」の理由】
 最近の若い人が口にする「うつ」とは、「職場の人間関係」「パートナーとうまくいかない」「友達ができなくて孤独」「仕事が見つからず将来が不安」といった理由がはっきりしているものが多いようです。その結果、「眠れない」「突然涙が止まらなくなる」「引きこもっている」といった症状に見舞われるようです。
 
【これって本当に「うつ」だろうか?】
 症状だけみると「うつ」のようですが、理由がそこまでわかっているのであれば、問題の解決が先ではないでしょうか?職場の人間関係で眠れないのを、薬の力で眠ることが果たして「治療」といえるかどうか。「友達が薬を飲んでいて、自分も同じものがほしい」と思い、「眠れるなら」「不安が解消するなら」と精神科を尋ねる前に、まず自分で「これって本当に「うつ」だろうか?」と自問してみて下さい。ほとんどの場合、「うつ」ではなく「悩み」かもしれませんよ。病でなければ、職場や友達が変ったらケロリと良くなったりすることもあるでしょう。眠れないのは辛いでしょうが、ぜひ慎重に。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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