医療保険について一般的に大きな誤解があるので、今日はその話を。ニュージーランドは健康保険制度がなく、永住権や2年以上のワークビザを持つ場合、公共医療を利用する限り、医療費はほぼ無料となります。しかし、ここには数ヶ月から数年にわたる長い待ち時間という大きな落とし穴があることは、以前お話したとおりです。詳しくは下記のリンクをご参照下さい。
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=12
医療保険があれば、全額自己負担となる私立病院にも気軽に行くことができ、その上、ほとんどの保険で、病気が発症した翌年以降も保険契約を更新し保険料を払い続ける限り、継続治療が保険対象になります。
ここが、海外旅行保険や長期滞在者向けの保険との大きな違いで、一般的に誤解されている点です。これはまた、キーウィの3分の1が加入するほど医療保険が支持されている理由でもあります。健康保険への支払いがない分、キーウィは自主的に民間保険に入り、予期せぬ病気やケガに見舞われてしまった場合に備えているのです。
医療保険があれば、
●公立・私立病院を問わず、真っ先に治療に専念できる
●病気が長期化しても保険の対象になるため、安心して長期治療を続けられるという大きな特典に守られることになります。
例えば動脈硬化から狭心症にかかり、病院へ行ったとします。心臓専門医の治療を受け回復したように見えましたが、2年後にもっと重い心筋梗塞で入院したとしましょう。
もしも最初の狭心症にかかる前から医療保険に加入していて、発病後も契約を継続していれば、狭心症はもちろん、ほとんどの場合で2年後の心筋梗塞も保険対象になります。がんも同様で最初の手術の1年後に転移が見つかった場合など、対象になります。
ただし、狭心症やがんになってから医療保険に加入しても、これらの病気は一律に既往症と見なされ、保険対象にはなりません。これらと関係のない病気であれば、もちろん対象になります。
つまり、病気になっていない健康な時こそ医療保険の入り時なのです。中高年を突然襲う病気は私立病院で手術などの治療を受けた場合、数万ドル単位の負担を覚悟しなくてはならないものがほとんどです。しかし、年間数百ドルからの医療保険があれば、いざという時の高額治療を長期にわたって保障していくことができます。ご家族が心臓病やがんなどにかかっている場合は、特に早めのご加入が後々の大きな安心となるかもしれません。
(継続加入による継続治療には保険会社、加入する保険によってさまざまな条件が付くものから、契約を継続する限りすべてカバーするものまでいろいろあります。ご契約時に必ず保障内容をご確認下さい。)
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高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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