【雇用主拠出金に課税】
久々にキウイセーバーの話をしてみます。今月から勤め人のキウイセーバーの税制に変更があります。現在、勤務先が加入者に対して負担する雇用主拠出金(Employer Contribution)は給与の2%ですが、今月からこれが課税の対象になります。今までは非課税だったので、加入者の受取り分が加入者の個人所得税率に合わせて減額になります。以下、年収ごとの具体例でみてみましょう。
【年収3万5000ドルの人の例】(年度は4-3月とする)
加入者積立金 雇用主拠出金 国の拠出金 合計
2012年度 $700 $700 $350 $1750
2013年度 $700 $578 $350 $1628
2014年度以降 $1050 $866 $521 $2437
上の例でいくと2013年度(2012年4月-2013年3月)からは、雇用主積立金が課税され、加入者の口座に振り込まれる金額が前年度の700ドルから、578ドルに減額されます。ただし、自分の積み立てやそれに合わせた国の拠出金には変更ありません。
【2013年4月からは雇用主と加入者の積み立て比率が給与の3%に】
2013年4月以降は(上の例だと2014年度)雇用主と加入者の積み立て比率が給与の3%に引き上げられ、それに合わせて国の拠出金も増えるので最終的な積立額が約50%増額します。自己負担も大きくなりますが、ここからはキウイセーバーがぐんぐん貯まっていくのを実感できるのではないかと思います。
【国の拠出金のおさらい】
「国の拠出金ってなんだっけ?」という人へのおさらいです。キウイセーバーは加入者が積み立てた金額1ドルにつき、国も50セント(つまり半額)を一緒に積み立ててくれます。英語ではTax Creditと呼ばれていますが、納税しているかどうかは関係ありません。上の例で示したように、年間に加入者が700ドルを積み立てれば、国も350ドルを積み立ててくれますが、年間上限額が521ドルに定められているの、2013年4月以降、加入者が1050ドルを積み立てても、国の拠出金は525ドルではなく521ドルになります。
【年収7万ドルの人の例】(年度は4-3月とする)
今度は年収7万ドルの人の例でみてみます。
加入者積立金 雇用主拠出金 国の拠出金 合計
2012年度 $1400 $1400 $521 $3321
2013年度 $1400 $980 $521 $2901
2014年度以降 $2100 $1470 $521 $4091
この場合は国の拠出金がすでに満額の521ドルに達しているので、2013年4月以降、雇用主と加入者の積み立て比率が給与の3%に引き上げられても金額は変わりません。そのため全体の積立額は2013年度に比べて40%の伸びですが、やはり積み立てのスピードが大幅にアップするのがお分かりかと思います。
【加入はお早めに】
このようにキウイセーバーの条件は毎年のように変わっていますが、一つだけ言えることは国の負担が縮小傾向にあることです。国の拠出金はすでにスタート時から半額になっています。それでも1人で貯める銀行預金に比べ、勤め先と国が一緒に積み立ててくれる魅力は貯まっていく早さでお分かりかと思います。これからも中長期的に国の負担が減っていくことは十分に考えられます。今ある特典を少しでも長く活かすためにも、ご加入はお早めに。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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