仕事柄お客様に何かあったときに第一報を受けることがよくあります。最近の被害報告で気になっているのが、自分の敷地内に停めておいた車が盗難に遭う事件です。今までの経験から言うと、盗難は路上駐車や立体駐車場での被害が多く、自宅の敷地、しかも通りから奥まった場所からの盗難被害はわりと珍しいので、景気の悪化とともに手口も悪化しているのかと危惧されます。
もう一つはドアを壊しての空き巣の報告です。よくある被害は通りから見えにくい場所の窓やガラスのはまったドアのガラスを割って手を差し入れ、鍵を開けて進入する手口です。しかし、今回報告のあった被害はドアごと壊してしまうとい荒っぽいもので、こうなると複雑な鍵を付けていてもあまり効果がなくなってしまいます。
被害者によると、「カーテンを開けていた部屋は被害がなく、閉めていた部屋ばかりが荒らされた」ということです。もちろん、通りから見えやすい部屋とそうでない部屋、金目のものがありそうな大人の寝室と子ども部屋といった違いはあるでしょうが、興味深い体験談としてご紹介しておきます。ぜひお住まいの間取りと照らし合わせてみて下さい。
これはお客様の被害ではないのですが、実際に聞いた話です。ショッピングセンターの駐車場で買い物から戻って車に乗ろうとした人が、鍵穴の横に傷があるのを見つけ不審に思って傷をよく見ていると、突然現れた男に体当たりされ一瞬のうちに車を乗っ取られてしまいました。鍵を鍵穴に挿していたのであっという間の出来事だったそうです。
この手口はフロントガラスに偽の違反切符を置くものの新手とも言えそうです。運転者が車に戻り、鍵と車がセットになったところで盗むわけです。車に乗り込もうとしている運転者に声をかけて気を引きながら、助手席の方に別の犯人が乗り込み、運転者が動揺している隙に声をかけた犯人も乗り込んで逃走、という手口もあります。
小さなお子さん連れだったり、お年寄りが狙われたら、ひとたまりもない話です。有効な予防法があるわけではありませんが、車に戻ったときに普段と違うことがあったり、不意に声をかけられたときは十分注意しましょう。ほんとうに道を聞かれていたら申し訳ないですが、相手の様子次第では(特に男性の2人組など)英語がわからない振りをして相手にしないのも一案だと思います。
クライストチャーチで実際にあった話だそうですが、賊がテイクアウェイに押し入り、多分「金を出せ」と脅したところ、アジア人のオーナーが「I don’t understand.」と答えると、なにも盗らずに行ってしまったそうです。笑い話みたいですがこういうこともあるので、これもご紹介しておきます。
車上荒らしに関してはこれまでも何度か取り上げてきましたが、予防法はとにかく「外から見えるところに物を置かない」
これに限ります。物があるだけで目を引いてしまうので、何もないに越したことはありません。警察がアドバイスしているように、車を離れるときは面倒でもカーナビ(本体だけでなく取付け器具も)を外していくこともお勧めします。ハンドルロックやアラームで自衛をアピールすることは、しないよりも効果があると思います。
車上荒らしについては過去のリンクもご参考下さい。
第55回 NZで欠かせない車上荒らし対策
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=55
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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