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第250回  片耳が聞こえなくなっても公立病院なら順番待ちの実例 

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【片耳が聞こえない】
久しぶりに知人に会ったら、
「悪いけど左側に来てくれないか?今、右耳が完全に聞こえないんだ。」
と言われて驚きました。彼は医療保険に入っていないので公立病院での受診のために、ただ今予約の順番を待っています。
 
【予約待ちですでに100日】
 仕事柄、参考までに彼の体験を聞き出してみました。
 
2月末:右耳に違和感を覚えるが痛くはなかったので様子見
 
3月:右耳が詰まってきたように感じ、違和感が強まったのでGP受診
「炎症がある」と診断されたものの、疲れなどで免疫力が落ちている場合には自然に治癒することもあるので、様子をみることに。シャワーで水を入れないよう注意される
 
4月:詰まった感じが強まり、軽い痛みも出てきたので再びGP受診
「炎症が広がっている」と言われ抗生物質が処方され、痛み止めには市販薬パナドールを飲むように言われる
 
5月:抗生物質を飲み終えても症状が回復せず、痛みも強まって再びGP受診
GPに専門医を紹介してくれるよう頼むと、「公立病院は『GPでこれ以上できることがない』と証明しないと予約を受け付けてくれない」と言われ、もう一度別の抗生物質を試すことになり、ステロイドも処方される
 
6月:処方された薬を終え様子をみるが、快復どころか悪化してしまい、痛みも増す。パナドールを飲んでも痛みがコントロールできなくなり、時おり頭痛も開始
 
7月:GP受診。とうとう公立病院の耳鼻科への紹介状が出て、GPが予約の手続きをとってくれる。風邪を引いたのを機に耳がさらに詰まり、痛みも相変わらず。1、2週間で「予約の申請を受け付けた」という連絡が来る
 
8~9月:予約の連絡はなく、ときどきGPと連絡を取り合う。耳の詰まりはさらに悪化。痛みは少しましになる
 
10月:右耳が完全に塞がり、聞こえなくなる。平衡感覚も狂ってきて、まっすぐ歩けなくなり、家の中でも何かにぶつかるようになる。紹介状が出てから100日が経過し、GPが再度確認の連絡を入れてくれるが、予約は入らず。GPから
「歩行に支障があるなら、杖を使ったほうがいい」
と真面目にアドバイスされる。
 
 私が彼に会ったのは11月に入ってからで、その時点でも予約は入っていませんでした。クリスマス前に予約が取れなかったら、受診が来年になってしまうので心配です。GPによれば予約が取れても、早くて2、3週間先だそうで時期的に微妙な段階です。
 
 今の彼の問題は右耳が詰まっているだけでなく、放置により聴力を失ってしまわないかということと、症状が左耳にも広がらないかということでした。確かに心配です。
 
【保険があれば遅くても4月には専門医を受診していた可能性】
 もしも彼が医療保険に入っていたら、GPの判断次第ですが3月の段階、遅くとも4月には私立病院の耳鼻科に紹介され、治療を受けていたことでしょう。GPで「保険に入っているか?」と聞かれたことがある人も多いと思いますが、保険に入っている人にはGPは早めに紹介状を出します。私立病院ならすぐに対応するからです。
 保険があれば本人も気が楽なので、2月末の段階でGPを訪ねていた可能性もあり、もっと早く何らかの手が打てたかもしれません。身近な例ですが、ご参考までに。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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