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第183回  GPへ行こう 

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北島を襲った週末の暴風雨で何万世帯も停電したようですが、皆様のお住まいは大丈夫でしたか。倒木だの屋根が吹き飛んだだの、自然の威力はすごいですね。これから天気が荒れることが多くなる季節、庭のパラソルやサンシェード、アウトドア家具、トランポリン、植木など被害を受けやすいものには十分ご注意を。
 
 さて、最近ぽつりぽつりと住宅保険や家財保険のお問い合わせが入ります。想定していたこととはいえ、「来たなー」という感じがします。年明けに下のコラムで取り上げたように、2月1日から損害保険料が一斉に値上がりしています。
第178回 謹賀新年&2月から損害保険料値上げ
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=178
 
 2月に入って更新日を迎えた住宅保険や家財保険は値上がりの対象なので、保険料に反映されています。新しい保険料を見て、「え!」っと思って、お問い合わせされる方がぽつりぽつりと出てきたわけです。
 
 前回ご説明したように、住宅保険や家財保険には保険会社が国に代わって徴収しているEQC税(地震税)、火災税(ファイヤー・レビー)、GSTなどが含まれています。住宅保険の場合、物件の場所や建物総面積、建築年により保険料が変わりますが、今手元にある、とあるお客様の保険料の内訳は以下のとおりです。
 
通常保険料     351ドル
EQC税      150ドル
火災税       76ドル
GST      86ドル
合計        663ドル 
 
 保険会社に支払われるのは上の1項目の351ドルで、国に納められるのが残り3項目の計312ドルです。この保険の場合、支払っている保険料の約半分が国に行きます。
 
 EQC税は物件の建物面積に対して年間上限150ドルになったので(2月の値上げ前は一律50ドル)、小さめの物件や地震リスクの低い場所では、国に納める比率がさらに高くなるケースもあるでしょう。
 
 また、保険会社によって力を入れている商品が違うことも値上げ幅の違いとなります。新聞報道にもあったように自動車保険を重視している、ある保険会社の場合、「住宅保険の値上がり分を住宅保険だけに反映させ、自動車保険や家財保険に転嫁させない」という方針です。
 
 お問い合わせの中に、この保険会社のものがあり新しい保険料が年間1,000ドル近くに値上がりしていました。試しに私の扱っている保険会社で見積もりを出してみたら、年間600ドル台でした(注:損害保険に2つ以上加入する場合の割引率適用後)。保険会社によって戦略や保険料設定の基準が違うので、こういうことが起きることもあります。
 
 被災したクライストチャーチの住宅・家財保険も値上がりしています。お気の毒ではありますが、余震のリスクが収まらないうちはハイリスク地域とみなされてしまいます。「値上がりしたから」と保険をやめると、余震や他の自然災害に見舞われても、EQCから支援を受けられなくなるのでご注意下さい。住宅保険は火災や空き巣で家に被害が出ても補償の対象です。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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