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第309回 長期でNZを離れることになったら保険はどうする?

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長期でNZを離れることになったら保険はどうする?

「帰国するので保険を解約したいんですが」とか「しばらくNZを離れるんですが、保険はどうしたらいいでしょう」というお問い合わせをときどき受けます。こういう場合まずうかがうのが、①帰ってくる予定があるのか、②NZをどれぐらい離れるのか、という点です。以下、保険ごとに対応の一例を挙げてみましょう。

【損害保険の解約】
 NZを離れ戻ってくる予定がない場合は、全ての損害保険を途中解約します。保険料を月割りで払っている場合、解約は月割り計算です。保険契約日が5日、保険料の自動引き落とし日が10日、解約日が15日の場合、損害保険なら翌月4日で保険が終了し、払い込んだ保険料の一部が返戻金として戻ることはありません。年間で払っている場合は、日割り計算で解約返戻金が計算され、払い込んだ保険料の一部が戻ってきます。

【不在中の家や家財の保険は?】
 住宅保険や家財保険に加入しながら自宅を長期で空ける場合、必ず保険会社に連絡する必要があります。通常は60日以上の不在を指しますが、最長不在期間に関しては保険会社に確認することをお勧めします。誰も住んでいない空き家は統計的に空き巣や放火に遭いやすいのです。通知しておけば不在中も保険の対象ですが、通知を怠っていた場合、保険金がおりない可能性があるのでご注意ください。

【不在中の家を賃貸に出す場合は?】
 不在中の家を貸し出す場合、相手が親しい友人であっても賃貸物件とみなされます。そのため住宅保険や家財保険に加入している場合は必ず保険会社に住人の変更を通知し、自宅ではなく賃貸物件としての保険に切り替える必要があります。自宅と賃貸物件の住宅保険は保険料も免責も異なります。自宅の保険にしたまま他人に貸し出していた場合、何かあっても保険の対象になりません。

【NZに戻る場合は医療保険の保険料免除制度の利用をお勧め】
NZに戻るつもりの場合、医療保険の継続加入を強くお勧めします。保険会社により多少条件は異なりますが、私の扱っている医療保険の場合、10年間のうち最長2年間までなら不在中の保険料が免除されます。保険料を払っていない期間は請求はできませんが、10年以内の不在期間が合計2年以内であれば加入が続けられるのは利点です。
医療保険の場合、一度でも症状が出た病気に関しては完治しても既往症とみなされ、保険に再加入しても対象にならない可能性があります。10年の間にはいろいろな体調に陥るでしょうが、加入を続けている限りは既往症とはみなされず、全て保険の対象になります。

【生命保険はNZを離れても継続加入が可能】
生命保険の場合、NZに戻るか戻らないかにかかわらず、保険会社に所在を連絡しておけば継続加入ができます。特に加入後に病気になり、帰国後の日本や第三国で再加入する際に既往症の関係で保険に入れないか、入れても割高になる場合は、NZの生命保険に加入し続けられるのは心強いことでしょう。ただし、保険会社にどこに住んでいるのかをきちんと通知する必要があります。

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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