【引ったくりを目撃】
仕事柄、事故や事件の報告には慣れているつもりですが、先日目の前で引ったくりを目撃し、日常の死角をつくづく実感したのでその時の状況を話してみます。これからの季節、同じような状況での参考になれば幸いです。
私は繁華街の裏手の細い通りで、パーキングメーターのチケットを買おうと並んでいました。道の反対側はカフェで、外席にはお客が何組かいました。車が入ってきて、カフェの前に停まり、助手席から男が出てきました。
「コーヒーでも買いに行くのかな?」
と思ってなんとなく見ていると、キャーという悲鳴が聞こえ、男が外に座っていた若い女性客ともみ合っています。男の手にはハンドバッグが握られていました。
【一瞬の犯行】
男は女性を振りきって車に乗り込み、車はそのまま発進しました。運転者が別にいるので少なくとも2人組の犯行です。1分もない一瞬の出来事でした。私は車のナンバーと車種を見ていたので、すぐにカフェに行き、通報しようとしている店員に告げました。別の男性もナンバーを見ていたので、2人でナンバーを確認しました。ただ、犯罪に使われるナンバーは偽物であることが多いので、役に立つかどうかはわかりません。
【特に狙われるハンドバッグ】
バッグがテーブルの上にあったのか、椅子にかけてあったのかはわかりませんが、車の中からでも見える、目に付きやすい場所にあったのではないでしょうか。女性のバッグといえば、「貴重品は全部ここですよ」と宣言しているのも同然のもので、バッグがブランド品であれば、さらに狙われやすくなります。
【外席は狙われやすく、犯人は逃げやすい】
これからの季節、カフェでもレストランでも外席は人気です。解放感がある反面、今回の目撃で『狙われやすい』、犯人にとっては『逃げやすい』というのを、つくづく実感しました。あまりにも一瞬の犯行で、周りの客も店員もとっさに何もできませんでした。この状況でできるとしたら、自衛以外ないと思ったほうが良さそうです。
【まずは自衛の習慣を】
①バッグを椅子にかけない
これは店内・外席にかかわらずぜひ実行して下さい。会計するまで盗まれたことに気づかず、とっくにカードが使われていたという話もあるほど狙われています。
②バッグ、財布、携帯、カメラなどをテーブルに置かない
外席の場合、通りすがりの犯人にひょいと持っていかれるリスクがあります。特にランチタイムに財布と携帯だけ持ってでかけるような場合はご注意。
③席を立つときはバッグを持っていくか、椅子に残すなら椅子をテーブルの下に
トイレ、水、追加のオーダーと、ふと席を立つこともありますが、特に外席では注意が必要です。連れの人に頼む前に、まず自分で自衛する習慣を身に付けましょう。
④必要以上の物を持ち歩かない
【引ったくりやスリの被害と保険】
引ったくりやスリの被害は空き巣や強盗と同じように、家財保険でカバーします。ただし、外出先の補償をつけていないと、自宅以外での被害はカバーされないためご注意下さい。加入時には保険料の安さから外出先の補償をつけない人もいますが、仕事や子供の送迎など外出の機会が多い人は、補償をつけることをお勧めします。
旅行者、ワーホリ、学生など非居住者の場合は海外旅行保険に相当する滞在者向け保険に携行品損害補償をつけていれば、それでカバーされます。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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