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第212回  働き盛りに欠かせない保険 

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【病気で働けなくなったら?】
 NZで病気になって働けなくなったら、どうすればいいでしょう?ケガで働けなくなった場合には国の機関であるACCから、それまでの収入に応じて保障を受けることができますが、病気の場合はACCとは無関係で(これはよく誤解されている点ですが)、ワーク・アンド・インカムに疾病手当(シックネス・ベネフィット)を申請します。
 
【疾病手当は既婚者で週170ドル】
 しかし、疾病手当には受給には条件が付きます。例えばご主人が病気で働けなくなった場合、専業主婦の奥さんは子供の年齢に応じて積極的に仕事を探すことを求められます。条件は求職であって、仕事が見つからなくても手当の対象にはなりますが、非常にプレッシャーがあることは覚悟しておいた方がいいでしょう。
 満額もらえたとしても既婚者やパートナーがいる場合は子供がいてもいなくても週170.80ドル、片親で週293.58ドルで(いずれも税引き後の金額)、これだけで生活していくのは厳しいでしょう。
 
【死亡より確率が高い大病】
 「一家の働き手に何かあったら」と言うと、みなさん真っ先に思い浮かぶのが生命保険だと思います。しかし、統計的にみても働き盛りの元気な人が亡くなる確率よりも、大きな病気になる確率の方がはるかに高いのです。脳梗塞や心筋梗塞など突発的に起こるものもあれば、腫瘍が見つかる場合もあります。特に若いうちは健康でめったに病院など行かない上、病の進行が早いため、何かが見つかるとすぐ入院・手術という話が多いものです。
 
【特約の賢い利用法】
 そこで生命保険のご加入を検討されているお客様に必ず勧めるのが、特定疾病特約やガン特約です。これらは生命保険の特約として加入できるだけでなく、単体の保険としても加入できます。特定疾病保険はトラウマ保険と呼ばれるもので、一般的に対象となる約40種類の病気にかかった場合、事前に設定しておいた保険金が一括して支払われます。一家の働き手が病気で働けなくなったときにまとまったお金があるのは、疾病手当だけを当てにしているよりもはるかに心強く、特約の賢い利用法をいえるでしょう。
 
【特定疾病特約の利用例】
 例えば50万ドルの生命保険に加入したときに、5万ドルの特定疾病特約をつけたとします。ご加入後、保険対象になる病気で何ヶ月も働けなくなったとします。こうした場合、ほとんどケースで5万ドルが一括して支払われます。その分、生命保険は45万ドルに減額されますが、命に別状がない以上、すぐに5万ドルの保険金がおりるほうが、被保険者が亡くなるまで一銭も保険金がおりないよりも、どんなに助かることか。
 
【さらなる安心のためのオプション】
 保険加入時にオプションを付けておけば、減額された生命保険の額を元の金額に戻したり、再び別の大病に倒れたときに再度、特定疾病保険を請求することもできます。お客様の中でも特定疾病保険の対象になり、まとまった保険金を受け取っている方が何人もいらっしゃいます。年齢、性別、病気の種類はまちまちですが、みなさん働き盛りで、収入が止まったら困ることについては一緒です。
 
 万が一にときの生命保険も大切ですが、特定疾病保険やガン保険は働き盛りにこそ欠かせない保険ではないかと思います。特約を利用すれば生命保険も特定疾病保険・ガン保険も同時に活かすことができます。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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