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第79回  キウイセーバー:キウイセーバーとは 

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「キウイセーバー・クイズ」は何問ぐらい正解できましたか?
 
 8問以上なら立派な「キウイセーバー通」です。加入者だったら、せっかく積み立てているのですから半分以上は正解していていただきたいところ。3問以下だったら、ぜひこの機会に勉強してみて下さい。きっと無駄にはならないと思います。
 
 さて、そもそもキウイセーバーとは何でしょう。答えは「任意の確定拠出年金」でした。漢字の多い固い名前ですが、この年金の性格を良く表しています。まず「任意」ですが、これは加入しても加入しなくてもいいという意味です。ただし、政府は将来的に義務化することを目指しています。
 
 次に「確定拠出」ですが、これは積立額が決まっていることを指しています。つまり収入が確定している勤め人であれば「給与の2%」、自営業者や主婦など収入が確定していないか無職の人であれば「毎週20ドル」というように、積立額が決まっていることです。積み立てたお金はその後の運用方法や運用期間によって、65歳で受け取る時の金額が変わってきます。
 
 反対に政府が65歳以上の国民、または条件を満たしている永住者に支給している年金「スーパーアニュエーション」は、支給される金額が決まっている確定給付年金です。キウイセーバーとスーパーアニュエーションの違いは改めてお話します。
 
 最後に「年金」です。年金と言われると亡くなるまでずっともらえるような印象を受けるかもしれませんが、キウイセーバーは65歳でそれまで積み立てていたものを一括して受け取ります。金額が大きいので住宅ローンを完済してしまうとか、長期の海外旅行に出るとか、投資物件を買うとか、スーパーアニュエーションとは違った使い方ができます。
 
 非常に誤解されている点に、「キウイセーバーは企業年金」というのがありますが、これは間違いです。確かに企業も拠出を義務付けられていますが、口座はあくまでも加入者個人の名義です。ですから口座に入っている積立額は全額加入者のもので、企業は手を付けることができません。転職しても、最悪の話、勤務先が倒産してしまっても口座に入っているお金には影響しません。
 
 口座は現在30社あるキウイセーバーのプロバイダーで開くことができます。加入者が自由に選ぶことができ、企業がプロバイダーを指定することはできません。ただし、実際はほとんどの人が会社の総務が手続きをとってくれたプロバイダーに自動的に加入しているようで、かなりの人が自分のプロバイダーを知らないようです。プロバイダーは手数料なしでいつでも変えることができます。できれば大手としての信用、運用実績などを比べて加入するのが望ましいと思います。
 
 今のキウイセーバーはとにかくお得です。勤め人であれば自分で貯金をしているよりも3倍のスピードで貯めていくことができ、自営業者や主婦でも2倍にすることができます。今より預金金利が上がっても元本を2倍や3倍にすることはできません。次回はキウイセーバーがなぜこんなにお得なのかを見てみましょう。お楽しみに。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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