【国の保障と相殺される所得補償保険】
前回は病気やケガで働けなくなったときの収入を補償する、所得補償保険(インカム・プロテクション保険)の意外な落とし穴の話をしました。落とし穴とは、ケガや交通事故でACCの対象になったり、病気になったときに疾病手当(シックネス・ベネフィット)の対象となった場合、国からもらえる保障と保険金が相殺されることです。
【ACCとの相殺例】
例えば、ACCの対象となった場合、年収の最大80%まで所得補償を受けることができますが(比率は各種条件によります)、所得補償保険の保険金は一般的に年収の75%を上限にしているので、ACCで満額もらえた場合、保険での所得補償は受けられません。所得補償保険は他に職場復帰に向けたリハビリ費用等を補償しますが、相殺された加入者が「せっかく保険料を払ってきたのに」と思ってしまう気持ちもわかります。
【所得補償の一番の目的は住宅ローン】
そもそも、なぜ所得補償保険が必要なのでしょうか。ニーズのほとんどは「住宅ローン返済」のためです。病気やケガでほんの一時期でも働けなくなったときに、
「ローンがあるのは不安」
「返済に行き詰ったら大変」
というのが一番の理由です。逆に言えば、ローンの返済さえ確実にできるのであれば、他の保険でもいいわけです。
【住宅ローン保険を所得補償保険代わりにする裏ワザ】
そこで、「住宅ローン保険を所得補償保険代わりにする」という、裏ワザををお教えしましょう。ある保険会社の住宅ローン保険は国の保障と相殺されず、さらに一般的な住宅ローンと違って、保険金請求があったときに、保険金が銀行ではなく加入者個人に支払われ、保険金の使い道は加入者次第になります。銀行と交渉してローン期間を延長して毎月の返済額を減額してもらい、手元に残る金額を増やすとか、療養を機に家を売却しローンをなくし、保険金を生活費にするなど、加入者の選択肢が広がります。
【国の保障と相殺されないことと直接受け取れることが最大の強み】
具体例で言うと、自宅の住宅ローンがある場合、月々の返済額の最大110%まで(毎月の返済額が2,000ドルなら2,200ドルまで)保険でカバーでき、これは国の保障と相殺されないため、満額を加入者が直接受け取ることができます。
「働けない期間、なんとか国の保障で生活していけても、ローンの返済は厳しい。」
という声を反映して、所得補償保険の代わりになるように誕生した保険なので、国の保障と相殺されないことが最大の強みです。
【家を借りている人や投資物件がある人も加入できる】
この住宅ローン保険は住宅ローンがない、家を借りている人でも加入できます。この場合は年収の40%を上限に加入することができ、もちろん、国の保障とも相殺されません。収入の40%まで保障され、さらに国の保障があったら、ケガや病気で収入が減っても慌てて賃貸料の安いところに引っ越す必要はなく、安心して療養に専念することができるでしょう。また、投資物件の住宅ローンがある場合も、年収の40%を上限に保険に加入できます。
【国からも満額、保険からも満額】
この新しい住宅ローン保険も一般的な住宅ローン保険も扱っている私から見ても、この保険は画期的だと思います。それが証拠に、住宅ローン保険や所得補償保険をお探しのお客様にこの保険の説明をすると、皆さん、まず加入されます。国の保障と相殺されない、保険金を直接受け取れるという点が魅力のようで、保険料を払うのだから、
「万が一のときは国からも満額、保険からも満額受け取りたい。」
というニーズにピッタリなのでしょう。さらに詳しいことはぜひお問い合わせ下さい。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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