明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
皆様の新年が保険金請求とは無縁な、健康で安全な1年となりますように。しかし、用心に用心を重ねていても不意に起きてしまう、病気、事故、事件。そんな大変な時に保険屋として少しでもお役に立てるよう、今年も情報提供を続けていきますので、ぜひよろしくお願いいたします。さっそくご質問にお答えしてみます。
『質問3』:路上に停めておいた車を当て逃げされてしまいました。犯人はわかりません。入っている保険はサードパーティー(対物賠償保険)なので、自分の車は保険対象になりませんが、なんとか保険請求できないでしょうか?(Sさん他)
『回答』:ご質問ありがとうございます。当て逃げとは、年末年始の楽しい時期に本当にご愁傷さまです。たまたま複数の方から同じようなご質問をいただいたので、まとめてお答えします。
おっしゃるように、ご加入のサードパーティーは対物賠償保険、つまり事故が起きた時に相手の車や壊してしまった物の修理を補償するための保険ですから、自分の車の修理は対象になりません。
ただし、当て逃げの場合、一つだけ例外があります。例えサードパーティー保険のみにご加入の場合でも、
(1)加害者が特定でき、
(2)被害者に100%過失がないことを証明できる
こうした場合、保険会社によっては保険の対象にしていることがあります。具体的には、
(1)たまたま目撃者がいて、当てた車と加害者本人を特定でき、(郵便局で車のナンバーを元に所有者の連絡先など登記情報を有料で入手することができます)
(2)駐車場所、駐車時間帯などで被害者に100%過失がないことを証明でき、被害が車の走行に支障が出るほど大きなもので、
(3)加害者が保険に入っておらず、被害者による修理費の支払い交渉が難航し、
(4)修理が行われていない
といったケースで、保険会社が条件を満たすと認めた場合は、加入時に定めた金額まで修理費が支払われるか、保険会社が代わって修理をします。
厳密に言うと保険会社が修理費を払ってくれるのではなく、加害者との交渉や修理費請求を代行したり、修理費を立て替えたりするのです。警察にも連絡が行き、保険会社も乗り出してくるとなれば、加害者も逃げ続けるわけにはいかなくなってきます。逆に言えば、自分が当て逃げしてしまっても、同じことが起きるわけです。
ただし、
(1)相手が特定できない
(2)走行中の事故などで、被害者に100%過失がないことを証明できない
(3)言葉の壁などがあったとしても特に交渉が難航してない
(4)すでに修理を終えている
こうした場合は、保険会社が関与する可能性はまずありません。
Sさんの場合は加害者が特定できないので、残念ながら対象になりませんが、加害者が特定できる場合は、まず当事者間で話し合い、埒があかない場合は保険会社に相談してみて下さい。
なお、「相手が特定できても交渉など面倒。さっさと修理してしまいたい。」という方には、自分の車の修理費もカバーするフルカバー(総合保険)があります。
以上、お役に立てれば幸いです。
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このコラムでは、みなさまからの保険に関するご質問を受け付けております。関心の高い内容に随時お答えしていきますので、お気軽にこちら⇒ hoken@xtra.co.nz までご質問をお送りください。(お送りいただく場合は、タイトルを「NZ大好き:質問コーナー」として下さい)
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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