大変ご無沙汰していました。2009年も4分の1が終わったんですね。この間、興味深かったのが、去年いっぱいぐらいまでは急激な円高効果もあってか生命保険のお問い合わせが多く、コラムでも取り上げたとおり「日本の保険をどうにかしたい」というご要望が多く寄せられました。今年に入ってからは損害保険のお問い合わせが急に増えています。内容は自動車保険だったり家財保険だったりいろいろですが、景気の悪化とともに引ったくりや車上あらしなどの被害をよく耳にするようになったので、みなさん自衛されているのでしょうか。
さて、久しぶりの今日は生命保険でも損害保険でもない医療保険の話をします。多くの方がご存知のように、NZの医療保険は日本のそれとはかなり違います。日本の医療保険は健康保険で発生する自己負担分を補うことを主な目的にしていますが、NZの医療保険は自費であれば非常に高くつく私立病院にかかることを主な目的にしています。
移住や仕事でこちらに移ったばかりだと、
「医療費が無料の国でなぜ医療保険?」
と首をかしげる方も少なくないと思います。確かに政府は無料公共医療を謳っていますが、専門治療や手術を受けるまでには長い長い順番待ちがある場合がほとんどで、その間に症状が悪化したり、最悪手遅れになってしまうこともあります。運良く悪化を免れても治療の必要性を指摘されながら数ヶ月、時には1年以上も待たされる患者さんの精神的な負担は相当なものだと思います。無料のツケは決して小さくないのです。
公共医療制度への不安を少しでも解消しようというのが医療保険です。GPと呼ばれる一般医・ファミリードクター経由で専門医を紹介されても、順番待ち次第ではすぐに専門医の診察を受けられるとは限らず、専門医の診断が出ても手術や入院までさらに待たされ、病院側の指示を待つしかありません。しかし、保険があれば契約内容に従って専門医での診察の段階から私立病院に切り替え、長い順番待ちなしにすみやかに治療や手術を受けることができます。(保険によってはGPから保障するものもあります)
お客様の中には、
「日本で健康保険料を払っていると思えば安いもの」
と現実的に考える方や、
「移住早々、宿泊先でテレビを観ていたらNZの「医療危機」の現状を報道していて怖くなった」
と、こちらでの生活を始めるのと同時に加入された方もいらっしゃいます。
さて、このコラムでは保険の一般的な話にとどめ、個々の保険商品には立ち入らないようにしていますが、既往症(保険で保障対象にならない加入前に発症した病気やそれに関連すると思われる病気)があって医療保険の加入を見送っている方に朗報があります。今月末までの期間限定で、保険会社の1社が「心臓疾患以外の既往症の場合、保険加入後4年目以降から申告していた全ての既往症を保障の対象とする」というキャンペーンを行っています。婦人科系の持病や喘息などで保険加入をあきらめている方が多いようなので、ご参考になれば。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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